恐れていた!田園都市線の白紙改正宣言! 東急電鉄ダイヤ改正(2021年3月13日)

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恐れていた!田園都市線の白紙改正宣言! 東急電鉄ダイヤ改正(2021年3月13日)

東急電鉄は2021年1月26日、プレスリリースにて3月13日に全線でダイヤ改正を行うと公表した( 2021年3月13日(土) 東急線全線でダイヤ改正を実施 )。また横浜高速鉄道は2021年1月26日、プレスリリースにて3月13日にみなとみらい線でダイヤ改正を行うと公表した( 2021年3月13日(土)みなとみらい線のダイヤを改正します )。今回はこれらについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 利用者大幅減で昼間のパターンダイヤ変更と減便実施へ

今回の2021年3月13日東急電鉄ダイヤ改正では、多くの路線で昼間の減便を行う。

このうち田園都市線と大井町線は2020年6月6日東急電鉄ダイヤ改正以来約9か月ぶり、東横線と目黒線は2019年3月16日東急電鉄ダイヤ改正以来約2年ぶり、池上線と東急多摩川線は2018年3月30日東急電鉄ダイヤ改正以来約3年ぶりの実施となる。前回のダイヤ改正期日を並べてわかる通り東急電鉄では全線でダイヤ改正を同時に行うのはこの5年では珍しく、全線同時に行う今回のダイヤ改正は東急電鉄では異例と言っても過言ではない

今回の2021年3月13日ダイヤ改正で昼間の減便を行うのは田園都市線、大井町線、池上線、東急多摩川線、世田谷線の5路線となっている。

田園都市線では昼間の渋谷発着列車を毎時14本から毎時12本に削減する。これにより2020年現在昼間は急行毎時4本、準急毎時2本、各駅停車毎時8本の合計毎時14本の30分サイクルダイヤでの運転となっているが、2021年3月13日ダイヤ改正より急行毎時3本、準急毎時3本、各駅停車毎時6本の合計毎時12本の20分サイクルダイヤでの運転となる。これにより昼間は各駅停車毎時2本の渋谷始発終着がなくなり、原則全列車が地下鉄半蔵門線に直通することとなる。少なくとも田園都市線の各駅停車昼間毎時8本運転は1989年には行われていたのでほぼ平成と同じ32年程度続いていたのだが、ここにきて減便することになった(ちなみに長津田~中央林間間の各駅停車が昼間毎時6本から毎時8本に増発したのは東武鉄道と直通運転を開始した2003年3月18日ダイヤ改正の時からなので18年しか経っていない)。




これに伴い大井町線も昼間30分サイクルダイヤから20分サイクルダイヤに変更し、昼間は急行毎時4本、各駅停車毎時10本の合計毎時14本から急行毎時3本、各駅停車毎時9本の合計毎時12本に減便する。田園都市線と異なり平日夕ラッシュ時は急行毎時4本、各駅停車毎時13本のまま変更はないようなので昼夕輸送力比は83.8%から71.0%に変化することとなった。そもそも大井町線は2018年3月30日東急大井町線ダイヤ改正までに急行を6両から7両に増結したほか、各駅停車を昼間毎時2本増発していて空席が目立っていたので、今回の減便はなるべくしてなったと言っても過言ではない。そもそも急行通過駅でも毎時10本から毎時9本に減ったところで平均列車間隔は40秒しか伸びないから利便性にさほど影響はないし、東横線の伝統であった15分サイクルダイヤないし30分サイクルダイヤを維持するために空席が目立っても運転本数を多くしていたが、田園都市線が昼間20分サイクルダイヤになるに当たり列車が減るのは致し方なかろう。

で、大井町線急行の中央林間乗り入れは毎時2本から毎時3本に増加し(このため6000系や6020系の昼間の運用数は変わらない)、長津田~中央林間間の10両各駅停車は毎時6本のまま変えないのである。これにより長津田~中央林間間は昼間毎時14本から毎時15本に増発することとなったのである




これの何が許せないかというと、利用者の多い溝の口~長津田間の急行通過駅の乗車チャンスは昼間毎時6本に減るのに、それより利用が遥かに少ないつくし野・すずかけ台・つきみ野の3駅に昼間毎時9本も来るのである。まあ溝の口~長津田間の急行通過駅の乗車チャンスが昼間毎時6本になるのは隣の小田急を見れば致し方ないところはあるし、原則10両編成であることから実際車内は2019年時点でもそこそこ空いているので座れないことはないのだが、せめて大井町線からの急行を長津田折返しにして準急をつくし野・すずかけ台・つきみ野の3駅通過に戻すとか、各駅停車を毎時3本に減らして準急と接続させるとか考えなかったかね。

ちなみに溝の口~長津田間では昼間の速達列車の運転本数が各駅停車よりも多くなる。20分サイクルダイヤであることも考えると、なんだか昼間の時刻が小田急化しているのは気のせいだろうか。まあこどもの国線は昼間20分間隔だから揃うと言われればそれまでだが、わざわざ7両の大井町線直通急行を田園都市線急行や準急に続行させてまで運転してほしいとは思わないのだが。




(2021.3.10 追記)なお昼間の急行は引き続き桜新町(大井町線では旗の台)、鷺沼、長津田の3駅で各駅停車と連絡するのだが、昼間の準急は鷺沼と長津田での各駅停車との連絡を取りやめ梶が谷と江田で各駅停車を抜かすこととなるのである。しかも梶が谷や江田で各駅停車を抜かしたところでその各駅停車は鷺沼や長津田で急行に抜かれるので渋谷先着列車として準急が使える準急通過駅は田奈に限ることになる

まあ準急は東京都区内各駅に停まるため都区内急行通過駅利用者を乗せない急行と混雑を均等化するために各駅停車と連絡させないことで準急通過駅の利用者に準急を使わせなくしたのだろう。ただそうであれば二子玉川で田園都市線準急と大井町線青い各駅停車を連絡させて準急から二子新地・高津に行けるようにしているのはいかがなものかとは思うが。だったら昼間の大井町線青い各駅停車を溝の口発着から鷺沼発着に延長して梶が谷・宮崎台・宮前平の3駅からも渋谷先着毎時9本になるように設定すればよかったのに。

また今回のダイヤ改正では池上線、東急多摩川線、世田谷線でも昼間の減便を図る。

3線とも2020年現在昼間は6分間隔(毎時10本)での運転となっているが、2021年3月13日ダイヤ改正で平日昼間に限り7分30秒間隔(毎時8本)に減便し、毎時2本の削減を図り輸送力を20.0%下げる。

それでもなお東横線の昼間の菊名始発終着毎時2本を削減しない。ここまで減便しておいてあの空気輸送列車を削減しない理由がもはやわからないよ(しかも減便したって池上線、東急多摩川線、世田谷線と同じ各駅停車が昼間毎時10本から毎時8本に減るだけじゃないか)。




2. 平日ラッシュ時の調整実施へ

今回の2021年3月13日東急電鉄ダイヤ改正では、田園都市線と東横線で通勤時間帯の調整を行うこととなった。

田園都市線では平日朝ラッシュ時に中央林間始発の準急を約13分間隔で運転することとなった。このご時世で比較的混雑が和らぎ準急を長津田始発にして混雑分散を図る必要性が薄れてきたことから、平日朝ラッシュ時10分間隔(毎時6本)運転の小田急江ノ島線の快速急行新宿行き(相模大野まで急行)を意識し始めたのだろう。なおこの準急の中央林間始発増加に伴い中央林間始発の各駅停車3本を長津田始発に短縮する見込みだ。

このほか中央林間6時54分発準急久喜行きを中央林間7時00分発急行久喜行きに格上げし、この3年で徐々に詰めてきた平日朝ラッシュ時の準急運転時間帯をさらに縮める。

また東横線では平日朝の東横特急1本を横浜→渋谷間25分運転に1分短縮することとなった。まあ2013年3月16日の地下鉄副都心線直通に伴うダイヤ改正で渋谷~代官山間の地下化により剛体架線化し制限80km/hになるまでは東横特急は最速25分で結んでいたわけだから戻っただけと言えばそれまでだし、今回時間短縮は所要時間宣伝目的なのだろう。

なお今回のダイヤ改正では大井町線座席指定車Qシートの拡大はなかった。これまでのQシート拡大がダイヤ改正と別に行われていることから、同時に実施する予定はないようだ。

このほか池上線、東急多摩川線、世田谷線の3線で平日21時以降に終電繰り上げ以外に1往復程度ずつ減便するほか、こどもの国線では平日17時台と18時台に1往復ずつ増発する一方、深夜の23時台は4往復から2往復に減便し約30分間隔での運転となる。




3. 利用者大幅減で終電繰り上げへ

今回の2021年3月13日東急電鉄ダイヤ改正では、終電繰り上げを行う。

今回のダイヤ改正では概ね事前のプレスリリースの通り東横線では10~30分程度、田園都市線では15~25分程度、その他の各線では10~15分程度終電を繰り上げる。

2020年現在東横線の渋谷から横浜への最終は渋谷24時19分発各駅停車横浜行き最終だが、平日・土休日も渋谷24時00分発に19分繰り上げる。ただし土休日は各駅停車横浜行きが最終なのに対し、平日は急行菊名行きに乗車後終点菊名で各駅停車横浜行きに乗り換える必要がある。なお今回のダイヤ改正で平日深夜に運転している急行横浜行きは廃止となる。東横線の深夜の急行設定は10両編成の元住吉入庫のためのものなので、菊名で折返し武蔵小杉まで回送するのだろう。

ただ、今回東横線の深夜時間帯で不可解なのは、平日元町中華街23時52分発通勤特急武蔵小杉行きを設定したことである。もっとも2020年現在は通勤特急渋谷行きとして運転しているものを元住吉入庫のため武蔵小杉行きに短縮したのだが、元町中華街発武蔵小杉行きの通勤特急と急行との停車駅の違いは綱島に停まるか停まらないかしかないのである。だったら他の列車同様綱島にも停まる急行にすべきではなかったかとは思うが。

ちなみに土休日深夜の東横特急横浜行きは残るし、その折返しの横浜始発急行武蔵小杉行きも残る。

また田園都市線の深夜の時刻を見ると、なんと急行が準急に格下げし東京都区内各駅停車に変わっているではないか。

なお2020年現在平日の渋谷から中央林間への最終は渋谷24時23分発急行長津田行きに乗車後鷺沼で各駅停車中央林間行きに連絡となっているが、今回の2021年3月13日ダイヤ改正以降は渋谷24時01分発準急長津田行きに乗車後長津田で各駅停車中央林間行きに連絡となる。いやせっかく準急に格下げしたんだったら長津田~中央林間間も各駅に停まるようになるんだから、準急中央林間行きで良いではないか。

ちなみにこの深夜時間帯の急行から準急への格下げに伴う減便はないため、新玉川線区間の急行通過駅4駅に行ける列車が純粋に増える。まあ世田谷区民は嬉しいでしょうね(なお土休日は田園都市線だけ終電前の深夜時間帯で減便しているので、救済の意味も込めて二子玉川まで各駅に停めた可能性はあるが)。

おかげさまで朝から晩まで田園都市線の時刻は変わりまくり。もはや田園都市線は白紙ダイヤ改正なのである。なんだか東急であって東急ではない感じはするが。


4. 結び

今回の2021年3月13日東急電鉄ダイヤ改正では、5路線で昼間の減便を行うほか田園都市線・大井町線では30分サイクルダイヤから20分サイクルダイヤに再編するなど、田園都市線で白紙ダイヤ改正を行うこととなった。

今後東急電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. バット社 より:

    確かに大井町線の急行は長津田で折り返した方が効率的で有難いし無駄が無いと思うけど、、まぁその道の百戦錬磨のプロの方々がいろいろ考えダイヤを改正してるのだから、それなりの理由やら事情があっての事なんでしょうね

    • 大口に直通線の駅を作れ! より:

      24:00の最終の速達が準急なのは
      大井町線からの接続関係が絡んでいるかもしれません
       もう1つ考えられることとして、前を走る各駅停車を梶ヶ谷 さらにその前の前を走る各駅停車を長津田まで逃がすことにより、ホームでの混雑防止・遅延対策を図っていると推測でまきます
       

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