快速急行わずかに減便も速達化で利便性維持へ! 阪神電鉄ダイヤ改正(2022年12月17日)

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快速急行わずかに減便も利便性維持へ! 阪神電鉄ダイヤ改正(2022年12月17日)

阪神電鉄は2022年10月12日、プレスリリースにて12月17日にダイヤ改正を行うと公表した( 2022年12月17日(土)にダイヤ改正を実施します )。今回はこれについて見ていく。

1. 平日のみ快速急行減便へ

今回の2022年12月17日阪神電鉄ダイヤ改正では、2021年3月13日阪神電鉄ダイヤ改正以来約1年9か月ぶりにダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正では平日昼間の快速急行を20分間隔(毎時3本)から30分間隔(毎時2本)に減便する。これにより8往復の減便を行うほか、直通運転を行っている近鉄奈良線でも昼間の運行パターンを変更する

救済として尼崎で快速急行と対面接続を図る大阪梅田~尼崎間運転の急行毎時3本のうち毎時1本を西宮発着に延長する。これにより尼崎~西宮間の急行以上は毎時12本のまま変わりないほか、武庫川や甲子園、今津、西宮などから大阪梅田に直通する列車が毎時1本増えることになる

高校野球試合時などの帰りには梅田行きはすし詰め状態で臨時特急まで出すほどであるが、快速急行近鉄奈良行きは座れるどころか8人掛けの椅子に空席が2~3人分あるほどである。甲子園で催事の時にすら空席が多い快速急行を毎時3本も残しておく必要はない。

またそもそも平日昼間の快速急行は2009年3月20日の阪神なんば線開業から2012年3月20日阪神電鉄ダイヤ改正まで阪神なんば線内は全駅に停車し普通や区間準急と合わせて毎時6本でも十分運びきれていた。それを踏まえれば減便してもおかしくはなかろう。

ただ、土休日昼間は以前の2020年3月14日阪神電鉄ダイヤ改正にて増車し8両化している。そう考えると土休日昼間も毎時3本から毎時2本に削減しても問題はないだろう。ただそれでも減便しないということは、土休日昼間の快速急行を8両から6両に戻す可能性がありそうだ。

なお平日の快速急行減便により20分間隔から30分間隔となるわけだが、西九条でのJR紀勢本線特急「くろしお」との接続が改善する。




2. 平日夕方の快速急行増車で所要時間短縮へ!

とはいえそれではせっかく2020年3月14日阪神電鉄ダイヤ改正に向けて行った芦屋を除く快速急行停車駅の8両対応が水の泡になりそうだが、そんなことはない。

2022年11月時点では平日夕方の快速急行は近鉄奈良~大阪難波~尼崎間は10両、尼崎~神戸三宮間は6両で運転し尼崎で増解結を行っている。この尼崎での増解結中に大阪梅田からの急行に抜かれている。

が、今回のダイヤ改正で平日夕方の快速急行は近鉄奈良~尼崎~神戸三宮間の全線通しで8両で運転することとなった。これにより尼崎での増解結がなくなり、所要時間が3~4分程度短縮する。

これにより平日夕方に尼崎で急行が快速急行に抜かれることはなくなる。一見いいように見えるが、これにより大阪難波・西九条方面から武庫川・今津への利用、および武庫川・今津から神戸三宮方面への利用が不便になってしまう。この救済として平日夕が短快速急行を武庫川・今津へ追加停車することとなった。

ただ、平日夕方の快速急行8両化に伴いホームが近鉄車6両までしか対応していない芦屋は通過となる。また合わせて平日昼間も芦屋を通過とする。

これにより快速急行が芦屋に停車するのは平日朝のみ、平日昼間以降と土休日終日は芦屋を通過し武庫川と今津に停車する。

もっとも近年の阪神電鉄の対応を見るに、特急・快速急行停車駅のうち高架化している駅ではホームを延ばす傾向にある。芦屋は未だに高架化が成されていないが、連続立体交差化事業の事業主体は都道府県または政令指定都市であり、費用の9割を都道府県や沿線自治体が負担する。それを考えると、この快速急行の芦屋通過時間帯の拡大は芦屋市および兵庫県へ連続立体交差化事業を早期に開始させたいという思惑を暗に伝えているのだろう。

(2022.12.13 追記)なお土休日朝の新開地始発の阪神車による快速急行3本は全て神戸三宮始発に短縮し、廃止することとなった。




3. 平日朝に微調整実施へ

今回の2022年12月17日阪神電鉄ダイヤ改正では、平日朝に微調整を行う。

平日朝は大阪梅田発甲子園行き区間急行の運転時間帯を30分前より始めるべく、急行を区間急行に格下げする。今回のダイヤ改正で格下げするのは大阪梅田7時07分発急行甲子園行きおよび大阪梅田7時19分発急行甲子園行きの2本で、ともに区間急行に格下げする。これにより福島、千船、鳴尾武庫川女子大前にも追加停車するようになる。これにより大阪梅田発7時台から急行が消え、平日朝7時台と8時台の大阪梅田発は姫路行き直通特急、甲子園行き区間急行、高速神戸行き普通各毎時5本ずつの12分サイクルダイヤとなる。

平日の下りで12分サイクルを維持するということは平日の上りでも従来通り12分サイクルを維持する可能性が高く、平日朝の運転本数も維持するようだ。阪神本線の混雑率は83%、なんば線に至っては68%にまで落ちており、正直15分サイクルダイヤに広げても運びきれるはずなのだが。




4. 終電繰り上げへ

今回の2022年12月17日阪神電鉄ダイヤ改正では、終電の繰り上げを行う。

以前の2021年3月13日阪神電鉄ダイヤ改正でも大阪梅田~尼崎間と元町~石屋川間の近距離の一部区間で10~16分程度の終電繰り上げを行ったが、今回は大阪梅田~神戸三宮間などの中距離でも行う。

まずは大阪梅田発。神戸三宮行き最終を大阪梅田24時00分発特急神戸三宮行きから23時45分発特急三宮行きに15分繰り上げ阪急神戸線と合わせる。なお大阪梅田24時00分発には急行甲子園行きを運転し、終点甲子園で普通御影行きに連絡する。

そんな御影への最終は大阪梅田24時20分発急行御影行きから大阪梅田24時10分発普通御影行きに10分繰り上がる。とはいえ、これでやっと阪急神戸線の最終普通西宮北口行きの大阪梅田24時10分発と肩を並べるし、JR神戸線の普通西明石行き最終が大阪24時04分発であることを考えるとそれよりもまだまだ遅い。そう考えると順当だろう。

なお大阪梅田24時20分発の列車は急行御影行きから普通尼崎行きに短縮する。このため大阪梅田からの最終列車発車時刻に変更はないほか、むしろ急行通過駅では終電が4分繰り下がる。

次に神戸三宮からの終電。大阪梅田行き最終は神戸三宮23時32分発直通特急大阪梅田行き、尼崎への最終は神戸三宮24時03分発の直通特急のまま変わりない。ただし、尼崎への最終列車は直通特急尼崎行きから御影行きに短縮し、終点御影で普通尼崎行きに連絡することになる。

また石屋川への最終は神戸三宮24時20分発普通石屋川行きから神戸三宮24時15分発普通御影行きに5分繰り上がる。が、大阪梅田からの終電繰り上げと比べると神戸三宮の終電繰り上げは小規模にとなっている。

最期になんば線。大阪難波からの尼崎への最終は大阪難波24時15分発から23時55分発に20分も繰り上がるほか、尼崎から大阪難波への最終は尼崎24時00分発普通大阪難波行きから尼崎23時43分発普通東花園行きに17分繰り上がる。

おかげさまでなんばから阪神尼崎への最終は阪神なんば線大阪難波23時55分発よりも地下鉄四つ橋線の24時06分発や地下鉄千日前線の24時03分発の方が遅くなる。

ただ阪神電鉄では近年大手私鉄で広く行われている平日21時台以降の減便は行わない。これはそもそも深夜時間帯の減便は土休日の運転本数に合わせることを原則として行っているが、阪神電鉄ではすでに平日21時以降と土休日21時以降に運転する列車の時刻が同一なため、平日深夜に減便すると土休日より運転本数が少なくなってしまうためである。

そう考えると22時台以降は平日のみならず土休日も12分サイクルダイヤから15分サイクルダイヤに広げて減便しても良いのではないかと言われればそれまでだが、少なくとも今回のダイヤ改正では深夜時間帯の減便は終電の繰り上げのみとした。


5. 結び

今回の2022年12月17日阪神電鉄ダイヤ改正では、平日昼間の快速急行の減便や平日夕方の快速急行の増車などの微調整を行うこととなった。

今後阪神電鉄でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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