新幹線接続改善で終電繰り下げへ! JR西日本広島支社ダイヤ改正(2022年3月12日)

 6652回閲覧

新幹線接続改善で終電繰り下げへ! JR西日本広島支社ダイヤ改正(2022年3月12日)

JR西日本広島支社は2021年12月17日、プレスリリースにて2022年3月12日にダイヤ改正を行うと公表した( 2022年3月ダイヤ改正について )。今回はこのうち広島県内について見ていく。

2022年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 日本第4位の混雑を誇る可部線で増車へ!

今回の2022年3月12日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、可部線で増発を図る。

可部線は運賃区分上地方交通線なのだが、混雑率は2020年度で132%と大阪都市圏を含むJR西日本管内でトップ、日本第4位を誇る混雑路線になってしまった

もっとも最大の原因は2015年から投入した新型車両が227系でクロスシートであること、227系は3両編成も投入したことにより既存の105系ないし115系4両編成から一部の列車が減車したことによる。

もっともこれまでも混雑分散のために梅林始発を増やすなどして対応していたが、今回のダイヤ改正で平日朝の全列車は可部線の全列車を4両運転に戻すこととした。

また平日夕ラッシュ時も広島16時台~19時台発は全列車4両編成での運転に増車することとなり、混雑を緩和する。

このほか土休日夕ラッシュ時は平日同様最大毎時5本から毎時3本に減便するが、昼間と異なり広島16時台~19時台は毎時3本すべてが可部方面あき亀山行きとして運転する。

可部線は沿線人口が多いため、並行する広島交通を中心とした路線バスも概ね5分以内で続々とやって来る。横川~広島間を地下化して広島市中心部の紙屋町・八丁堀を通すようになるだけで昼間は6両編成毎時6本以上の利用が見込める都市路線になるため、輸送効率も考えると路線の大幅な改良を図るべきではないだろうか。




2. 山陽線で平日朝夕に減便へ

今回の2022年3月12日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、山陽線で減便を行う。

広島県内では可部線は混雑率133%となっているが、他の路線はいずれも100%を割っており、山陽線五日市→横川間の混雑率93%のほかは90%すら割っている状況である。

混雑率が100%を割っていることから当然減便してもおかしくない状況で、都心部の混雑分散のための郊外区間での増発も必要なくなる。このため今回のダイヤ改正で山陽線で平日朝夕を中心に減便を図ることとなった。

まずは東行き。5両運転の白市7時02分発快速通勤ライナー広島行きを廃止する。救済として8両運転の西条7時16分発普通広島行きを白市7時06分発普通広島行きに延長する。

次に西行き。4両運転の南岩国7時48分発快速通勤ライナー広島行きを廃止し、救済として4両運転の岩国7時45分発普通糸崎行きを南岩国7時47分発普通糸崎行きに延長するほか、五日市8時21分発普通広島行きを設定することとなった。

このほか227系の運用する列車として、由宇7時04分発普通広島行きを岩国7時28分発普通広島行きに短縮する。これにより呉線広5時25分発岩国行きからの折返し列車を廃止する岩国7時45分発普通糸崎行きから岩国7時28分普通広島行きに変更する見込みだ。これにより岩国7時28分発普通広島行きは6両から4両に減車する可能性がある。

また今回のダイヤ改正で呉線広7時12分発普通岩国行きを五日市行きに短縮する。これにより折返しで今回新設する五日市8時21分発普通広島行きとして運用するようだ。

これにより快速通勤ライナーを計2本減便することとなったほか、227系を2運用11両~13両削減することとなった。

このほか平日夕ラッシュ時も広島~五日市間で3両運転を2往復減便している。この広島~五日市間の区間運転列車は227系への置き換えに伴い昼から平日夕ラッシュ時にかけての増結を取りやめることで減車することになったため輸送力確保のために行っていたものだが、このご時世で利用が減ったため増発させる必要がなくなったようだ。

また平日は広島20時43分発普通岩国行きと広島21時20分発普通岩国行きの2本を五日市行きに短縮するが、前後10分以内に岩国行きの設定があるため影響は小さいだろう。さらに平日・土休日ともに広島21時07分発の普通西条行きを瀬野行きに短縮する。これにより広島21時台以降は西条に向かう電車は概ね25分間隔での設定となる。




3. 呉線で昼間に減便へ

今回の2022年3月12日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、呉線で昼間に減便を図る。

今回減便するのは呉~広間で、各駅に停まる毎時3本(快速安芸路ライナー毎時2本及び普通毎時1本)のうち普通毎時1本を削減する。

ただ平日夕ラッシュ時も呉~広間は毎時3本の運転のため昼間の毎時3本は空気輸送と化しているほか、普通は呉で快速安芸路ライナーに抜かされるため利用が少ないのである。そう考えると今回の減便は影響が小さそうだ。

なお山陽線では約1年前の2021年3月13日JR西日本広島支社ダイヤ改正で土休日昼間に運転していた快速シティライナー毎時2本を廃止したほか、白市~三原間では昼間毎時2本から毎時1本に減便するなどの大規模な減便を行ったが、今回のダイヤ改正では昼間の減便は見送っている。が、夜間の瀬野行きが増えたことを考えると、近い将来瀬野~西条~白市間で減便を図る可能性はあるかもしれない。

4. 山陽新幹線「のぞみ」増発で終電繰り下げへ!

今回の2022年3月12日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、山陽新幹線「のぞみ」の増発に伴い在来線で終電繰り下げを図る。

これは2020年4月頃まで主に木曜・金曜・日曜に行っていた東京19時30分発東海道山陽新幹線「のぞみ107号」岡山行きの広島延長運転を行っていたものを、東京19時30分発は岡山行きのまま残した上で、東京19時39分発臨時「のぞみ449号」新大阪行きを定期化し広島行きに延長することで広島行きを増発することから、広島駅からの連絡列車を設定することとしたためである。

これにより広島からの呉線の終電は広島23時32分発普通広行きから広島23時43分発普通広行きに11分も繰り下がることとなったのだ。終電を繰り下げるのは利便性は向上するが、たった1年前に終電を繰り上げたばかりなのに終電を繰り下げたとなるとちょっと無計画なのではないかと勘繰ってしまう。

また広島23時23分発呉線普通坂行きや広島23時45分発山陽線普通五日市行きを増発することにより、新幹線接続を強化する。これにより東京19時09分発「のぞみ103号」広島行き及び東京19時39分発「のぞみ107号」広島行きからは山陽線2方向及び呉線・可部線それぞれに新幹線到着16分以内に接続列車を出すこととなった。

この接続改善により東京から呉線呉方面広までと可部線電車利用の最終は、前回2021年3月13日ダイヤ改正で東京19時50分発から東京19時09分発に41分繰り上がったものの、今回のダイヤ改正で東京19時39分発で済むようになったため差し引きして11分の繰り上げで済んでいる。

もっとも月曜~土曜は平常時であれば可部線沿線に広島交通の深夜バス可部方面桐陽台行きを最終の新幹線に接続するように運転している。ただこの広島着の最終の新幹線も東京19時51分発から東京20時00分発の「のぞみ109号」広島行きに9分繰り下がっているため、かえって利便性が向上することとなった。


5. 結び

今回の2022年3月12日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、混雑率の高さ日本第4位の可部線で増車を図ったほか、広島県内で山陽新幹線「のぞみ」の増発により新幹線接続を改善したほか、呉線で終電を繰り下げた。

今後JR西日本広島支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

コメントを投稿される方はこちらの注意事項をお読みください。コメント投稿時点でこの注意事項に同意したものとみなします。

トップページに戻る

タイトルとURLをコピーしました