京都~奈良間急行昼間廃止と新型車両投入見据え系統分割へ! 近畿日本鉄道ダイヤ変更(2022年12月17日)

 48565回閲覧

新型車両投入見据え系統分割へ! 近畿日本鉄道ダイヤ変更(2022年12月17日)

近畿日本鉄道は2022年10月12日、プレスリリースにて12月17日にダイヤ変更を行うと公表した( 2022年12月17日(土)ダイヤ変更について )。今回はこれについて見ていく。

1. 特急列車の拡充へ!

今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、2021年7月3日近畿日本鉄道ダイヤ変更以来約1年5か月半ぶりに大阪線・奈良線・京都線・名古屋線系統でダイヤ変更を行う。

なお南大阪線系統は2022年4月23日近畿日本鉄道ダイヤ変更で大きく変更したため、今回はダイヤ変更を行わない。

今回の近畿日本鉄道ダイヤ改正では、特急列車の拡充を図る。

今回のダイヤ変更のうち特急関係で一番大きいのは近鉄名古屋始発の名伊特急の昼間の行先延長である。従来宇治山田行きだったところを1駅延長し五十鈴川行きとする。

そして五十鈴川で鳥羽線普通賢島行きに連絡できるようにする。これにより名伊特急から鳥羽・賢島アクセスが向上する。

このほか京都線高の原は6本、名古屋線久居は2本特急停車本数を増やす。

高の原に特急が増停車するのは平日・土休日ともに朝9時30分~12時30分に通る京都行き特急のうち6本となっている。

また久居に停車するのは久居10時20分発特急912列車近鉄名古屋行きと近鉄名古屋17時45分発特急1713列車五十鈴川行きの1往復となっている。久居に停車する特急は朝の名古屋行きと夜の五十鈴川方面のみであることを考えると、今回の増停車で停車時間帯を拡大したといえるだろう。

また観光特急「あをによし」は京都~近鉄奈良間で1往復増発し、運転日は1日3往復体制とする。




2. 快速急行増発も瓢箪山行き消滅と運用削減へ

また今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、奈良線で運用の削減を図る。

まずは平日朝。準急6本を区間準急に格下げする。これにより平日朝は多くで8両運転を行っている準急の6両への減車を図るほか、普通を6往復東花園~東生駒間で減便する。

また瓢箪山7時08分発普通尼崎行きおよび東生駒7時59分発普通尼崎行きの2本を廃止するほか、瓢箪山6時14分発普通尼崎行きを東花園始発に短縮する。これに伴い尼崎6時00分発瓢箪山行きを廃止することから、初電の瓢箪山始発大阪難波方面普通を除いて瓢箪山折返し列車が消滅する。これらにより6両編成3運用、2両編成2運用を削減する見込みだ。

この減便で大阪難波発着枠が空いたことから、平日朝には大和西大寺7時17分発特急ひのとり6716列車大阪難波行きを増発する。

次に平日昼間。2022年11月現在、平日昼間は快速急行毎時3本、急行毎時3本、区間準急毎時3本、普通毎時6本の合計毎時15本を運転している。今回のダイヤ改正では急行のうち毎時1本を快速急行に格上げするほか、区間準急毎時1本を廃止し東花園~近鉄奈良間では救済として普通を毎時1本延長する。

これにより平日昼間は快速急行毎時4本、急行毎時2本、区間準急毎時2本、普通毎時6本の合計毎時14本に減便するほか、同日実施の2022年12月17日阪神電鉄ダイヤ改正の兼ね合いで神戸三宮行き快速急行は20分間隔(毎時3本)から30分間隔(毎時2本)に縮小する。

次に平日夕方。目立った減便はないが、毎時3本の快速急行を10両から8両に減車する。これにより尼崎での増解結がなくなることから全体的に発車時刻が5分程度繰り上がる。

また大阪難波20時台発は準急4本中2本を区間準急に格下げする。一方21時台は準急全2本を区間準急に格下げする一方で区間準急を2本増発し、5本の区間準急を運転する。また22時台には準急・区間準急のない22時台には区間準急を3本新設する。もっとも準急から区間準急への格下げ分や区間準急が増発した分東花園~東生駒・大和西大寺・近鉄奈良間で普通が減便するわけだが、この普通の運転区間縮小により利用者の多い大阪難波~東花園間で輸送力の増強を行えている。

これにより大阪難波20時10分~22時30分までは快速急行または急行→区間準急→普通の3本サイクルを徐々に間隔を広げて行うようだ。

このように今回のダイヤ改正では平日17時以降に快速急行の減車や準急の区間準急への格下げで輸送力調整を行う一方で、21時台以降は区間準急を活かした大阪難波~東花園間での増発を行うようだ。

なお深夜には東花園発大阪難波行き最終列車を東花園23時51分発から23時43分発に8分繰り上げる。




3. 土休日の準急を大幅に区間準急に格下げへ

また今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、土休日の準急のほとんどを区間準急に格下げし、普通を東花園~東生駒間で減便する。

土休日朝大阪難波7時~9時到着の上り列車は快速急行毎時6本・準急毎時6本・東生駒始発の普通毎時6本で運転しているが、今回のダイヤ変更より準急毎時6本を全て区間準急に格下げし普通も毎時6本東花園始発に短縮する。これにより土休日朝も3運用削減するようだ。

とはいえ準急はそもそも石切で快速急行に抜かれていることから生駒から鶴橋・大阪難波への先着列車は毎時6本のまま変わりない。

また土休日夕方大阪難波17時42分発~21時12分発の準急のうち20時台の2本を除く全列車を区間準急に格下げする。一方で21時台と22時台に準急大和西大寺行きを1本増発するほか、大阪難波23時32分発区間準急大和西大寺行きを大阪難波23時34分発準急大和西大寺行きに格上げする。

なお土休日昼間は神戸三宮発着の快速急行毎時3本、急行毎時3本、区間準急毎時3本、普通毎時6本の合計毎時15本のまま変わりないほか、神戸三宮行き快速急行も20分間隔(毎時3本)のまま維持する。今回のダイヤ改正で土休日は18時台まで昼間と同じダイヤパターンとなる。

このほか平日・土休日とも東花園5時42分発普通近鉄奈良行きを廃止し、生駒6時01分発快速急行近鉄奈良行きを設定することとした。おそらく行路時間の削減を図ったものだろう。




4. 京都線系統の系統分割は新型車両によるワンマン運転を視野か!

また今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、京都線で大幅な変更を実施する。

平日朝の新田辺→京都間の普通を6両運転に統一する。京都線では6両運転と4両運転があるが、普通は狛田と山田川が4両までしか対応していないため新田辺~大和西大寺間の普通電車は4両編成での運転とし、平日朝の京都行きの多くは新田辺で2両の増結を行っていた。

ただ2駅だけホームを延長しても京都線普通の全6両化はできない。平日朝の京都線普通は橿原線橿原神宮前始発や天理線天理始発が多く、橿原線内でもホームの延長を行わなければ普通列車の6両化ができない。このため今回のダイヤ改正で京都線普通を新田辺で系統分割することとなった

この新田辺での系統分割により、平日朝の新田辺~京都間の普通列車を全て6両編成で統一するほか新田辺での増解結作業を縮小する。

なお今回のダイヤ変更で京都着8時台に普通2本を減便しているが、その分以上に京都着7時台~10時台に準急を毎時1本ずつ増発しているため、輸送力は大きく変わらない。

なお京都線狛田駅では2021年6月16日に新駅舎に造り変えたが、土地があるにも関わらずホームの延長をしなかった。これも今回のダイヤ変更での新田辺での系統分割を見据えたものだったのだろうか。




近鉄では2024年度より奈良線・京都線系統向けに4両固定編成の新型車両を投入する。この新型車両がワンマン運転対応となる可能性も十分にあるだろう。

もし新型車両によるワンマン運転を開始するのであれば今回のダイヤ変更で新田辺や大和西大寺で系統分割することにより、新田辺~大和西大寺間や大和西大寺~橿原神宮前間のワンマン化も狙っているのかもしれない。

このほか今回のダイヤ改正では先述したように京都行き準急は増発することとなったが、京都始発の準急は全滅することとなった

また平日朝の急行京都行き毎時6本中近鉄奈良始発の毎時2本を地下鉄烏丸線直通急行国際会館行きに振り替える。近鉄京都線の地下鉄烏丸線直通車は運用が限られているが、10運用中地下鉄烏丸線運用は7運用で残る3運用は近鉄京都駅に乗り入れる地上のみ運転列車である。そう考えると今回の行先変更も運用繰りからして問題ないだろうし、これによる非直通車両の置き換えもなさそうだ。

なお国際会館行き急行は竹田で普通京都行に接続する。




5. 京都~奈良間の急行、昼間廃止へ

また今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、京都線急行で昼間を大幅に見直す。

まず平日・土休日ともに運転している地下鉄烏丸線直通急行だが、平日のみ昼間の運転を取りやめる。

また近鉄京都駅発着の急行は昼間は平日・土休日ともに橿原神宮前行き毎時2本、近鉄奈良行き毎時1本で京都~奈良間直通の急行を毎時1本設定している。が、今回のダイヤ改正で平日昼間は大和西大寺行きに短縮、土休日昼間は大和西大寺行きに短縮か天理行きに変更することにより、近鉄奈良へ直通しなくなる。おかげさまで昼間から京都~奈良間直通の急行が消滅するほか、平日昼間に至っては京都線急行が近鉄奈良に乗り入れなくなる

もっとも大和西大寺では約10分間隔(毎時6本以上)もある奈良線の近鉄奈良行きに乗り継げばいいのだが、12月3日から近鉄奈良駅に副駅名称として奈良公園前を付す一方で京都からの連絡を悪くするとはいかがなものか。

というか、東京から奈良への観光ルートは東海道新幹線京都連絡近鉄京都線利用が一番本数もあり利便性があるのだが、今回の減便でJR西日本奈良線みやこ路快速の方が分かりやすくて便利になってしまうし何よりJR西日本奈良線は2023年3月ダイヤ改正までに京都~城陽間完全複線化を完成させるのでいかようにも増発できるのだが

ただ、平日の京都~奈良間直通急行の減便はそれだけではない。先述したように平日朝は近鉄奈良始発の急行を京都行きから地下鉄烏丸線直通国際会館行きに行先変更を行い京都乗り入れ列車を減らすほか、平日夕方も近鉄京都始発の近鉄奈良行き急行の多くを大和西大寺行きに短縮し地下鉄烏丸線国際会館始発の近鉄奈良行き急行を設定することとなったのだ。

そうなると考えられられるのが特急誘導である。京都~近鉄奈良間は距離が39.0kmと短いながらも平日は汎用特急車両だけで毎時1本、土休日は汎用特急車両毎時1.5本に加え観光特急「あをによし」を約2時間間隔で運転している。もしここで特急を利用すれば520円の料金を徴収できるし、観光特急「あをによし」なら1人当たり730円の料金を徴収できる。

今回のダイヤ変更で京都~近鉄奈良間の急行が昼間や平日朝から消滅すれば、乗り換えを少なくしたい人は特急に乗って近鉄奈良に行くという人もいるだろう。もっとも大多数ではないが、1人でも増えてくれれば空いている特急列車の席が埋まってくれるし、増収になるし、ひいては今後の急行の減車・減便につなげられるのかもしれないのだから。

ただ1つ増収に難があるのは、京都~近鉄奈良間は短距離過ぎて料金のかかる特急を検索結果に入れない乗り換え案内サイトが多いこと。このため京奈特急への誘導にはなかなかの時間がかかるだろう。




なお近畿日本鉄道のダイヤ改正プレスリリースでは「このほか、ご利用状況などに応じて列車の運転本数、運転区間、種別、時刻などを見直します。」として記載しており、実際には車両運用を削減できる平日朝の減便を詳細なプレスリリース記載なしで行うことが多い。が、大阪線は多少の時刻変更はあるものの快速急行以下の料金不要列車には大きな変化はない。また名古屋線は早朝に白子5時58分発急行鳥羽行きを平日朝にみじんも変更がないし、終日運転本数も名古屋~四日市間では変わっていない。むしろ近鉄富田で連絡する同日実施の三岐鉄道三岐線ダイヤ変更の朝の1往復土休日運休化の方が改正内容が大きく見えてしまうほどだ。そう考えると今回のダイヤ変更のメインは奈良線・京都線系統なのだろう。

近畿日本鉄道では2021年7月3日近畿日本鉄道ダイヤ変更にて大阪線・名古屋線系統を、2022年4月23日近畿日本鉄道ダイヤ変更にて南大阪線系統を大きく時刻変更してきた。そして今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更で奈良線・京都線で大幅なダイヤ変更を行うことから、これにて2020年からの旅客減に応じた減便にひと段落が付くのではないだろうか


6. 結び

今回の2022年12月17日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、奈良線・京都線系統で大規模なダイヤ変更を行い、京奈特急への誘導や新型車両投入に伴う4両ワンマン運転を見据えたものとなりつつある。

今後新型車両の投入を行う奈良線・京都線系統でどのようなダイヤ変更を行っていくのか、見守ってゆきたい。

コメント

コメントを投稿される方はこちらの注意事項をお読みください。コメント投稿時点でこの注意事項に同意したものとみなします。

タイトルとURLをコピーしました