北陸新幹線・特急サンダーバード・特急しらさぎ 敦賀延伸に伴う再編まとめ(2024年3月16日)

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北陸新幹線・特急サンダーバード・特急しらさぎ 敦賀延伸に伴う再編まとめ(2024年3月16日)

本日2023年8月30日水曜日は、JR西日本による北陸新幹線敦賀延伸時の一斉公表日であり、合わせて行われる在来線特急の再編についても公表するものと思われる。

公表し次第以下に追加しまとめていく。

北陸新幹線敦賀延伸予定日

北陸新幹線金沢~福井~敦賀間延伸予定日は、2024年3月16日土曜日となった。

北陸新幹線運転概要

今回2024年3月16日ダイヤ改正で金沢~福井~敦賀間を延伸する北陸新幹線は、東京から敦賀まで直通列車を設定することでしょう。現在東京~金沢間は定期列車だけで24往復の北陸新幹線が直通運行していますが、そのうちどれくらいが福井・敦賀まで乗り入れるのか、福井止めは設定するのか、注目です。

また富山~金沢間の「つるぎ」も富山~敦賀間に運転区間を延長することになるわけですが、従来通り全駅停車なのか、はたまた速達便を設定するのか、その速達便に新列車愛称を設けるのかが見どころでしょう。

そんな中2023年8月20日にJR西日本が公表した運転概要がこちら

北陸新幹線運転概要2024

それでは列車愛称別に見ていこう。




最速達「かがやき」、原則敦賀まで全線運転も選択停車へ!

まずは北陸新幹線最速達列車で、東京〜金沢間を最速2時間25分で結ぶ「かがやき」。

今回の2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸で、定期列車10往復中福井県内で新幹線運転可能時間帯に収まりきらなくなる早朝深夜の1往復を除く9往復が敦賀まで乗り入れる。つまり「かがやき」は原則敦賀乗り入れである

ただ、「かがやき」は定期列車10往復のほかに臨時列車も最大10往復運転できるようになっている。この臨時列車も原則敦賀延長するのか、従来通り金沢止めなのか今後注目したい。

また、北陸新幹線最速達列車「かがやき」であるが、敦賀乗り入れ定期列車9往復のうち金沢を出ると福井・敦賀のみ停車の途中駅県庁所在地のみしか停車しない列車(大宮含む)は5往復となっている。

この停車駅最小限の列車は東京〜福井間を最速2時間51分、東京〜敦賀間を最速3時間08分で結ぶ。東京〜福井間は米原乗り換え東海道新幹線利用で3時間20分〜3時間28分かかっていてことを考えると、30分程度の所要時間短縮かつ直通化で利便性が相当高くなっていると言えるだろう。また、大雪に負けない最強の交通機関北陸新幹線が福井県内を通るだけでも相当な効果だろう。

一方敦賀に乗り入れる「かがやき」定期9往復中4往復は金沢〜敦賀の各駅に選択停車を行い、小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの各駅に2往復ずつ停車する。定期「かがやき」は朝夕しか運転がないことから、おそらく朝1往復、夕方1往復の停車とするのだろう。

まあ、東京から速く行けるので利便性は高いのだが、直通列車という意味合いだけなら後述する「はくたか」5往復もあるわけで、わざわざ「かがやき」を停車させる必要があるのかというのが1つ。

もう1つは、2往復ずつ「かがやき」定期列車を停めるなら、新高岡も「かがやき」を2往復停車させてもいいのではと思うのだが。新高岡に増停車しても東京〜金沢間の所要時間は4分しか伸びないので、東京〜金沢間2時間30分以内運転は維持可能だと思うが。




東京直通「はくたか」、金沢〜敦賀間各駅に停車へ!

次に北陸新幹線のうち最速達ではないものの東京直通列車として運転する「はくたか」。

あくまで東京に直通していれば良いので、全ての定期「はくたか」はJR西日本管内上越妙高〜金沢間にて各駅に停車している。

今回の敦賀延伸後も定期「はくたか」はJR西日本管内上越妙高〜金沢〜敦賀間は各駅に停車する。

ただし、定期「はくたか」15往復(長野〜金沢間の1往復を含む)中敦賀まで乗り入れるのは東京発着の5往復のみ。よって10往復は従来通り金沢止めである

そもそも東京から北陸地方に乗り入れる北陸新幹線定期列車は最速達の「かがやき」10往復と「はくたか」14往復の合計24往復であるが、「はくたか」はおおむね毎時1本の運転があるのに対し最速達の「かがやき」は朝夕しか運転がない。

まあ都道府県人口ワースト5の福井県に対して毎時2本の東京直通列車が必要かと言われると要らないが、終日毎時1本を確保しようとすると朝夕しか運転がない最速達の「かがやき」では足りない。

そこで、昼間の毎時1本の東京直通列車を金沢〜敦賀の各駅に提供するために「はくたか」のうち5往復のみを敦賀まで延長することとしたのである。

なお昼間の「はくたか」は長野県内で停車駅の少ない列車であることが多いことから、「はくたか」の中では比較的停車駅の少ない列車が福井・敦賀に乗り入れることとなる。

この「かがやき」「はくたか」の敦賀乗り入れで、福井と敦賀では毎日14往復の東京直通列車を設定するほか、小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの各駅は毎日7往復の東京直通列車が停車する。

ただ、1日7往復しか東京直通列車が停車しないとなると、東北新幹線七戸十和田の10往復を下回るのだが。まあ北陸新幹線金沢〜敦賀間で一番運転本数が多い列車は後述する「つるぎ」なので、「つるぎ」と「かがやき」「はくたか」を金沢で乗り継げば乗車チャンスは確保できることはできるが。

東京発着の「かがやき」「はくたか」に関しては福井で折り返しができないこと以外は2020年時点での当会鉄道時刻表ニュースの予測記事がほぼ当てていることから、ほぼこの予測記事通り運転時刻は東京~金沢間では変更せず、純粋に延長する形をとるのだろう。

2024年3月16日北陸新幹線ダイヤ改正のうち東京発着列車はこちら!




北陸以西「つるぎ」、最速達と全駅停車の2種類設定へ!

そして今回の2024年3月16日北陸新幹線ダイヤ改正最大の目玉が「つるぎ」だろう。

「つるぎ」は2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸時に北陸本線特急「サンダーバード」「しらさぎ」の富山への補完列車として富山〜金沢間のみ、全列車各駅停車(と言っても途中駅は新高岡しかない)で運転している列車である。大阪や名古屋からの在来線特急から乗り継いで富山まで行く旅客は限られているので、W7系新幹線12両のうち4両を閉鎖し、1号車〜7号車の普通車および11号車グリーン車のみの営業としていた。

が、今回の2024年3月16日北陸新幹線ダイヤ改正で敦賀延伸することとなり、「つるぎ」は原則敦賀発着として運転、12両全てで営業しグランクラスも開ける見込みだ。

そんな「つるぎ」だが、今回のダイヤ改正で大阪方面特急「サンダーバード」および名古屋方面特急「しらさぎ」との接続をより鮮明にする。これまでは特急「サンダーバード」や「しらさぎ」から北陸新幹線連絡は金沢で行っており、主に新高岡や富山に行くためのものであった。このため需要が限られていたことから、「つるぎ」18往復のみならず「はくたか」とも連絡をとっていた。

が、今回の2024年3月16日ダイヤ改正での北陸新幹線敦賀延伸により、大阪や名古屋からの北陸新幹線乗り継ぎ客が富山目的のみならず金沢・福井へ行く際にも北陸新幹線乗り換えが必要となることから毎時1本しかない東京直通列車の「かがやき」や「はくたか」と在来線特急「サンダーバード」「しらさぎ」と連絡することを避け、北陸新幹線側は「つるぎ」との接続のみに一本化することとしたのである

ただ、金沢〜敦賀間は毎時1本しか運転しない名古屋・米原発着特急「しらさぎ」はおおむね北陸新幹線設置駅にみんな止まるのだが、昼間は毎時1本ながらも朝夕は毎時2本運転を行う大阪発着特急「サンダーバード」は、福井や金沢など県庁所在地駅は朝夕毎時2本停車するがそれ以外の駅はおおむね終日毎時1本しか停車させず、停車駅をしぼることで速達性を図っていた。

今回富山・金沢〜敦賀間で運転する北陸新幹線「つるぎ」は特急「サンダーバード」「しらさぎ」の代替なのだから、速達型「サンダーバード」を運転していた以上特急「サンダーバード」と接続する北陸新幹線も一部は停車駅をしぼった速達型にしなければならない。

そこで、富山・金沢〜敦賀間を運転する「つるぎ」全30往復(敦賀で在来線特急と接続しない5往復を含む)のうち7往復を、敦賀、福井、金沢、新高岡、富山のみ停車の速達列車として設定することとしたのである

これにより大阪〜福井間は3分短縮し最速1時間44分、大阪〜金沢間は22分短縮し2時間09分、大阪〜富山間は29分短縮し2時間35分となる。まあ速達型「つるぎ」が1日1往復だけでも新高岡を通過すれば最速所要時間をあと4分短縮できたかもしれないが、停車需要を考えればわざわざやることでもないだろう。




なお、今回の北陸新幹線敦賀延伸時の運転概要プレスリリースの冒頭では、「つるぎ」は25往復(富山〜敦賀間運転18往復、金沢〜敦賀間運転7往復)としているがこれはあくまで敦賀で特急「サンダーバード」と連絡する本数であって、それ以外にも5往復の「つるぎ」を運転すると記載していることから、計30往復の運転となる。

この敦賀で特急「サンダーバード」と連絡しない「つるぎ」5往復の内訳は、富山〜敦賀間2往復、富山〜金沢間2往復、金沢〜敦賀間1往復となっている。もっとも富山〜金沢間運転の2往復は完全に区間運転なので記載を分けるのはなるほど道理だが、富山〜敦賀間2往復は北陸新幹線「つるぎ」としては全区間運転列車のためわざわざ書き分ける必要があるのだろうか。

これはおそらく、JR西日本の位置付けとして北陸新幹線「つるぎ」は特急「サンダーバード」と運転系統上セット扱いで(ただし旅客営業規則では明確に別列車扱いであるため西九州新幹線における「リレーかもめ」のような一体列車ではない)、特急「サンダーバード」区間のない北陸新幹線「つるぎ」は区間運転扱いということなのだろう。

大阪方面特急「サンダーバード」を北陸新幹線「つるぎ」としか接続させない理由はこちら!




大阪方面特急「サンダーバード」運転概要

今回の2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸で大阪~金沢・和倉温泉間から大阪~敦賀間に大きく短縮する湖西線特急「サンダーバード」。

これで運転区間がほぼ近畿地方に限ることになることから「サンダーバード」という愛称が消滅し、変更するかもしれません。

そんな中2023年8月30日にJR西日本が公表した在来線特急運転計画がこちら

北陸新幹線敦賀延伸に伴う在来線特急運転概要

特急「サンダーバード」は列車名称を残したまま大阪〜敦賀間で存続することとなりました。

運転本数は1日25往復となっていますが、2023年現在特急「サンダーバード」定期列車25往復中3往復は2021年3月13日より一部の月曜〜木曜は運休となっており、毎日運転列車は実は1日22往復しかありません。北陸新幹線延伸後はこの一部運休日のある特急「サンダーバード」のうち3往復は毎日運転となるのでしょうか、それとも一部の日で運休を継続するのでしょうか。また場合によってはこの3往復は開業直後の急激な増えに備える形で開業後半年は毎日運転とするのかもしれません。

なお今回のようなダイヤ改正半年前の運転概要公表はあくまで運転形態と運行本数にかかわるものに限るため、増車などの両数変更は12月中旬のダイヤ改正プレスリリース一斉公表まで待つことになりそうです。




名古屋方面特急「しらさぎ」運転概要

今回の2024年3月16日の北陸新幹線敦賀延伸で名古屋~金沢間から名古屋~敦賀間に大きく短縮する北陸本線特急「しらさぎ」。

列車愛称は「しらさぎ」のまま継続する可能性が高いですが、米原始発終着の区間運転便の廃止は避けられない、と考えていた。

が、いざ公表してみると名古屋発着の運転本数を8往復のまま据え置き、米原〜敦賀間の1駅運転「しらさぎ」を7往復も残すというのである

もっとも、金沢5時10分発「しらさぎ52号」米原行き初列車および米原22時48分発「しらさぎ65号」金沢行き終列車は北陸新幹線運転可能時間外にからんでしまうため全区間廃止だが、この1往復以外の米原発着7往復が残るとは。

なお今回のようなダイヤ改正半年前の運転概要公表はあくまで運転形態と運行本数にかかわるものに限るため、車種変更(特にJR東海車の使用に関するもの)は12月中旬のダイヤ改正プレスリリース一斉公表まで待つことになりそうだ。が、米原〜敦賀間運転の「しらさぎ」に6両編成は明らかに過剰で、3両もあれば足りてしまう。車両の置き換えは必至だろう。

また、そもそも米原〜敦賀間は45.9kmしかなく普通列車でも1時間程度で行けるわけで、各種乗換検索サイトでも特急は基本的に結果表示しない。そんな短距離列車が今後もつのだろうか、いやない。そう考えると米原〜敦賀間の区間運転「しらさぎ」を残したのは、実際に運転区間を短くしたら利用が減ったので翌年に廃止しましょうという口実つくりなのだろう。そう考えると、2025年3月ダイヤ改正で米原〜敦賀間の区間運転特急「しらさぎ」が廃止になってもおかしくはない。

ただ米原発着「しらさぎ」が残るということは、おそらく特急「しらさぎ」のおおむね1時間間隔運転のまま維持するだろうし、1時間に1本米原停車の東海道新幹線「ひかり」と連絡するのも変えないだろう。

特急「しらさぎ」が毎日15往復運転するのか?はこちら!




七尾線特急「能登かがり火」運転概要

七尾線特急に関しては、特急「サンダーバード」の乗り入れがなくなるほかは金沢~和倉温泉間の運転に変わりありませんので、今回の運転概要に掲載しないかもしれません。

七尾線特急は2015年3月14日の北陸新幹線金沢延伸時には特急「能登かがり火」5往復と大阪乗り入れ特急「サンダーバード」1往復の計6往復であった。が、七尾線普通電車が全て新型車両521系となった2022年3月12日JR西日本金沢支社ダイヤ改正で特急「能登かがり火」が1往復削減、七尾線特急は計5往復となった。

今回の2024年3月16日北陸新幹線敦賀延伸に伴うダイヤ改正では、特急「サンダーバード」が敦賀〜金沢間で廃止となることから金沢〜和倉温泉間のみ存続することとした。が、その区間は特急「能登かがり火」の運転区間と同一のため、特急「能登かがり火」に統合し5往復の運転とする。




北陸本線特急「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」運転概要

そもそも金沢~福井~敦賀間がJR西日本線ではなくなることから、この区間内のみを走る北陸本線特急「ダイナスター」「おはようエクスプレス」「おやすみエクスプレス」は廃止でしょう。

なお福井~敦賀間では北陸本線を継承するハピラインふくいが快速列車を1日4往復走らせるとしている。この快速列車がいつまで走るか見ものだ。

敦賀~北近畿方面特急列車運転概要

JR西日本では2024年より敦賀~北近畿方面に特急列車を運転するとしているほか、2023年10月~11月には団体臨時列車として敦賀~城崎温泉間にキハ189系による列車を設定する

この列車の設定自体が北陸新幹線敦賀延伸にからむものだから、今回の運転概要で何らかの公表があってもおかしくはない。

ただ、今回のプレスリリース公表では公表を見送ることとなった。


結び

今回の2024年3月16日北陸新幹線敦賀延伸に伴うダイヤ改正では、北陸新幹線の運転本数を公表するほか、在来線特急の大幅再編も合わせて公表することとなった。

ただ運転時刻の詳細は例年通り12月中旬のダイヤ改正一斉公表なので、今後も注視していきたい。

なお当サイト鉄道時刻表ニュースでは今回のプレスリリース公表に関する考察記事を1か月以内にあと2本は作成するので、こうご期待願う。

大阪方面特急「サンダーバード」を北陸新幹線「つるぎ」としか接続させない理由はこちら!

特急「しらさぎ」が毎日15往復運転するのか?はこちら!

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