早朝の利便性向上も減便へ 近鉄大阪線ダイヤ変更(2021年7月3日)

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早朝の利便性向上も減便へ 近鉄大阪線ダイヤ変更(2021年7月3日)

近畿日本鉄道は2021年5月12日、プレスリリースにて7月3日にダイヤ変更を行うと公表した( 2021年7月3日(土)ダイヤ変更について )。今回はこのうち近鉄大阪線について見ていく。

2021年7月3日近畿日本鉄道ダイヤ変更はこちら!

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 大阪線で減便実施も計画変更で大規模化へ

今回の2021年7月3日近畿日本鉄道ダイヤ変更では、大阪線で減便を図る。

ただ大阪線の場合は当初プレスリリースで記載していた減便と実際に行う減便が違うし、それ以上に大規模なダイヤ変更を行っているのだ。

それでは2021年7月3日ダイヤ変更で近鉄大阪線でどのように変化するのか、見ていこう。




2. 平日朝の減便で2運用削減か

今回の2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更では、平日朝に減便を図る。

まずは早朝。初電の名張5時00分発普通大和八木行き(大和八木より急行大阪上本町行き)を普通五位堂行き(五位堂より急行大阪上本町行き)に各駅停車区間を延ばすことで所要時間が延び、大阪上本町6時11分着から6時15分着に4分繰り下がる。これにより直後を走る大和八木5時39分発区間準急大阪上本町行きを五位堂5時51分発区間準急大阪上本町行きに短縮する。

さらに青山町5時04分発急行大阪上本町行き初電を青山町5時02分発普通五位堂行き(五位堂から急行大阪上本町行き)に格下げする。これにより青山町→名張間で初電が2分繰り上がる一方で、大阪上本町到着が6時26分から6時29分に3分繰り下がることとなった。これらの2本の急行の一部各駅停車化により、桜井→五位堂間の急行通過駅から朝の大阪方面への利便性が向上することとなった。

次に平日朝ラッシュ時には河内国分6時30分発区間準急大阪上本町行きを廃止、代替として直前を走る榛原5時43分発準急大阪上本町行きを区間準急に格下げする。

このほか名張5時41分発普通五位堂五位堂行き(五位堂から急行大阪上本町行き)が大和朝倉6時04分発に短縮し、代替として大和八木6時24分発区間準急大阪上本町行きを名張5時44分発に延長している。また名張5時58分発普通五位堂行き(五位堂から急行大阪上本町行き)が大和朝倉6時23分発に短縮し、代替として大和朝倉6時27分発区間準急大阪上本町行きを名張6時00分発に延長している。ただこれらの区間準急は五位堂や大和八木で後続の急行大阪上本町行きに抜かれるため名張や榛原から大阪上本町への先着本数は減っている。

またこれらの列車と近い大和朝倉6時01分発普通大阪上本町行きは大和八木6時11分発普通大阪上本町行きに短縮する。

今回始発駅を名張から大和朝倉に短縮した普通五位堂行きからの急行大阪上本町行き2本は、ともに前回2020年3月14日近鉄大阪線ダイヤ変更で快速急行から急行に格下げした際に最大6両でしか運転できない急行の輸送力を補うために増発した列車であったが、今回のダイヤ変更で短縮したことにより榛原や名張から利用できなくなり平日朝の先着本数が2本減ることとなった(もっとも1年半前と変わらなくなったと言われればそれまでだが)。まあこの急行と区間準急の入れ替えだけでは運用数は変わらないのだが、これで区間準急になったら乗らないよねになり数年後のダイヤ変更で平日朝の区間準急は急行も各駅に停まる名張→榛原間ないし大和朝倉間で削減を図り、将来的な1運用削減を見越しているのだろう。

また大和朝倉8時08分発準急大阪上本町行きを廃止し、救済として青山町7時47分発急行大阪上本町行きを榛原8時02分発普通五位堂行き(五位堂から急行大阪上本町行き)に格下げする。ただこの置き換えにより青山町→榛原間で減便することとなった。まあ青山町→榛原間は利用者僅少の三本松を除いて4分前の快速急行大阪上本町行きがあることから急行を減便してもほぼ問題ないということになったのだろう。

これらの大阪線での平日朝の減便などの見直しにより、2運用を削減する見込みだ。




3. 昼間の減便実施も当初の予定より大幅な削減へ

今回の2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更では、昼間の減便を図る。

これまで昼間の減便は速達列車の各駅停車になる区間を延ばしてその分下位種別を削減してきた。しかし今回の減便は速達列車の停車駅を変えずに各駅停車の減便を図っているのだ。

では今回のダイヤ改正で近鉄大阪線でどのようなダイヤ変更を行っているのか、見ていこう。

3.1. 名張~伊勢中川間で減便のはずが青山町~伊勢中川間の減便に縮小へ

今回減便するのは名張~伊勢中川間の普通昼間毎時1本のうち青山町〜伊勢中川間の計3往復である。この列車は2012年3月20日近畿日本鉄道ダイヤ変更で青山町始発終着だった急行毎時1本を名張始発終着に短縮し、伊勢中川から来る2両普通のうち毎時1本を名張始発終着に延長し急行と連絡させることとした。

ただ桔梗が丘や伊賀神戸から大阪上本町まで先着する料金不要列車を乗り換え込みで昼間毎時3本のままとするため、普通列車のうち名張〜青山町間は残したのである。これまでは伊勢中川発着だったから電力消費量削減も考えて2両の普通に乗り換えさせても良かったが、青山町行きに短縮してしまったらかえって専用の編成を用意する必要がなくなってしまう。だったら運用上の都合を考えても直通化して急行青山町行きに直通化しても良かったのではないか。

というか名張〜青山町間の各駅の利用を考えると、実は昼間は毎時4両程度あれば運びきれるので伊勢中川方面の利用を考慮しても4両編成毎時2本もあれば十分運べてしまう。というかプレスリリース掲載移転では名張~伊勢中川間で普通毎時1本を昼間から削減するはずだったのだが。そうなると地域輸送性を考えても名張〜青山町間で普通毎時1本をあえて残す必要もなかった気はするが、プレスリリース掲載時点での減便を一部取りやめたということは伊賀市または伊賀鉄道から昼間毎時3本残すよう要望でもあったのだろうか(ただ伊賀鉄道が終日毎時2本であることを考えると伊賀神戸に来る大阪線が毎時2本に減ったって利便性はそんなに下がらないし、むしろ伊賀線が近鉄のままだったら今回のダイヤ変更で内部線・八王子線とともに昼間毎時1本に減便する可能性は否定できないからね…)。

これにより青山町~伊勢中川間では原則昼間毎時1本しか列車が停車しなくなる。東青山~伊勢中川間は昼間急行毎時1本と2両普通毎時1本の運転となっており急行通過駅3駅のホームを延ばして急行を各駅に停車させれば停車本数を昼間毎時2本のままにできると思う方もいるかもしれないが、そもそも今回残った東青山〜伊勢中川間の普通は急行の直前直後に運転するため急行停車駅相互間の東青山・榊原温泉口〜伊勢中川間も昼間は50分以上間隔が空くことを考えると各駅の乗車人員からしてホームを6両まで延ばしたら急行は各駅に停まるけどその分普通が減便するだけなので乗車チャンスは変わらない。まあ急行停車駅になれば名張や松阪に直通する電車が増えるので利便性は高くなるし、近鉄からすればその方が車両運用が減らせるので得策なのだろうが。

まあ名古屋線では白塚〜伊勢中川〜山田線方面の2両編成普通電車はワンマン運転を行なっているのだが、大阪線では伊勢中川発着の普通は全て2両編成にもかかわらず車掌付きツーマン運転を行っているのだ。赤字を出してまでツーマン運転を行うのであれば、とっとと急行通過駅のホームを6両分に伸ばして急行を榊原温泉口〜伊勢中川間で各駅停車化して普通をその分削減、そして運用数の削減を図った方がいいと思うのだが。

これにより青山町~東青山間は昼間は急行毎時1本しか料金不要列車を運転しなくなるわけだが、大阪線の今回の減便は名張市・伊賀市を除く三重県各地及び愛知県から奈良県・大阪府へ向かう利用を特急誘導するためだろう。この青山町~伊勢中川間の昼間の普通の減便により昼間は1運用減ることとなった(もっとも名張~伊勢中川間で減便すれば2運用減っていたはずだが)。

このほか伊賀鉄道では平日に伊賀神戸〜上野市間で1往復増発することとなったほか、大阪線三重県内区間では名張5時21分発普通伊勢中川行き及び伊勢中川6時00分発普通東青山行きの1往復を廃止する。




3.2. 大阪線の山田線直通急行が昼間に消滅へ

また今回の2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更では、大阪線急行の山田線直通本数が大幅に減る。

これは山田線急行が昼間毎時2本から毎時1本に半減するのに伴い昼間の山田線直通急行を近鉄名古屋始発終着列車に限定したためで、これにより山田線内で6往復が削減、大阪線急行のうち山田線に直通していた6往復が伊勢中川止めに短縮することとなった。

ただ救済措置として名古屋線からの山田線直通急行の設定時刻を変更、伊勢中川で10~15分程度で大阪線急行と山田線急行が乗り換えられるようにした。これにより少しでも利便性低下を避けたいようだ。

ただし今回のダイヤ変更で昼間の阪伊特急が昼間毎時2本から毎時1本に削減している。そんな中大阪線急行が伊勢市まで直通してしまうと特急利用者がさらに減ってしまいかねない。そこで特急誘導も兼ねて昼間の大阪線急行を伊勢中川止めにして山田線直通を取りやめることとしたのだろう




3.3. 大和朝倉~榛原間でも減便へ

大阪線ではこのほかにもプレスリリースに記載のない大和朝倉~榛原間の区間準急または普通毎時1本の減便も行っている。これにより大和朝倉~榛原間を運転する昼間の料金不要列車は7往復減り、毎時4本から急行のみの毎時3本に削減する。

榛原で昼間の料金不要列車が昼間毎時3本で済むということは榛原~名張間は昼間毎時2本で済みそうではあるが、名張は榛原とほぼ同等の利用があること、急行の大阪府内での混雑分散を考えると昼間の榛原~名張間の減便は難しいのだろう(もっとも名張でも減便すれば伊賀神戸・青山町もいやおうなしに減便することになるので伊賀地域で一律で減便を図れることにはなるのだが)。

もうそろそろ平日朝に運転があり今回のダイヤ変更でも少なくとも3本増加した五位堂以東は急行、五位堂以西は普通で運転している列車に区間急行の列車種別を付けて、昼間の急行のうち名張始発終着の毎時1本を区間急行に格下げしその分五位堂~大和朝倉間で区間準急の減便を図った方がいいと思うのだが。もう南大阪線で昼間の料金不要の最速列車を区間急行にしようとしているんだ、大阪線の昼間に区間急行を走らせたって何が悪いというのだろうか。

なお五位堂~河内国分間を各駅に停車する昼間の列車は区間準急毎時3本と普通毎時1本の合計毎時4本のまま据え置くこととなった。

このほか平日夕ラッシュ時には大阪上本町18時08分発快速急行宇治山田行きを名張行きに変更するが、名張で急行宇治山田行きに種別変更するだけなので利便性に大きな影響はない。また大阪上本町20時51分発急行青山町行きは名張行きに短縮しているが、終点名張で普通青山町行きに連絡できるので問題はない。

このほか土休日夜間の快速急行設定時間帯が拡大し、大阪上本町17時台にも設定する。これにより一部時間帯で快速急行と急行を交互に運行することとなった。

また信貴線でも9時台・22時台(平日のみ)・23時台にそれぞれ1往復ずつ、平日計3往復・土休日は計2往復を削減する。




4. 深夜の減便実施へ

今回の2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更では、深夜時間帯の減便も行う。

今回減便するのは22時以降で、割増賃金を必要とする時間帯である。このご時世で利用客が減り、かつ1本の減便における人件費抑制効果が高いことを考えれば減便したくなるはずだ。

大坂上本町22時台~23時台以降発では区間準急以上が概ね15分間隔ずつで設定していたが、20~25分間隔程度に減便することとなった。これにより急行1本と区間準急2本を削減する。ただし各駅に停まる区間では減便救済のため普通高安行きのうち1本を大和朝倉行き、1本を五位堂行きに延長しているほか、大阪上本町22時41分発区間準急大和朝倉行きを大阪上本町22時39分発準急榛原行きに延長・格上げしている。

まあこの深夜の減便本数は2021年1月からの深夜時間帯の一部運休のときからの本数を反映しているのだが、普通列車の区間変更を強いてまで無理に15分サイクルダイヤベースを守るくらいならこのご時世以前からの南大阪線の深夜時間帯の普通20分間隔運転のように大阪線でも深夜は15分サイクルから20分サイクルに広げてしまっても良かったのではないかと思うが。




5. 終電繰り上げへ

今回の2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更では終電繰り上げも行う。

高安行き最終は2021年4月29日近畿日本鉄道ダイヤ変更で大阪上本町24時28分発から23時58分発の河内国分行き最終に30分繰り上がっていたが、今回のダイヤ変更で大阪上本町24時08分発の普通高安行きが最終となる。これによ高安までの終電がダイヤ変更前と比べ10分繰り下がる見込みだ。これにより東京21時03分発東海道新幹線「のぞみ261号」新大阪行きから連絡できるようになる。

ただし東海道新幹線最終「のぞみ265号」新大阪行きや山陽新幹線最終「みずほ614号」新大阪行きから近鉄大阪線に接続できる列車はない。

ただ大阪上本町23時58分発普通河内国分行き最終は廃止するため、河内国分への最終は大阪上本町23時50分発区間準急五位堂行きに8分繰り上がる。なお五位堂への終電には変わりはない。

また大阪上本町23時40分発急行大和八木行き最終(大和八木で榛原行きに連絡可能)が大阪上本町23時37分発に3分繰り上がることから、大和八木・桜井・榛原などへの最終が3分繰り上がる。

ただ大阪上本町23時10分発急行青山町行き最終が大阪上本町23時15分発に5分繰り下がることとなった。これにより名張・伊賀方面は終電が5分繰り下がることとなった。


6. 結び

今回の2021年7月3日近鉄大阪線ダイヤ変更では、一部急行の各駅停車化や短縮、山田線急行の大幅削減などにより朝から晩まで大規模なダイヤ変更を行い、2運用削減することとなった。

今後近畿日本鉄道でどのようなダイヤ変更を行うのか、見守ってゆきたい。

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