N700Sの国内最高速運転で2時間18分運転実施か! 東海道・山陽新幹線ダイヤ改正予測(2020年7月予定)

N700Sイメージ

JR東海は2019年1月25日、プレスリリースにて2020年7月よりN700S量産車の営業運転を開始すると公表した( 次期新幹線車両「N700S」量産車の仕様および投入計画について )。今回はこれから2020年7月実施予定の東海道・山陽新幹線ダイヤ改正について見ていく。

1. N700S営業運転開始で最高速度引き上げへ

今回の2020年7月実施予定の東海道新幹線ダイヤ改正では、N700Sの営業運転を開始する。

…と以前の記事にも書いたのだが、2020年3月14日東海道新幹線ダイヤ改正で大きな変化があり、それらの時刻が確定しているためより精度の高い予測を行うこととする。

なお、2007年7月1日のN700系導入に伴う東海道新幹線ダイヤ改正はプレスリリースを前年2006年の12月第3金曜日に公表しているが、今回の2020年7月予定のダイヤ改正については未だにプレスリリースが出ていない。公表するとしたら4月下旬~5月中旬ごろとなりそうだ。

ではN700Sが営業運転を開始する2020年7月ダイヤ改正ではどのようなダイヤ改正を実施するのだろうか。そもそも2007年7月1日ダイヤ改正でN700系が登場した際には3運用4往復しか運転がなく、うち2往復は東京~新大阪間の初終列車だった。そう考えると昼間も間合い運用的意味合いでN700Sを運用するのであろうが、2020年7月ダイヤ改正では毎時1本の「のぞみ」を補うほどの編成数を確保できるとは到底思えず、東海道新幹線の初終列車のみのダイヤ改正となりそうだ。

2020年3月14日ダイヤ改正での何よりの衝撃は、最高速度を285km/hのまま引き上げなかったのに発着時刻の分を3の倍数に合わせたいがために終列車の所要時間を1分短縮したことである

2020年3月14日東海道新幹線ダイヤ改正以降東京を発着する「のぞみ」で東京発着時刻または新大阪発着時刻の分が3の倍数ではない列車は東京6時00分発「のぞみ1号」博多行きの新大阪着時刻と東京21時12分発「のぞみ263号」新大阪行き及び東京21時21分発臨時「のぞみ473号」新大阪行きの新大阪着時刻、及び新大阪6時00分発「のぞみ200号」東京行きしかない。これらの列車が3の倍数に合わせに行く可能性は高い。

ではなぜ所要時間短縮を図るであろう終列車で先行して2020年3月14日ダイヤ改正で東京及び新大阪発時刻を21時23分発から21時24分発に1分繰り下げ3の倍数にしたのか。それは東京21時21分発臨時「のぞみ473号」の東京発時刻が3の倍数にならなくなってしまうためである(だったら新大阪着時刻も1分繰り上げて3の倍数にすればよかったのに)。

そう考えると、N700Sの導入により「のぞみ」の東京発着時刻及び新大阪発着時刻の完全な3の倍数化を図りたいのではないだろうか。

しかしN700Sを導入しても運転時刻が変わらないのであれば意味がない。つまりN700Sの投入で所要時間を短縮するために東海道新幹線で最高速度を引き上げるのは濃厚だ

所要時間を3の倍数とするために東京~新大阪間で最速2時間18分を行うと考えると、全線で300km/h運転では2時間19~20分が関の山となりそうだ。そう考えると滋賀県内米原~京都間で330km/h運転を行わない限り不可能であり、東海道新幹線の300km/hを超える運転はほぼ確定的とみて良い

それでは2020年7月実施予定の東海道・山陽新幹線ダイヤ改正においてどのような時刻変更が行われるのか、見ていこう。




1.1. 早朝は初列車1往復に加え一部周辺列車でも所要時間短縮へ

では東海道新幹線で早朝に運転する列車はどのように時刻変更を行えるのだろうか。

東京から博多への一番列車である東京6時00分発「のぞみ1号」博多行きを新大阪8時22分着から8時18分着にしようとすると、品川6時00分発「のぞみ79号」博多行きを新大阪8時16分着から8時15分着に繰り上げる必要がある。

ご丁寧に静岡6時07分発「こだま763号」新大阪行きは前回の2020年3月14日ダイヤ改正で新大阪8時10分着から8時09分着に1分繰り上がり3の倍数となっていることから、「のぞみ79号」と「のぞみ1号」の新大阪到着時刻を繰り上げればみんな3の倍数でそろう。

ただN700系が営業運転を開始した2007年7月1日ダイヤ改正で登場した品川6時00分発「のぞみ79号」博多行きは、直前に新横浜6時00分発「ひかり533号」広島行きが走っており新大阪着時刻を繰り上げることができないことから、1分短縮して新大阪8時15分着とするのが関の山のようだ。本格的な所要時間短縮はN700Sを増備する2021年3月ダイヤ改正まで持ち越しとなりそうだ。

また新大阪6時00分発「のぞみ200号」は東京8時23分着から8時18分着に5分繰り上げることができる。これを行うためには小田原で新たに静岡7時02分発「こだま812号」東京行きを抜かなくてはならないが、東京着時刻は3の倍数ではない8時20分着。2020年3月東海道新幹線ダイヤ改正によりN700系への統一により東京8時18分着に2分繰り上げることもできたはずだが、それをしなかったのは2020年7月ダイヤ改正で小田原で「のぞみ200号」登場行きに抜かされるために東京8時21分着に繰り下がることが確定しており、4か月後に大幅に到着時刻が遅くなることを防ぐためなのだろう。つまり新大阪6時00分発「のぞみ200号」東京行きの2時間18分運転化はほぼ濃厚だろう

あとは、後続の新大阪6時03分発「のぞみ202号」東京行きがN700系運転のまま東京8時27分着から8時24分着に繰り上がるかだが、前回の2020年3月14日東海道新幹線ダイヤ改正では東京着時刻は8時26分着から8時27分着に1分繰り下げたのに、名古屋発時刻は停車時間が変わっていないにもかかわらず6時52分発から6時51分発に1分繰り上がっている。つまり、N700系運転のまま新大阪→名古屋間では1分短縮し、名古屋→東京間では2分延びているのだ。

これは2020年7月ダイヤ改正で東京までの所要時間を3分縮めるためにあえてアピールとして東京着時刻を1分繰り下げたが、極力所要時間短縮によるダイヤ改正で繰り上がったと言わせないために新大阪→名古屋間だけ先行して所要時間短縮を図ったのではないだろうか。

つまり2020年7月ダイヤ改正で新大阪6時03分発「のぞみ202号」東京行きは、N700系運転のまま東京8時27分着から8時24分着に繰り上がる可能性も極めて高い。

さらに周辺列車に着いて見ていくと、下り列車(博多方面)では東京6時06分発臨時「のぞみ131号」最大博多行きが2020年3月14日ダイヤ改正で東京→新大阪間2時間27分運転から2時間24分運転に短縮しており、この所要時間短縮は新横浜→名古屋間で行われており、東京→名古屋間(名古屋7時37分発「ひかり535号」広島行きの待避を考えると岐阜羽島までだと思われるが)では2020年3月14日時点で前を走る東京6時00分発「のぞみ1号」博多行きと同じ所要時間で運転している。東京6時00分発「のぞみ1号」博多行きは2020年7月ダイヤ改正でN700Sが運用となり所要時間を短縮する見込みでかつ新大阪到着が4分早くなる見込みであることから、東京6時06分発臨時「のぞみ131号」博多行きはN700系運転のまま2時間24分運転から2時間21分運転に短縮し新大阪8時30分着から8時27分着に繰り上げる可能性が高そうだ。

また名古屋7時37分発「ひかり535号」との待避の関係でその後続の2020年3月14日ダイヤ改正で増発した東京6時09分発臨時「のぞみ273号」新大阪行き及び東京6時15分発定期「のぞみ3号」博多行きもN700系運転のまま所要時間短縮を図る可能性はある。特に東京6時09分発臨時「のぞみ273号」は新大阪8時36分着から8時33分着に3分繰り下げる可能性が高そうだが、もしこの「のぞみ273号」を6分所要時間短縮してしまうと名古屋7時37分発「ひかり535号」広島行きを抜かす駅が米原から岐阜羽島に変わってしまい米原に8時02分に到着できなくなり米原8時10分発北陸本線特急「しらさぎ51号」金沢行きに接続できなくなりかねないことから可能性は低いだろう。

そのさらに後続の東京6時15分発「のぞみ3号」博多行きも所要時間を3分短縮して新大阪8時36分着とする可能性はなくはないが、2時間21分運転となりN700系運転としてはかなちギリギリの所要時間であることから、2021年3月ダイヤ改正でのN700Sによる定期「のぞみ」毎時1本運転の開始以降にN700Sに置き換えた際に2時間21分運転を行うのではないだろうか。

1.2. 深夜は終列車1往復を中心に所要時間短縮へ

では東海道新幹線で深夜に運転する列車はどのように時刻変更を行えるのだろうか。

東海道新幹線の終列車は東京21時24分発「のぞみ265号」新大阪行きと博多18時59分発(新大阪21時24分発)「のぞみ64号」東京行きであるが、ともに東京21時27分発及び新大阪21時27分発に繰り下げることは可能だ。

ただ「のぞみ」の最終が東京21時30分発及び新大阪21時30分発になる可能性は極めて低い。東京~新大阪間2時間18分運転になったとしても東京23時48分着・新大阪23時48分着では現在より3分遅い到着となり接続列車にも影響が多く出ること、もし23時45分着にしようとすると2時間15分運転を行わなければならず米原~京都間のみならず全区間で330km/h運転を行っても難しい。そう考えると「のぞみ」の最終列車が東京及び新大阪21時30分発となることはなさそうだ。

どうせなら300系新幹線時代から運転時刻が変わっていない東京21時30分発「ひかり667号」名古屋行きを東京21時33分発に3分繰り下げはしないのだろうか。

ところでN700系が営業運転に入った2007年7月1日ダイヤ改正では品川6時00分発の「のぞみ」、N700系「のぞみ」が毎時1本運転になった2008年3月15日ダイヤ改正では新横浜6時00分発の「ひかり」と西明石6時00分発の「のぞみ」の運転を開始したが、京都6時00分発の「のぞみ」とかは設定しないのかなぁ…さすがに定期列車では需要はないだろうが、N700系運転の臨時列車として京都6時00分発の「のぞみ」を設定するのはアリなのではないだろうか?




2. 山陽新幹線内での最高速度引き上げはあるのか

ではN700Sの投入により山陽新幹線内での最高速度引き上げはあるのだろうか。

もっともトンネルのない滋賀県内であれば330km/h運転はできるが、トンネルの多い山陽新幹線内ではそうはいかない。トンネルがあったとしても空気力学上N700Sは305km/h運転は可能で、恐らく310km/hまでなら騒音基準をクリアできる。また山陽新幹線でも2017年2月にデジタルATCを導入したので、500系新幹線運転開始時のような大規模な修繕を行わなくても最高速度の引き上げは可能だ。

では時刻表上可能かどうか見ていく。2020年4月現在山陽新幹線から東京に向かう最終列車は博多18時59分発「のぞみ64号」東京行きで、おそらく2020年7月ダイヤ改正のN700S投入開始に合わせN700S専用運用となり、新大阪→東京間で所要時間を3分短縮し2時間18分運転を行うようになり、新大阪発時刻は3分繰り下がり21時27分発となる見込みだ。もしこの分山陽新幹線内でも3分繰り下げるとすれば、博多18時59分発から19時02分発に繰り下げることになる。

しかしもしN700S投入により山陽新幹線でも最高速度引き上げによる所要時間短縮を図るのであれば、博多発時刻をさらに繰り下げる必要がある。後続には鹿児島中央17時25分発臨時「さくら582号」新大阪行きがおり、前回の2020年3月14日ダイヤ改正で運転時刻を概ね1分繰り下げ博多19時05分発となった。

しかし、東海道新幹線主体のダイヤ改正で山陽新幹線「こだま」の待避する駅を変えて時刻変更を行うならまだしも、九州新幹線の時刻を変えるとは考えにくい。しかもわざわざ九州新幹線からの直通列車を前回のダイヤ改正で1分繰り下げて博多19時02分発の「のぞみ」を運転できるように配置している。つまり博多発東京行き最終「のぞみ64号」東京行きは3分繰り下げて博多19時02分発に繰り下げることはできても、山陽新幹線内でも所要時間を短縮して19時05分ごろ発にすることはできない。すなわちN700S投入による山陽新幹線の最高速度引き上げはないものとみて間違いない

結果、N700Sの投入により東海道新幹線では最高速度を285km/hから300km/hに引き上げ、かつ米原~京都間のうちトンネルのない滋賀県内区間に限り330km/h運転を行い国内最高速度を奪う一方、山陽新幹線は最高速度300km/hのまま維持することなる見込みだ。トンネルのない区間での330km/h運転は東北新幹線「はやぶさ」のトンネルのある区間でも320km/h運転と比べればセコイと思われても致し方ないが、少なくとも全線で300km/h運転かつ一部区間でそれを超える運転速度で運転するということは、山陽新幹線を上回ったと言っても過言ではなくなりつつある。

強いて言えば東海道新幹線での2時間18分運転は表定速度224.1km/hなのに対し、山陽新幹線の2020年3月現在最速の2時間21分運転の表定速度は235.6km/hだということ。ちなみに表定速度でも山陽新幹線を上回る場合には、東海道新幹線は東京~新大阪間で2時間12分運転をしなければならない。そんなお金かけている余力があるならリニア中央新幹線を整備した方が早そうだ。

3. そもそもダイヤ改正の実施はあるのか

ではここまで2020年7月実施予定の東海道・山陽新幹線ダイヤ改正について書いてきたが、そもそもダイヤ改正の実施はあるのだろうか。

このご時世でN700Sの投入やダイヤ改正をするのかと言われると、納車が遅れて7月1日にはできない可能性は少なからずはあるが、2020年内に実施を行うと見て間違いない。

また2020年3月ダイヤ改正で鹿児島中央17時25分発臨時「さくら582号」の時刻を概ね1分繰り下げ博多19時02分発の「のぞみ」を運転できるようにしたこと、このほかにも博多発東京行き最終「のぞみ64号」が姫路で抜かす鹿児島中央17時16分発定期「さくら568号」新大阪行きが2020年3月14日山陽新幹線ダイヤ改正で鹿児島中央→姫路では時刻変更をせず姫路→新大阪間だけ2~3分時刻を繰り下げたことを考えると、2021年3月ダイヤ改正での時刻修正では遅いということを言いたいに違いない。つまり2020年7月にN700S投入により最高速度を引き上げ所要時間を短縮するダイヤ改正を行う可能性は濃厚だ


4. 結び

今回の2020年7月実施予定の東海道・山陽新幹線ダイヤ改正では、N700Sの投入により東海道新幹線内で最高速度を引き上げ、初終列車を中心に所要時間の短縮を図ることで東京~新大阪間で2時間18分運転を行う見込みだ。

一方山陽新幹線内では2020年7月1日ダイヤ改正時点では最高速度の引き上げを行わず、300km/hでの運転のままとする可能性が高い。

今後N700Sの増備に伴い東海道・山陽新幹線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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