終電繰り上げで奈良線も後追い繰り上げへ 近畿日本鉄道ダイヤ変更(2021年4月29日)

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終電繰り上げも奈良線は復帰見込みへ 近畿日本鉄道ダイヤ変更(2021年4月29日)

近畿日本鉄道は2021年4月26日、プレスリリースにて4月29日より深夜の列車を運休し終電を繰り上げると公表した( 最終列車の繰り上げと特急列車の運休追加について )。今回はこれについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 終電繰り上げ実施へ

今回の2021年4月29日近畿日本鉄道ダイヤ変更は、2020年3月14日ダイヤ変更以来約1年1か月ぶりにダイヤ変更を行う。

今回のダイヤ変更では大阪線・奈良線・南大阪線・京都線で終電繰り上げを行う。

プレスリリースには当分の間としているが、大阪都市圏の他路線の状況を見る限り元に戻る可能性は極めて低く、今回の終電繰り上げは恒久化する可能性が高い。しかも7月3日のダイヤ変更で終電時刻調整をを再び行うことからほとんどの路線で終電が元に戻ることはない。つまり今回の終電繰り上げは実質ダイヤ変更である

では近畿日本鉄道でどのような終電繰り上げを行うのか、見ていこう。




2. 京都線で終電繰り上げも新幹線接続確保へ

まずは京都線。京都24時16分発普通新田辺行き終電を廃止し、終電を京都23時57分発普通新田辺行きに19分繰り上げる。

ただ東海道新幹線最終「のぞみ265号」新大阪行きの京都到着は23時31分のため、終電を繰り上げても新幹線接続は保たれている(むしろ京都23時41分発急行大和西大寺行きにすらなんとか連絡できるくらいだし)。しかも2021年3月13日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正による終電一斉繰り上げによりJR奈良線・嵯峨野線・湖西線の京都からの終電は23時46分発一斉発車に統一している。

もっとも琵琶湖線は京都を24時以降に出発する列車が残っているが、今回の近鉄京都線終電繰り上げはJR京都線の普通大阪行き最終とほぼ同じ設定時刻だし競合するJR奈良線の終電よりは遅いこと、新幹線接続は保たれること考えると妥当な範疇だろう。

なお京都線の最終は7月3日ダイヤ変更で京都24時00分発普通新田辺行きに3分繰り下がる。おそらく京阪の最終出町柳24時00分発枚方市行きと発車時刻を揃えに行ったのだろう。




3. 大阪線で終電繰り上げで最終新幹線からの接続不可へ

また>今回の2021年4月29日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、大阪線でも終電を繰り上げる。

今回のダイヤ変更より運休するのは大阪上本町24時14分発普通高安行き及び大阪上本町24時28分発普通高安行き最終の2本となる。これにより大阪上本町からの最終は23時58分発普通河内国分行き最終となり、布施→高安間で終電が30分繰り上がることとなった。

なおこの最終河内国分行きは大阪難波23時55分発奈良線区間準急近鉄奈良行き最終から鶴橋で対面乗り換えできる。大阪難波・鶴橋から近鉄奈良と近鉄八尾の終電時刻が同じなのはいかがなものかとは思うが。

大阪線では最終の1本のみの運休であれば、河内永和ないし俊徳道でJRおおさか東線普通久宝寺行き最終から連絡できるので河内永和~東花園間と俊徳道~高安間の各駅は最終の新幹線から接続できた。しかしこのJRおおさか東線最終から連絡できる列車まで削減してしまったため、大阪線と奈良線は最終新幹線から連絡できる列車がなくなってしまった。

阪急や南海は24時10分頃まで大阪市内の始発駅を出発する列車を用意しているのに、24時前に打ち切るのは少し早くないか近鉄。

そんなこともあったのか、7月3日ダイヤ変更では24時台の大阪上本町~高安間の減便は1往復に留まることとなったのだが、大阪上本町24時14分発普通高安行きを大阪上本町24時08分発に繰り上げてしまったため、俊徳道でJRおおさか東線最終久宝寺行きから乗り換えることができず最終の新幹線からも連絡できない。

まあ進歩と言えば普通高安行き最終からJRおおさか東線普通久宝寺行きに乗り換えられるようになるので、大阪上本町や鶴橋からJR長瀬・衣摺加美北・新加美への最終が10分繰り下がることとなることで多少利便性は上がるのかもしれないが。




4. 奈良線で終電繰り上げも復帰見込みあり

また>今回の2021年4月29日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、奈良線でも終電を繰り上げる。

今回運休するのは大阪難波24時10分発普通東花園行きと大阪難波24時25分発普通東花園行き最終の2本となっている。これにより奈良線の最終は大阪難波23時58分発普通東花園行きとなり、27分繰り上がることとなった。

ただ、奈良線では直前に大阪難波23時55分発区間準急近鉄奈良行き最終を運転していることから、近鉄奈良への最終と東花園への最終が3分しか変わらなくなる。

まあこんなに乗車距離が遠くなってもほぼ終電が変わらないのは遠距離ではJR西日本と競合しているからなのだが、JR大和路線の最終が2021年3月13日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正で繰り上がったとはいえJR難波23時52分発普通奈良行きであることを考えると、近鉄奈良線の大阪難波23時55分発区間準急近鉄奈良行き最終を運転区間短縮などによりこれ以上繰り上げるわけにはいかないのだろう。

なお今回の奈良線終電繰り上げでは直通する阪神なんば線の終電繰り上げは行わないため、普通東花園行き2本を普通大阪難波行きに短縮するにとどまった。

ただ奈良線の終電繰り上げは次回2021年7月3日ダイヤ変更のプレスリリースで一切記載がないのである。おそらく阪神電鉄との調整ができていないからだと思うのだが、最終が大阪難波24時25分発というのはこのご時世ではかなり遅い。1本くらいは終電を削ってもいいのではないかとは思うが。

5. 南大阪線で終電繰り上げへ

また今回のダイヤ変更では南大阪線でも終電の繰り上げを行う。

今回運休するのは大阪阿部野橋24時12分発普通河内天美行きと大阪阿部野橋24時27分発普通河内天美行き最終の2本である。これにより南大阪線の最終は大阪阿部野橋24時02分発普通古市行きとなり25分繰り上がる。なおこの終電は7月3日ダイヤ変更以降も変わりない。

大阪阿部野橋23時58分発準急富田林行き最終は競合する鉄道路線がないので廃止にしても良かったと思うが(廃止しても古市までは今回終電になった列車があるわけだし、長野線方面も大阪阿部野橋23時46分発準急河内長野行き最終があるので12分の終電繰り上げで済む)。


6. 結び

今回の2021年4月29日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、大阪線・奈良線・南大阪線・京都線の4線で終電繰り上げを行い、大阪府内の終電繰り上げ区間では東海道新幹線・山陽新幹線最終から接続できなくなった。

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