一斉終電繰り上げも朝昼晩は据え置きへ 阪急電鉄・阪神電鉄・神戸電鉄・京福電鉄ダイヤ改正(2021年3月13日)

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一斉終電繰り上げも朝昼晩は据え置きか 阪急電鉄・阪神電鉄・神戸電鉄・京福電鉄ダイヤ改正(2021年3月13日)

阪急電鉄は2021年2月12日、プレスリリースにて3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 阪急全線で最終列車の時刻を変更します )。また阪神電鉄は2021年2月12日、プレスリリースにて3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 本線で最終列車の時刻を繰り上げます )。さらに神戸電鉄は2021年2月12日、プレスリリースにて3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 三田線・公園都市線の最終列車の時刻を変更します )。そして京福電鉄(嵐電)は2021年2月12日、プレスリリースにて3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 嵐電・嵐山本線の深夜時間帯のダイヤを一部変更します )。今回はこれらについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 大阪・京都周辺で終電繰り上げ実施へ

今回の2021年3月13日阪急電鉄ダイヤ改正では、各線で終電繰り上げを行う。

これまで阪急電鉄では神戸線と京都線をバラバラにダイヤ改正してきたことが多かったが、今回のダイヤ改正は3路線同時にダイヤ改正を行う。しかもよりによってJR西日本と同日のダイヤ改正だ。そうなった理由はただ1つ。今回の阪急電鉄のダイヤ改正内容は終電繰り上げのみだから。JR西日本がこれまで深夜遅くまで運転してきた列車たちを軒並み廃止するとなれば競合している阪急電鉄も深夜遅くまで列車を運転する必要はないことから、JR西日本のダイヤ改正と同時に終電を繰り上げることとしたのだろう。

なお「阪急全線で最終列車の時刻を変更します」とプレスリリースに記載しているが、実際に繰り上げるのは神戸線・伊丹線・宝塚線・京都線の4線だけだし、神戸線と宝塚線に至っては大阪梅田~西宮北口・雲雀丘花屋敷間のみである。

これにより大阪梅田からの各線の最終時刻は24時25分一斉発車から24時09分~24時10分に15~16分繰り上がることとなった。なぜ24時10分ごろ発を終電としたかというと、東海道新幹線最終「のぞみ265号」新大阪行きから連絡するJR京都線快速大阪行きが大阪24時04分着のためそこから連絡させる必要があること、JR京都線の最終が大阪24時10分発高槻行きになるためそれに合わせたのだろう。

ただ終電繰り上げで1つ不可解なのは、千里線で終電繰り上げを行わなかったことである。もっとも北千里行き最終は天神橋筋六丁目23時53分発と早いので終電を繰り上げる必要性がないのだが、京都線の大阪梅田からの最終を24時10分発に繰り上げるのであれば天神橋筋六丁目24時35分発普通正雀行きは廃止すべきではなかったのだろうか。

なお今回の阪急電鉄ダイヤ改正では終電繰り上げ以外の時刻変更は行わない。このご時世で終日に渡り2割程度利用が減っているので平日朝ラッシュ時の10両運転の8両短縮化や京都線の昼間の準急削減などの減便は行わないこととなった。

また阪急電鉄では京都線に座席指定制列車を導入しようとしている。おそらく京阪プレミアムカー及びライナーを想定しているのでセミクロスシートを普通車ロングシートに改造することはなさそうではあるが、これまで別料金不要で国鉄やJR西日本と競合してきた阪急がまさか座席指定制車両を投入するとは…




2. 大阪・神戸周辺で終電繰り上げ実施へ

今回の2021年3月13日阪神電鉄ダイヤ改正では、本線で終電を繰り上げる。

今回のダイヤ改正では大阪梅田24時30分発普通尼崎行き、尼崎24時09分発大阪梅田行き、元町24時28分発普通石屋川行きのそれぞれ最終列車、合計3本を廃止する。

これにより大阪梅田~尼崎間及び元町→石屋川間で概ね終電を15~16分繰り上げる。これにより大阪梅田からの最終は平日は24時20分発の急行御影行き(野田で普通尼崎行き最終に連絡)、土休日は24時16分発の普通尼崎行きとなる。

なお本線での減便は深夜の3本に限るのでなんば線・神戸高速線・武庫川線など本線以外の路線では一切時刻変更を行わない。つまり昼間の大阪梅田~尼崎間の空気輸送だらけの毎時18本運転は残るのだ。おいおい、甲子園での大会が中止・無観客でかつ自前のタイガースの試合でさえ客数制限をしている中、甲子園需要ありきで組んだ昼間のダイヤを減便しようとは思わなかったのかね。昼夕輸送力比を考えても昼間の急行なんかなくたって特急(直通特急含む)や普通で十分運べるくらいにまで需要は減ったんだし、万が一甲子園需要が急に完全に戻ったとしても臨時便を出せば間に合うのである。

なお関西大手私鉄5社では終電を大阪市内の始発駅を24時25分~24時30分に出発する列車としているが、今回のダイヤ改正で阪急と阪神の終電が繰り上がる一方2021年3月には南海電鉄はダイヤ改正をしない見込みであるし、近畿日本鉄道はダイヤ変更を行わない。この2社はJR西日本大阪環状線からの列車連絡の都合上2020年時点の終電より繰り上げてしまうと東海道新幹線最終「のぞみ265号」新大阪行きから連絡できなくなってしまうため、阪急や阪神のように終電が繰り上げられないのだ。ただでさえ需要の多い京阪神の大手私鉄3社のうち2社が終電を繰り上げるのに、各線別の需要の小さいミナミの2社が終電を繰り上げられないのはいかがなものかとは思うが。




3. 郊外のみで終電繰り上げ実施へ

今回の2021年3月13日神戸電鉄ダイヤ改正では、三田線と公園都市線でダイヤ改正を行い、終電を繰り上げることとなった。

今回のダイヤ改正では公園都市線の終電1往復及び三田線の三田24時39分発最終岡場行きを廃止する。なお三田線では救済として1本前の三田24時24分発道場南口行きを岡場行きに延長し終電とする。これにより公園都市線では15~21分、三田線横山→岡場間では15分終電が繰り上がることとなった。また三田本町~ウッディタウン中央の各駅へ東海道新幹線「のぞみ265号」新大阪行き最終から連絡できなくなる。

なお有馬線や粟生線では終電繰り上げを行わないため、新開地からの最終列車は変わりはない。このことから有馬線の終電が新開地24時00分発準急三田行き、粟生線の終電が新開地24時03分発普通志染行きのまま変わりない。




4. 嵐電で終電繰り上げ実施へ

今回の2021年3月13日京福電鉄ダイヤ改正では、嵐山本線でダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正では嵐山本線で深夜時間帯に減便を行い、終電繰り上げを行うこととなった。

今回減便するのは23時台以降の四条大宮~嵐山間1往復と西院~嵐山間1往復の合計2往復となっている。これにより全線で概ね1本分、15分の終電繰り上げとなる見込みだ。

なお北野白梅町発着の北野線は時刻変更を行わない。


5. 結び

今回の2021年3月13日阪急電鉄・阪神電鉄・神戸電鉄・京福電鉄ダイヤ改正では、各線で終電繰り上げを行うこととなった。

ただほぼすべての路線で終日の利用は落ちているにもかかわらず終電繰り上げ以外のダイヤ改正は行わないこととなった。

今後大阪都市圏の鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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