特急しらさぎ米原敦賀シャトル列車大量発生も15往復毎日運転をするのか JR西日本特急しらさぎダイヤ改正予測(2024年3月予定)

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特急しらさぎ米原敦賀シャトル列車大量発生も15往復毎日運転をするのか JR西日本特急しらさぎダイヤ改正予測(2024年3月予定)

JR西日本とJR東日本は2023年8月30日、プレスリリースにて北陸新幹線金沢~敦賀間延伸開業日を2024年3月16日とし、あわせて運行計画の概要を公表した( 北陸新幹線 金沢~敦賀間開業に伴う運行計画の概要について )。今回はこのうち特急「しらさぎ」を中心に見ていく。

北陸新幹線金沢~敦賀間延伸時の運転概要はこちら

1. 北陸本線特急「しらさぎ」15往復運行へ

今回の2024年3月16日JR西日本ダイヤ改正では、北陸新幹線金沢~敦賀間延伸開業に合わせ同区間での在来線特急の運転を取りやめ、大阪方面特急「サンダーバード」や名古屋方面東海道新幹線連絡特急「しらさぎ」で運行体系を再編する。

特急「しらさぎ」は米原で東海道新幹線「ひかり」と接続をとる連絡特急であるが、2015年3月14日の北陸新幹線開業に伴う北陸本線直江津~金沢間の経営移管に伴い北陸本線が金沢~米原間に短縮したことから、きしくも北陸本線全線特急となっている。

そんな特急「しらさぎ」の2023年時点での運転本数は、

  • 名古屋~米原~金沢間 毎日運転の定期列車8往復
  • 米原~金沢間 毎日運転の定期列車7往復
  • 米原~金沢間 定期列車扱いだが原則金曜土休日しか運行しない1往復
  • 米原~金沢間 多客時のみ運転の臨時列車2往復

との計18往復となっており、このうち毎日運転列車は15往復しかないがうち金曜土休日しか運行しない曜日運転扱いの1往復あわせて16往復を特急「しらさぎ」の定期列車としている




今回の2024年3月16日ダイヤ改正で敦賀~金沢間の特急列車が北陸新幹線に移行することになるため、特急「しらさぎ」の運転区間が名古屋・米原~敦賀間に大きく短縮する。

特急「しらさぎ」の運転本数は名古屋~敦賀間は従来の名古屋~金沢間と同じ8往復、米原~敦賀間は従来の米原~金沢間の定期列車扱いの列車8往復から早朝深夜の1往復を減便した7往復となっている。

もっとも北陸新幹線は6時~24時までしか運転しないので、その時間から外れてしまう米原22時48分発特急「しらさぎ65号」金沢行きおよび金沢5時10分発「しらさぎ52号」米原行きは全区間で廃止となる。が、それ以外の7往復は存続するとしているのである。

米原~敦賀間で7往復を残すとしているが、45.9kmしか運転しない列車を本当に7往復全便毎日運転するのだろうか。現状1往復で行っている定期列車ながらも曜日運転扱いで金曜土休日しか運転しないようにするのではないか。




2. 米原~敦賀間シャトル列車、多くが週3日程度の運転にしぼるか

では米原~敦賀間の特急「しらさぎ」シャトル便7往復は毎日運転するのだろうか。

そもそも2023年までの特急「しらさぎ」の目的は、東京~福井・金沢間を東海道新幹線「ひかり」と連絡することで移動できるようにすることが第一目的で、名古屋と北陸地方を結ぶ目的は二の次である。実際にゴールデンウィークや夏のお盆、年末年始の利用状況では米原~金沢間の利用者数は名古屋発着利用者の約3倍いる。

ただ今回の2024年3月16日北陸新幹線敦賀延伸で東京~福井間が北陸新幹線のみで行けるようになることから東京~福井・金沢間を東海道新幹線「ひかり」と接続して移動させる問いう特急「しらさぎ」の第一目的が失われる。これも踏まえて新幹線と在来線特急との乗り継ぎ割引も廃止となるくらいだ

このため、特急「しらさぎ」はこれまで第二目的だった名古屋と北陸を結ぶ利用が主目的となる。これを果たす名古屋~敦賀間を運転する8往復は必要不可欠だが、この機能を果たせない米原~敦賀間のみ運転のおおむねノンストップ運転の特急「しらさぎ」は空いていて当然である。

しかも名古屋~敦賀間は125.8kmあり特急「しらさぎ」しか直通列車がないが、米原~敦賀間は45.9kmしかない。特急列車で最速28分だが、朝夕は直通する北陸本線普通列車も運転していることから45分で着いてしまう。なんと特急列車に乗らなくても17分しか変わらないのだ




まあ昼間は敦賀発着の新快速が湖西線経由のため米原~敦賀間を普通列車で移動するには近江塩津で乗り換えが必要だし、意図的に特急「しらさぎ」に誘導するため近江塩津での乗り換え時間が約30分もある。

それでも昼間の近江塩津乗り換えも含め米原〜敦賀間は普通列車利用でも特急「しらさぎ」に抜かれることなく先着するし、朝夕の敦賀発着の新快速は北陸本線米原経由なので最速45分で直通しているから問題ないし、昼間も近江塩津での普通列車の接続を改善すれば特急「しらさぎ」のうち米原〜敦賀間列車7往復はおおむね代替できる。

はっきり言って特急「しらさぎ」のうち米原〜敦賀間のシャトル列車7往復は通常期には無用の長物でしかない。むしろ週3日も運転することをありがたいと思わなければならないレベルである。当然ながら683系3両編成全車普通車でことたりるだろう。

現状すでに特急「しらさぎ」のうち米原発着1往復が週3日程度しか運転していないことを考えると、米原〜敦賀間を運転するシャトル列車7往復の全てが毎日運転するはずはない。確実に1往復以上は週数日しか運転しないだろうし、それが5往復程度まで増えてもなんらおかしくないだろう。




3. なぜ米原~敦賀間シャトル列車を残すのか

ではなぜ空気輸送が予想される米原〜敦賀間のシャトル列車を7往復も運転するのか。

もっとも通常期は空席ばかりでただただ電気代が無駄になり、全国的に乗務員不足になっている今必要のない列車を運転することになる。ただ、問題は春のゴールデンウィーク、夏のお盆、冬の年末年始の三大多客時にさばききれるかだ。

北陸新幹線W7系・E7系12両固定編成は普通車843人、グリーン車63人、グランクラス18人の計924人を定員としている。683系9両編成は普通車500人、グリーン車36人の計536人、683系6両編成は普通車318人、グリーン車36人の計354人で、この2本の列車の定員を合わせても890人(うち普通車818人)と北陸新幹線W7系・E7系12両固定編成1本分よりやや少ない。このため大阪方面特急「サンダーバード」9両編成および名古屋方面特急「しらさぎ」6両編成が着席定員満員乗車で2本の列車から北陸新幹線「つるぎ」1本分に接続させても座りきれるのである。

問題は大阪方面特急「サンダーバード」や名古屋方面特急「しらさぎ」が増結するほど混雑する場合で、3両増結すると普通車の座席定員が182人、北陸新幹線2両分増やす必要があるのである。が、北陸新幹線W7系・E7系は12両固定編成のため増結ができない。

この混雑を分散するために臨時列車を増やすなどして対策する必要がある。その時臨時列車の増発では集客が十分集まらないことから、曜日運転の定期列車としてでも運転しようというのが米原~敦賀間運転の特急「しらさぎ」7往復の存続である。

このため、多客時においても特急「サンダーバード」12両編成と2時間に1本の特急「しらさぎ」を敦賀で1本の北陸新幹線「つるぎ」に連絡させてそこまで混雑しないのであれば、米原~敦賀間の特急「しらさぎ」は今後運転日のさらなる削減や減便を行い、ゆくゆくは廃止となるだろう。




4. 名古屋発着「しらさぎ」は通年6両で足りるのか

特急「しらさぎ」の主目的が名古屋から北陸への移動に変わることになるが、名古屋発着「しらさぎ」は8往復のまま据え置きとなっている。現状も全便毎日運転の定期列車だが、今回のダイヤ改正後も8往復毎日運転のまま変わりないだろう。

ただ、所要時間短縮により名古屋~福井・金沢・富山の利用客は増える。乗り換えても所要時間が短縮すれば利用者が増えるのは2004年3月13日の九州新幹線部分開業による特急「つばめ」→特急「リレーつばめ」の本数倍増や2022年9月23日西九州新幹線部分開業による特急「かもめ」→「リレーかもめ」の7両から8両への増車で実証済みである。

一方、今回の2024年3月16日北陸新幹線敦賀延伸後も名古屋発着の特急「しらさぎ」の運転本数は8往復のまま変わりはない。そうなると、乗せきれない分は増車を図るしかなくなる。




実際に名古屋~米原間での増結も必要か考えてみよう。北陸新幹線敦賀延伸前の2023年ゴールデンウィークの利用状況では、JR西日本管内米原~金沢間の特急「しらさぎ」利用者は8.0万人、JR東海管内名古屋~大垣間の利用者は2.5万人となっている。特急「しらさぎ」は多客時は米原~金沢間は毎時9両と1日2往復の臨時列車を運転するが、名古屋~米原間は2時間に1本の6両編成での運転のため平均毎時3両しかない。このため多客時のJR東海管内名古屋~米原間の輸送力はJR西日本管内米原~金沢間の30%程度しかないのだが、それに見合った旅客がすでにおり混雑しているのである。

さらに北陸新幹線敦賀延伸により名古屋~北陸方面への利用が10%~20%程度伸びることから、2024年以降特急「しらさぎ」は多客時は6両から9両への増車を図ってもおかしくはない。

一方通常時は従来通り6両編成で運びきれることから、名古屋発着の特急「しらさぎ」にて、通常時は従来通り6両、多客時は9両に増車する可能性があるだろう。

ただ、多客時増結を行う場合は車種をある程度固定する必要があるため、JR西日本683系のみの運用となる可能性が高い。特急「しらさぎ」の運転区間が直流電化区間のみになるとはいえ増結する場合JR東海383系では難しいだろう。また敦賀で連絡する北陸新幹線「つるぎ」の混雑が増してしまうのであまり良くはない。




そこでもう1つ考えられるのが、多客時にのみ米原〜敦賀間運転の特急「しらさぎ」の一部を名古屋発着に延長することである

そもそも2023年現在名古屋〜金沢間運転の特急「しらさぎ」はおよそ2時間間隔、米原〜金沢間運転の区間運転特急「しらさぎ」もおおむね2時間間隔で、この両列車が交互運転している。もっとも2024年3月16日北陸新幹線敦賀延伸に伴うダイヤ改正で名古屋・米原〜敦賀間に大幅短縮するものの、早朝深夜の1往復以外の全列車を残すとプレスリリースには記載しているので大きな時刻変更はなく、名古屋発着と米原発着を2時間間隔ずつ交互運転することに変わりはないだろう。

このため、もし米原発着7往復のうち一部を臨時延長して名古屋発着とすれば、名古屋発着定期「しらさぎ」の混雑分散を行うことができる。

もっとも、臨時に名古屋発着に延長した列車は臨時列車扱いであるから、定期列車ほどの集客は見込めない。が、この臨時列車の目的は定期列車を6両から増結することを防ぐためのものであるから、別に6両全てが満席になる必要はない。前後の列車から旅客を集めればいいので、1時間間隔で名古屋発着「しらさぎ」を設ける必要はなく、米原発着「しらさぎ」のうち2~3往復程度が名古屋まで伸びてくれれば運び切れる。べつに定期列車ではないので運転間隔が1時間だったり2時間空いたりしてもそこまで気にする人も少ないだろうし。

また、米原〜敦賀間シャトル「しらさぎ」はJR西日本管内しか運転しないが、名古屋〜敦賀間の特急「しらさぎ」はJR東海とJR西日本の2社直通特急となっている。このため臨時列車の運転は結構事前に両者協議で決めなくてはならず、JR西日本管内のみ運転の特急「サンダーバード」の臨時増発よりはハードルが高いし柔軟性が低い。ただ、実現不可能というわけではなく、実際JR東海紀勢本線特急「南紀」では定期列車4往復のほかJR西日本管内紀伊勝浦臨時列車2往復も設定している。ほかにもJR東海ではJR東日本管内白馬発着や松本発着の中央本線臨時特急「しなの」を設定しているし、JR東日本東海道線特急「踊り子」のうち修善寺発着の臨時増発も行っているわけで、JR2社直通特急だからといって臨時増発できないことはない。

さらに臨時列車増発にはメリットがある。増車の場合はあまり広く告知させることがないが(臨時列車プレスリリースに記載していたのはJR九州くらい)、臨時列車の増発であればプレスリリースに掲載されるしJTB時刻表やJR時刻表など市販の時刻表にも記載される。また北陸新幹線敦賀延伸による旅客増効果もアピールすることができる。これらから、定期列車の増車で済ませるより多客時の臨時列車増発の方がメリットが多いと言えそうだ。

これができれば、通年6両のまま増発だけ行えば良いことから増解結による車種統一を行う必要がなくなるので、JR東海383系の特急「しらさぎ」運用も可能となる。

なお今回の2024年3月16日ダイヤ改正でJR東海やJR西日本を含め全国で新幹線と在来線特急との乗継割引を取りやめる。このため乗り継ぎ時の料金が値上げとなるため、各社ではネット予約でお得な商品を発売するとしている。お大阪から北陸方面であれば全線JR西日本管内なのでe5489で割引商品を発売できるだろうが、名古屋から北陸方面はJR東海とJR西日本の2社を跨ぐことになるのでお得なきっぷを新たに設定するのは難しく、従来通りきっぷかきっぷと同額のe5489事前予約のみとなる可能性が高そうだ。


5. 結び

今回の2024年3月16日北陸新幹線ダイヤ改正では、在来線特急再編後も特急「しらさぎ」の運転はほぼ維持するが、米原〜敦賀間のシャトル列車の運転日数は少なくする可能性があるほか、2025年以降減便・廃止する可能性がある。

今後特急「しらさぎ」でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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