終電繰り上げのみならず昼間の減便も実施か 東急電鉄・東京メトロダイヤ改正予測(2021年3月予定)

終電繰り上げのみならず昼間の減便も実施か 東急電鉄・東京メトロダイヤ改正予測(2021年3月予定)

東急電鉄は2020年11月10日、プレスリリースにて2021年3月実施予定のダイヤ改正で終電繰り上げを行うと公表した( 事業構造を変革し、サステナブルな鉄道サービスを提供します )。また東京メトロは2020年11月30日、プレスリリースにて2021年3月実施予定のダイヤ改正で終電繰り上げを行うと公表した( 2021年春ダイヤ改正における終電時刻繰上げの概要について )。さらに東急電鉄は2020年12月16日、プレスリリースにて2021年3月実施予定のダイヤ改正で終電繰り上げを行うと公表した( 2021年3月ダイヤ改正における終電時刻繰り上げの概要について )。今回はこれから東急電鉄各線及び東急電鉄と直通する東京メトロ半蔵門線・南北線・副都心線の2021年3月ダイヤ改正について見ていく。

1. 利用者大幅減で終電繰り上げ実施へ

今回の2021年3月実施予定の東急電鉄及び東京メトロダイヤ改正では、終電繰り上げを行う。

通常東急電鉄はダイヤ改正の4週間前に公表することが多いが、時刻の詳細が明らかになるのが2021年1月であることを考えると、2月にダイヤ改正を行うか公表が例年より早いかのいずれかだろう。

両社は主に東京23区内を中心に営業している。このため2020年の利用者数は他社では概ね20%減で済んでいるところ、東急電鉄は約25%減、東京メトロは約30%減と他の鉄道各社と比べ利用者数の減少が著しい。おそらく東京23区内移動は他地区と比べ訪日外国人の移動が多かったためだと思われるが(そのため東京23区内の輸送量は訪日外国人が大幅増加した2015年~2019年の間は他地区と比べ大きく増加していた)、その分が一気になくなってしまっては終電や減便を検討せざるを得ないのはやむを得ないだろう。

なおプレスリリースによれば東急電鉄ではワンマン運転の拡大を模索しているようだ。2020年3月までに東横線・田園都市線・大井町線の全駅へのホームドア設置を完了しており、このうち東横線は地下鉄副都心線と直通運転を行うことから全列車ワンマン運転対応車両となっている。そう考えると次に東急電鉄でワンマン運転を行うのは東横線の可能性が一番高そうだ。もっとも建設中の東急新横浜線が東横線からの直通列車も含めてワンマン化するのはほぼ間違いなさそうだ。

では今回のダイヤ改正で東急電鉄や東京メトロでどのようなダイヤ改正を実施するのか、見ていこう。…とつらつら書いて投稿したら、なんと2時間後に終電時刻の詳細公表である。前回も同じことがあったが、どうやら狙われているようだ。

まず全体傾向から。東急電鉄・東京メトロとも比較的財政力のある会社であり、かつ通勤時間帯に混雑率が高い路線をいくつも抱えている。このため通勤時間帯はソーシャルディスタンスを極力保てるようにしますなどと言って多くの路線で減便を図らない可能性が高い。

ただし両社とも2020年度は赤字になる見込みで、かつ訪日外国人の利用が多かった昼間は空席が目立っていることから(特に2014年3月15日ダイヤ改正で増発した地下鉄千代田線や2014年6月6日ダイヤ改正で昼間の準急を増発した東急田園都市線、2020年3月14日ダイヤ改正で増発した地下鉄有楽町線はなおさら)、減便を図る可能性が十分ありそうだ。

では各線別にどのようになるのか見ていこう。




2. 東急田園都市線で実質30分以上の終電繰り上げへ

次に東急田園都市線と直通する地下鉄半蔵門線。

今回のダイヤ改正で地下鉄半蔵門線が平日に渋谷→清澄白河間で3分終電を繰り上げるほかは平日・土休日ともに終電を繰り上げない。つまり地下鉄半蔵門線もほとんど終電が繰り上がらない、と東京メトロのプレスリリースでは思われた。

しかし地下鉄半蔵門線からの終電が田園都市線直通鷺沼行きで、かつ田園都市線の終電は17分繰り上がりさらに銀座線の終電繰り上げで表参道で対面接続できないことを考えると、もはや半蔵門線の終電はもっと繰り上がるのではないかと思うほどである。

では田園都市線の終電はどうなるのか。鷺沼行き最終は渋谷24時42分発から24時25分発に17分繰り上がる。土休日は渋谷24時25分発の鷺沼行きが地下鉄半蔵門線からの最終直通列車であるため(渋谷24時43分発最終鷺沼行きは渋谷始発)、土休日の地下鉄半蔵門線終電をそのまま田園都市線最終としたようだ。ただ平日の鷺沼行き終電は地下鉄半蔵門線押上始発のため、押上発渋谷行きとして残るか方針転換して全区間廃止だろう。

また長津田への終電は平日は渋谷24時32分発から24時10分発に、土休日は渋谷24時25分発から24時10分発にそれぞれ15~22分繰り上がる。さらに中央林間への最終が平日・土休日ともに渋谷24時15分発から23時57分発に繰り上がることを考えると、どうやら24時台の急行の運転は取りやめることとしたようだ。

なお東海道新幹線最終「のぞみ64号」東京行きからの連絡は新横浜・長津田連絡で引き続き可能となるが、北陸新幹線最終「かがやき518号」東京行き最終では渋谷に24時09分にしか到着できないことから、たまプラーザ~中央林間の各駅まで到達できなくなるほか、上越新幹線「Maxとき350号」東京行き最終や東北新幹線「やまびこ70号」東京行き最終からは渋谷に24時21分にしか到達できないことから、たまプラーザ~長津田への各駅へ到達できなくなる。

なお2020年4月から深夜バスの東急バス鷺21系統鷺沼駅発虹ヶ丘営業所行き及び鷺22系統鷺沼駅発青葉台駅行きが運休しており、事実上渋谷からたまプラーザ~青葉台の各駅への最終は事実上平日は渋谷24時42分発各駅停車鷺沼行きから深夜バス連絡から渋谷24時32分発各駅停車長津田行きに10分繰り上がっている。このため青葉台までの平日の終電は1年で実質32分繰り上がることとなる

なお昼間は東急田園都市線では準急または大井町発着の7両急行を削減する可能性が高い。ただ地下鉄半蔵門線内は昼間5分間隔のまま変えないだろう(さすがに2003年3月19日ダイヤ改正の押上延伸及び東武線直通運転開始前までの半蔵門線昼間6分間隔、田園都市線急行昼間毎時2本までには戻らないだろう)。

このほか平日朝ラッシュ時も引き続き準急の一部の急行格上げを行う可能性が高そうだ。

なおこどもの国線の終電繰り上げの実施はないようだ。

3. 東急大井町線で終電繰り上げと減便か

次に東急大井町線。

終電は下り(溝の口方面)は平日・土休日とも大井町24時33分発二子玉川行きから24時18分発二子玉川行きに15分繰り上がる。時刻を見る限り終点二子玉川で田園都市線最終鷺沼行きに連絡できる見込みなので、溝の口への最終も二子玉川行きで行けるようだ。また上り(大井町方面)は平日は溝の口24時28分発緑の各駅停車大井町行きから、土休日は溝の口24時30分発緑の各駅停車大井町行きからともに溝の口24時17分発緑の各駅停車大井町行きに繰り上げる。

大井町からの終電設定を大井町24時18分発にしたのは、上越新幹線「Maxとき350号」東京行き最終や東北新幹線「やまびこ70号」東京行きから連絡を受ける京浜東北線最終桜木町行きからギリギリで乗り換えられるようにしたためだろう。

大井町線では2018年3月30日大井町線ダイヤ改正で昼間の各駅停車を毎時10本、平日夕ラッシュ時の各駅停車を毎時13本とし急行運転開始前の各駅停車の運転本数に戻したのだが、このご時世で利用客数が減っているため昼間毎時8本、平日夕ラッシュ時毎時12本にまで減便してもおかしくなさそうだ。




4. 新型車両17000系投入の東急東横線と地下鉄副都心線で終電繰り上げへ

次に東急東横線と直通する地下鉄副都心線。終電繰り上げを実施するが、北行きと南行きで大きく傾向が異なる。

地下鉄副都心線では北行きは平日・土休日とも新宿三丁目→和光市間で11~13分程度繰り上げる。一方南行きは平日の終電を土休日の終電に合わせるように全線で12~14分程度終電を繰り上げるため、土休日の終電繰り上げを行わない。

東横線の終電は元住吉行き最終は平日は渋谷24時47分発、土休日は渋谷24時35分発から24時21分発に、菊名行き最終は平日は渋谷24時37分発、土休日は渋谷から24時20分発から渋谷24時08分発に、横浜行き最終は平日は渋谷24時19分発から23時53分発に26分繰り上がるほか、土休日は渋や24時07分発から24時00分発に7分繰り上がることとなった。これを見る限り横浜への最終は平日より土休日の方が遅いこととなる。急行武蔵小杉行き(元住吉入庫)では田園都市線のように急行長津田行きから鷺沼連絡で中央林間行き最終に乗り継げるような策を取れるはずもなく、恐らくこれ以降の最終列車には乗り継げないのだろう。

このほかみなとみらい線でも平日は約23分、土休日は10~13分終電を繰り上げる。

また10両編成の運用繰りの関係から新宿三丁目23時56分発東横線内急行横浜行きは廃止、新宿三丁目23時33分発東横線内急行元町中華街行きは10分程度繰り上げるか横浜行きに短縮する可能性が高そうだ。

これにより渋谷からの最終列車も田園都市線鷺沼行き最終の方が東横線元住吉行き最終より4分遅いこととなる。もっとも、田園都市線の方が東横線より輸送量が多いのだが、東京都区内と横浜を結ぶ基幹路線かつ創業当時の路線の方が終電が早くなるのはいかがなものかとは思うが。

また東横線では上り(渋谷方面)で20~30分程度の終電繰り上げを行うが、全て東海道新幹線最終「のぞみ64号」東京行きから新横浜・菊名連絡での最終列車より後に終電を運転することから、東海道新幹線の最終からから到達できなくなることはないが、北陸新幹線最終「かがやき518号」東京行き最終では渋谷に24時09分にしか到着できないことから、日吉~横浜間の各駅まで到達できなくなるほか、上越新幹線「Maxとき350号」東京行き最終や東北新幹線「やまびこ70号」東京行き最終からは渋谷に24時21分にしか到達できないことから、渋谷経由では東横線全駅へ到達できなくなる見込みだ。ただし京浜東北線・東急大井町線経由であれば田園調布~元住吉の各駅にはなんとか到達できそうだ。

さらに東横線では昼間に減便を図る可能性がある。昼間の東横線池袋~菊名間運転の列車なんて渋谷を出る際は急行の続行になるので空いているし元住吉で東横特急に抜かされるが菊名止まりなので速達列車との連絡ができない(もっとも平日朝夕ラッシュ時であれば元住吉で通勤特急に抜かれるので日吉乗り換えで渋谷・中目黒方面と綱島・大倉山への速達輸送に貢献している)。そんな列車廃止にしたって影響はほぼ無かろう。

地下鉄副都心線には2021年より新型車両17000系を投入する予定で主に東横線で見ることになると思われるが、活躍の場が狭まりそうだ。強いて言うなら平日夕ラッシュ時に毎時2本程度運転している10両急行を8両に減車するくらいしか活躍の場は広がらなさそうだ。

5. 地下鉄南北線・東急目黒線では終電3分程度繰り上げへ

次に地下鉄南北線と東急目黒線。

今回のダイヤ改正では平日は駒込→目黒間で3~4分程度終電を繰り上げるほか、平日と土休日で終電の異なる赤羽岩淵方面は平日に限り目黒→赤羽岩淵(おそらく終点浦和美園まで)間で終電を3分繰り上げるとしている。

また目黒線内でも終電繰り上げを行う。目黒から奥沢への最終は平日・土休日とも目黒24時45分発から24時30分発に15分繰り上がるほか、武蔵小杉への最終も土休日は目黒24時30分発から24時19分発に11分繰り上がるほか、平日も奥沢行き最終の1本前は日吉行き最終だったがその間に武蔵小杉行き最終を入れ、目黒24時21分発を武蔵小杉行き最終とし9分繰り上げることとなった。さらに日吉への最終は平日は目黒24時30分発から24時15分発に15分繰り上げるほか、土休日も目黒24時19分発から24時07分発に12分繰り上げることとなった。

なお目黒線では武蔵小杉行き最終に乗れば終点武蔵小杉で反対側に来る東横線最終元住吉行きに乗り換えることができる。ただし平日はこれまで武蔵小杉への最終が日吉行き最終であり、しかも終点日吉で東横線最終菊名行きに乗り換えることができた。つまり目黒から元住吉への最終は実質武蔵小杉行きの最終と同じなので平日は9分しか繰り上がらないが、日吉~菊名への最終は平日は15分繰り上がることとなった。

これを行うと南北線目黒方面最終は目黒行きになるのだが、一応設定できるとは言え2020年時点では設定がない。こちらも方針転換して白金高輪行きに短縮してもおかしくなさそうだと思うのは気のせいだろうか。

なお前回の2020年3月14日東急目黒線ダイヤ改正で大井町線緑の各駅停車大井町行き最終に連絡するために1駅延長した日吉24時29分発各駅停車大岡山行きは、大井町線終電繰り上げにより接続列車が無くなるためたった1年で奥沢行きに短縮し、終電となる。なお大岡山→目黒間では終電の繰り上げを行わないこととなった。

このほか今回の終電繰り上げに合わせ地下鉄南北線と直通する埼玉高速鉄道でも終電を3分程度繰り上げる。なお浦和美園方面への繰り上げを3分としたのは、東海道新幹線最終「のぞみ64号」東京行きから京浜東北線王子連絡で乗り換えられるようにするためだと思われる。

なお都営三田線を所管する東京都交通局は終電繰り上げを行わない見込みだ。




6. 東急池上線・東急多摩川線は新幹線接続考慮へ

次に東急池上線・東急多摩川線。

池上線では五反田発蒲田行き終電を五反田24時27分発から24時18分発に9分繰り上げるほか、雪が谷大塚行き最終を五反田24時46分発から24時33分発に13分繰り上げる。また東急多摩川線でも終電を7~15分繰り上げる。

このような小幅な終電繰り上げ幅としたのは、上越新幹線「Maxとき350号」東京行き最終や東北新幹線「やまびこ70号」東京行きからの連絡列車が山手線五反田に24時14分、京浜東北線蒲田に24時19分に到着する見込みのため、それに合わせて終電を設定することとしたのだろう。

ただ新幹線接続に合わせた五反田発の終電としたのは蒲田行きであり、雪が谷大塚行きはまだ運転がある。五反田発雪が谷大塚行きの終電が渋谷発元住吉行きや鷺沼行き終電より遅いのはいかがなものかとは思うが。

なお昼間は池上線・東急多摩川線ともに昼間は6分間隔(毎時10本)から7分30秒間隔(毎時8本)に減便する可能性がある。池上線はまだ池上~蒲田間で比較的混んでいるため減便を免れる可能性はあるが、東急多摩川線が減便を免れるのは難しいのではないだろうか。

7. 世田谷線も田園都市線終電繰り上げに合わせ繰り上げへ

最後に世田谷線。

そもそも田園都市線からの連絡がなくなっては世田谷線だけ運転しても乗ってくれないわけで、その分終電を繰り上げるのは致し方ないだろう。

ただ、2020年3月までは東急バス渋21系統渋谷発三軒茶屋・上町経由桜小学校行き深夜バスを渋谷駅25時05分発まで運転していた。もっとも深夜バスなので運賃倍額の440円であり深夜時間帯に限れば三軒茶屋乗り換え世田谷線利用より高く値は付いたが、24時台でも平日は10分間隔、土曜日は20分間隔の電車顔負けの高頻度で運転していた。しかし2020年4月から無期運転休止となり、渋21系統の最終は22時57分発にまで繰り上がってしまい、田園都市線・世田谷線経由より早くなってしまった。

これにより渋谷から三軒茶屋・上町への最終は2020年4月に渋谷25時05分発から24時42分発に23分繰り上がったほか、2021年3月には渋谷24時25分発に繰り上がり1年で終電が実質40分も繰り上がることとなる。まあ終電・終車の運賃が割安になっただけまだマシだが、東京23区内で実質40分の終電繰り上げとなるとやりすぎではないかとは思う。

ちなみに渋谷~三軒茶屋~上町方面を結ぶ東急バス渋21・渋22・渋23系統は2020年内に昼間毎時10本から毎時9本程度に減便している。ほかに東急バスと小田急バスの共同運行を行っている渋24系統や小田急バス単独の渋26系統などもあるが、渋谷と調布を結ぶ渋26系統は瀕死の状態でもはや数年以内に狛江以北のみの運転のみになりそうなほどだ。世田谷線で減便を行ってもおかしくなさそうだ。


8. 結び

今回の2021年3月実施予定の東急電鉄及び東京メトロダイヤ改正では、一部の路線で終電を繰り上げるほか、減便も行う見込みのようだ。

今後東急電鉄や東京メトロでどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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