経済活動全面解除に向け前年より増発へ! 東北・上越・北陸・北海道新幹線臨時列車運転(2020年7月~9月夏期間)

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JR東日本は2020年6月19日、プレスリリースにて2020年7月~9月に運転する夏の臨時列車について公表した( 7月以降の臨時列車の運転計画および指定席発売について )。今回は東北・上越・北陸の各新幹線の2020年夏の臨時列車運転について見ていく。

1. 東北新幹線は引き続き増加へ

今回の2020年7月~9月夏の臨時列車運転では、東北新幹線で増発を実施する。

ただ今回の臨時列車のプレスリリースは、例年5月18日~24日のうち金曜日に公表することが多いが、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う県外移動の自粛により利用が控えられており、前シーズンの2020年3月~6月の臨時列車運転はほぼ全滅、一時期は定期列車すら減便しようとしていたほど利用が読めなかったため、1か月遅れで公表することとなった。

それでは各シーズン同様、東北・北海道新幹線についてエリア別に前年同時期と比べながら見ていく。




1.1. 北海道新幹線は8月より臨時列車復活へ

JR北海道のプレスリリースによると、2020年夏の臨時列車運転では期間中北海道新幹線で73本(昨年比10本減、57.5%減)を運転する。

前年比半減となったのは、本年2020年夏の臨時列車運転では本来行うはずだった7月の臨時列車運転を取りやめ8月以降のみ臨時増発を行うこととしたこと、前年2019年夏の臨時列車運転では週2回以上のペースで新青森発着の「はやぶさ」を新函館北斗まで延長していたが本年2020年は行わないことなどが挙げられる。

北海道新幹線は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う大幅な需要減により一時定期列車3往復の減便を行ったほか、そもそも平常時でも平均乗車率が30%程度とソーシャルディスタンスが図らずともとれるレベルでしか輸送量がなかったため、2020年限定予定の7月のスポーツの日・海の日4連休は増発は図る必要もなく、お盆やシルバーウィークなどの多客期のみに臨時増発すれば問題ないということになったのだろう。




1.2. 大宮発着「はやぶさ」の上野延長で「はやて」格下げへ

またJR東日本仙台支社のプレスリリースによると、今回の2020年夏の臨時列車運転では7月~9月の期間中「はやぶさ」は北海道新幹線直通分を含めて661本(前年比63本減、8.7%減)、秋田新幹線「こまち」で381本(62本増、19.7%増)、「はやて」は16本(前年比5本減、23.8%減)、「やまびこ」は276本(前年比26本増、10.4%増)、「つばさ」は442本(前年比20本増、4.7%増)の臨時列車を運転することとなり、「なすの」を除く東北新幹線臨時列車は期間中1,423本(昨年比47本増、3.4%増)を運転する。

なお「なすの」は期間中70本運転する見込みで、東北新幹線臨時列車の総数は1,493本となる。

先述したように本年2020年は9月のシルバーウィークの他に7月のスポーツの日・海の日4連休があるので本来であれば例年より多くの需要が見込まれるはずだ。そのため当初設定していた臨時列車の本数が前年より多かったというのは想像に難くない。

ただこのご時世による需要減を見越しても東北新幹線では前年より増発させているのである。というか、おそらく本来運転する予定だった臨時列車をそのまま設定している。

なお「はやぶさ」の臨時列車の運転本数は前年比で減少しているが、そもそも前回の2020年3月14日東北新幹線ダイヤ改正で定期列車を3往復半増発しているので、結果的に輸送力は増えている。JR東日本は潤沢な資本力がるから減らさなくても問題ないと判断したのだろう。

2. 上越新幹線ではわずかに減便へ

またJR東日本のプレスリリースによると、今回の2020年夏の臨時列車運転では12月~2月の期間中上越新幹線臨時「とき」「たにがわ」は497本(前年比12本減、2.4%減)を設定する。

上越新幹線ではE4系からE7系への置き換えにより順次1列車当たりの座席数を減らしているが、今回はわずかに減便に転じた。7月の設定日があまりにも少ないので上越新幹線に関してはこのご時世により多少運転本数を調整した可能性もありそうだ。

3. 北陸新幹線は7月は大幅減へ

またJR東日本及びJR西日本金沢支社のプレスリリースによると、「かがやき」は7月及び8月に379本、「はくたか」は7月及び8月に9本、「あさま」は7月~9月に299本(昨年比90本減、23.1%減)の臨時列車を設定する。

今回は列車愛称別に運転本数の設定期間が異なるので単純合算はできないが、少なくとも「はくたか」と「あさま」は8月運転分は当初の予定通りの本数を設定しているようだが、7月運転分は例年より明らかに少ない。また「あさま」だけを見ると9月運転分も前年よりはるかに少ないことから、8月以外の時期は臨時列車の運転本数を抑え込んだようだ。

なおJR西日本管内に乗り入れる「かがやき」「はくたか」の臨時列車運転について、9月分の公表は見送ることとなった。7月の4連休やお盆の状況を見てシルバーウィークの運転本数を決定するのだろう。まあ東京~長野間については「かがやき」が増発しなかった分「あさま」の追加臨時列車運転で補完しそうではあるのだが。


4. 結び

今回の2020年7月~9月東北・北海道・上越・北陸新幹線秋の臨時列車運転では、8月の経済活動全面解除に向け総じて8月以降は前年より多くの臨時列車を設定することとなった。

ただ、7月に関してはまだ需要が伸びると思われていないためか、上越・北陸新幹線では前年より運転本数を減らしている。

今後東北・北海道・上越・北陸の各新幹線でどのような臨時列車を設定していくのか、見守ってゆきたい。

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