定期列車で減便も完全運休回避へ 東北・上越・北陸新新幹線・JR東日本在来線特急臨時ダイヤ予測(2020年5月28日実施予定)

JR東日本は2020年4月21日、プレスリリースにて5月2日~5月6日に臨時ダイヤで運転すると公表した( 新型コロナウイルス感染拡大に伴う運転計画について )。今回はこれについて見ていく。

1. 定期列車も含め指定席発売見合わせへ

今回の2020年5月28日実施のJR東日本臨時ダイヤ運転では、定期列車を含めた減便を行う見込みだ。

これまでJR東日本では臨時列車の指定席発売を見合わせ4月24日より全ての東北・上越・北陸新幹線で全ての臨時列車の運休を行っている。

つまり今回の定期列車を含めた指定席の発売見合わせは、定期列車も含め削減を行う可能性があるということだ。

そこで今回は、最悪のケース(全国規模の緊急事態宣言が5月中旬になっても解除見込みがなく、6月以降も延長する場合)を想定して臨時ダイヤの予測を行う。

2. 定期列車運休も完全運休は回避へ

今回の2020年5月28日実施のJR東日本臨時ダイヤ運転では、定期列車の運休を行うが、どのような頻度で運転するのだろうか。

まず、指定席発売見合わせ対象だが、東北・上越・北陸の各新幹線と中央線特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」、常磐線特急「ひたち」「ときわ」となっている。特急「富士回遊」は私鉄の富士急行に直通しており、かつ富士急行が大幅な減便ダイヤを組んでいることから背景が異なるが、それ以外の列車は概ね毎時1本以上の運転がある列車たちだ。

対して指定席の発売を続けるのは、いずれも定期列車のみではあるが総武本線特急「しおさい」、外房線特急「わかしお」、羽越本線特急「いなほ」などとなっている。これらの列車の共通点は昼間に概ね2時間に1本の運転を行っている列車であるということだ

つまり、今回指定席の発売を中止した東北・上越・北陸の各新幹線と中央線・常磐線特急は少なくとも2時間に1本は運転するということを確約しているようなものだ。5日間だけとはいえ政府や自治体の要請をはき違え大分と長崎を見捨てたJR九州とは大違いである。

2019年10月25日~2020年3月13日まで実施していた北陸新幹線臨時ダイヤ運転では、東京~長野間の「あさま」と長野~金沢間の「はくたか」の運転時刻を組み合わせて臨時「はくたか」を設定したことがある。つまり本来停車しない種別が停車するようになるなどの特別ダイヤを組む可能性が高い。

では各線でどのように減便するのだろうか。

そもそも、新幹線の平均乗車率は2,000人/日・往復で毎時1両運んだ場合に平常時では60%程度となる。ここから対前年比10%の利用しかないとすると、平均乗車率は6%となる。つまり1両に3~6人程度しか乗車していないことになる。

ここに最近はやりのソーシャル・ディスタンスとやらで人と人の間隔を2m置くことを考える。まず幅だが、新幹線は全幅3.3m、在来線特急(山形新幹線E3系「つばさ」及び秋田新幹線E6系「こまち」を含む)は全幅2.8mであり、座席幅が44cm~47.5cmであることを差し引いても、同じ列の窓側同士なら2m間隔を保てる。また新幹線の座席は原則104cmの前後幅があり、2列おきに座れば2m間隔は保てる。そう考えると、2列10席中2席を利用することはできるので、乗車率20%までの減便は許容範囲となる。

しかしそれはあくまで標準的な新幹線の話。在来線特急(山形新幹線E3系「つばさ」及び秋田新幹線E6系「こまち」を含む)は普通車の座席の前後幅は98cmしかないほか、JR東日本は創業当初新幹線の座席をケチっており、E2系や2階建てのE4系は前後幅が98cmしかないのだ。つまり在来線特急とJR東日本の一部の新幹線車両は2列おきに窓側に座ってもソーシャルディスタンスを守れないのだ

まあ、E2系とE4系については、1列目はA席(窓側)とD席(通路側)、3列目はB席(中席)とE席(窓側)で座れば間隔が2mになるので20席中4席まで利用でき結果的に乗車率20%までの減便は許容範囲となるのだが、在来線特急は2人掛け&2人掛けなのでずらせる幅がない。そう考えると、在来線特急では12席に2人しか座れないことになってしまう(頑張れば16席に3人まで座ろうと思えば座れるけど、そこまで変わりないし説明が面倒なのでとりあえずこれで計算)。

そう考えると、新幹線型車両では1/3程度まで減らせるが、在来線特急は半分程度までしか減便できないことになる。

このほか、通勤時間帯に相当する時間帯では出勤に必要な外出をしていることかつ平常時では自由席に立客が出るほどだ。そう考えると、朝夕は新幹線では最大で半減するし、在来線特急も大きくは削減できないだろう。

そこでここから各線の臨時ダイヤを組む場合、どのようになるのか想定していく。




2.1. 新幹線は事実上停車駅増加で減便か

では東北・上越・北陸の各新幹線はどのような臨時ダイヤを組むのだろうか。

まずこの3新幹線は原則どの列車も東京を発着しており、東京~大宮間での時刻変更は難しい。つまり東京発着時刻は東北新幹線分は東北新幹線が既に使用している枠を使用するほかは難しいだろう。上越・北陸新幹線もE7系は共通しているものの、W7系の上越新幹線運用がないことから共通運用化は難しいだろう。

また、東北・上越・山形の各新幹線では最速所要時分を短くするためだけに停車駅を極限まで減らし空気輸送覚悟で運転している列車をそれぞれ1往復ずつ程度運転している。上越新幹線であれば大宮のみ停車のE2系「とき」、山形新幹線であれば東京~山形間で途中大宮、福島、米沢にしか停車しない「つばさ」が当たる。これらの列車は2時間に1本に乗車チャンスを与えるという意味で極めて不利になることから、臨時ダイヤ期間中は運休だろう。

ではここから各路線別にみていこう。東北新幹線では東京~仙台間を1時間に3本~5本運転する中、3分の1までしか減便できないのに毎時1本しか来なくなるというのはしか列車が行かないというのはちょっと考えにくい。

そうなると東北新幹線では、東京~新函館北斗間運転をを2時間に1本、東京~盛岡間運転を2時間に1本、東京~仙台間運転を1時間に1本運転するのではないだろうか。

このうち、東京~新函館北斗間運転列車は「はやぶさ」タイプとして運転し、東京~秋田間では「こまち」を連結するほか、原則盛岡~新青森間は各駅に停まるのではないか。東京~新青森間は約3時間20分、東京~新函館北斗間は約4時間30分かかるが、致し方ない。

東京~仙台間運転の列車が毎時1本すべてを各駅に停車させるのか、はたまた2時間に1本は「つばさ」併結「やまびこ」のように通過運転を行うのかが悩みどころで、

もし東京~仙台間運転の列車を毎時1本すべて各駅に停めるのであれば、東京~盛岡間の「やまびこ」と「つばさ」を併結させることになるのだが。

ただ、盛岡発着「やまびこ」は2019年3月16日東北新幹線ダイヤ改正で定期列車は全てE5系による運転となってしまったほか、臨時列車もほとんどがE5系での運転となってしまっている。

E5系とE3系は併結できるが、E3系「つばさ」編成との併結は今のところない。今回の臨時列車運転でもE5系と連結する可能性は低いだろう。

このことからも、「つばさ」と「こまち」は2時間に1本の運転になる可能性が高い。

ただ、朝夕くらいは毎時1本で大宮~仙台間ノンストップ列車を運転する可能性はありそうだ。

上越新幹線は、そもそも羽越本線特急「いなほ」の平常運行が決まっているので、それに接続する列車は原則残すはずだ。

車両は10両のE2系で十分で、12両のE7系である必要はないだろう。今後も残るE7系の車両寿命を延ばすためにE2系を優先的に使いそうだ。

少なくともE4系の走行距離を減らせるし、E7系の寿命も延ばせそうだ。

北陸新幹線は、昼間は臨時ダイヤ実施時のように、昼間は東京~長野間は「あさま」、長野~金沢間は「はくたか」のように運転する列車を毎時1本確保するほか、朝夕は東京~長野間で停車駅を絞った速達タイプの「はくたか」と「あさま」を毎時1本ずつ程度運転するのではないだろうか。

なお北陸新幹線「つるぎ」の減便はない。と、当時のプレスリリースには記載があったが、5月8日のプレスリリースにてこれらの臨時ダイヤの実施より早い5月16日より一部減便することとなった。

2.2. 在来線特急は運休メインか

ただ柔軟なダイヤを組めないのが在来線特急だ。新幹線は新幹線だけ気にしていればいいので柔軟な臨時ダイヤを組むことができるが、在来線特急は快速含む普通列車の運転時刻を考慮しなければならない。つまり新幹線の臨時ダイヤより制約が大きいのだ。

まず時刻変更が不可能なのは、常磐線いわき~仙台間。単線区間ゆえ列車交換を行わなければならず、ここからの時刻変更は不可能と考えて良い。

また中央本線東京~高尾間や常磐線品川~土浦間も30分毎にずらすことはできるが、それ以上の微調整は難しい。

まあ輸送量調整という意味では、中央本線特急「あずさ」及び一部の特急「かいじ」は併結する特急「富士回遊」の完全運転見合わせなどを駆使して全列車12両から9両への減車は可能だ。そもそも朝夕の「あずさ」の「かいじ」への運転短縮はできたとしても定期列車の運休は難しいことから、そもそも運休自体も少ない可能性すらある。

そう考えると、常磐線特急や中央線特急は、一部の列車の運休や運転区間短縮が多くなり、2つの列車の運転時刻を組み合わせる可能性は新幹線より低くなりそうだ。


3. 結び

今回の2020年5月28日実施のJR東日本臨時ダイヤ運転では、東北・上越・北陸新幹線及び中央線特急・常磐線特急で状況に応じて定期列車の減便を図る見込みだ。

また、全面運休は回避できるものの、平常時より所要時間がかかる可能性は高い。

今後JR東日本でどのような臨時列車を運転するのか、見守ってゆきたい。

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