整備新幹線貸付料引き上げに合わせ最高速度275km/hにスピードアップか! 北陸新幹線・九州新幹線・西九州新幹線ダイヤ改正予測(2027年以降予定)

 2985回閲覧

整備新幹線貸付料引き上げに合わせ最高速度275km/hに引き上げか! 北陸新幹線・九州新幹線・西九州新幹線ダイヤ改正予測(2027年以降予定)

財務相の諮問機関である財政制度等審議会は新幹線整備を巡る財源について整備新幹線のJR各社への貸付料を引き上げるべきだと提言している。今回はこれについて見ていく。

ダイヤ改正予測2026一覧はこちら!

1. 整備新幹線貸付料の値上げに合わせ最高速度を260km/hから275km/hに引き上げか!

財務省は整備新幹線について貸付料を値上げすべきだとしている。

これは北陸新幹線や北海道新幹線建設費が膨れている一方、貸付料は最大で30年前の開業目前の物価を基準に決められたため現在の相場と比べ安くなってしまっているためである。

とはいえ何も設備が変わらないのに貸付料だけ値上げされては株式会社であるJR旅客各社は株主に説明がつかない。

そもそも1997年以降に開業した新幹線は整備新幹線と呼ばれ、2025年時点ではそのすべてで260km/hしか出していない。日本の新幹線の最高速度は320km/hだというのにそんなにしか出していないのは宝の持ち腐れではないか?

そこで考えられるのが整備新幹線貸付料引き上げに合わせて最高速度を引き上げるというものだ。それではどの程度最高速度を引き上げられるのか見ていこう。




2. なぜ整備新幹線を含む新幹線の建設時最高速度は260km/hなのか

そもそもなぜ整備新幹線を含む新幹線の建設時最高速度は260km/hとしているのだろうか。

1964年の東海道新幹線開業を控えていた1962年10月、鴨宮モデル線で車両走行実験を行い新幹線試作車1000系が211km/hを出した。これを受け東海道新幹線の最高速度を210km/hと定め、そこからなんとなく50km/h上乗せしておけば大丈夫じゃねということで建設時の設計最高速度を260km/hとした。この後2025年までに開業したすべての新幹線の建設時の設計最高速度は260km/hとしており、それを上回る速度で運転している線区はその後設備を改造して走れるようにしたものである。

実際その後の技術進歩により鋼製車からアルミニウム製の車両に置き換わった際に275km/hまでの運転であればこれまでとほぼ同じブレーキ技術で走れることが分かったほか、必要に応じて320km/hの運転もできるようになっている。つまり新幹線の建設時最高速度260km/hはその場のカンで決められたものであり、科学的根拠・技術的根拠はない。そんな科学的にも技術的にも根拠のない最高速度基準が足かせとなった2000年以降であっても整備新幹線の最高速度は260km/hのままとしているのである!こんな不経済ないことはない!

そこで国土交通省ではJR旅客各社から要望のあった整備新幹線区間について設備改築による最高速度引き上げを認可、東北新幹線盛岡~新青森間は2028年3月ごろに最高速度を260km/hから320km/hに引き上げるほか、現在建設中の北海道新幹線新函館北斗~札幌間も260km/hではなく320km/hで運転する見込みだ。いや既存のE5系新幹線やH5系新幹線の最高速度320km/hとしているのであって、おそらく北海道新幹線札幌延伸の2039年3月以降ダイヤ改正にて導入するであろうALFA-Xの走行実績を基に開発する新型新幹線で360km/h運転を行うのだろう。

そう考えると、整備新幹線においても最高速度を260km/hから引き上げることは可能である。もっとも320km/hや360km/h運転となると車両を新たに製作する必要があり高性能なため車両製造費も高くつき、線路摩耗や台車摩耗も激しいことから維持費がかかりやすい。が260km/h運転と275km/h運転では必要な車両は変わらないほかそこまで保守の手間も増えない。

そこで今のところ260km/hから最高速度引き上げ予定のない北陸新幹線・九州新幹線・西九州新幹線で整備新幹線貸付料引き上げに合わせ最高速度を260km/hから275km/hに引き上げるのではないだろうか?




3. 260km/hから275km/hへスピードアップで所要時間短縮はいかに!

では260km/hから275km/hに引き上げたところで所要時間はどのように変化するだろうか。

260km/hから275km/hに引き上げるとおおむね実キロ100kmにつき1分所要時間を短縮することができる。これをもとに予測していく。




3.1. 北陸新幹線で最大7分短縮へ!

まずは北陸新幹線。高崎~敦賀~新大阪間が260km/hから275km/hへの引き上げ可能区間で、東京~富山間で約3分、東京~金沢・福井間で約4分、東京~敦賀間で約5分短縮な脳としている。新大阪全通時には東京~新大阪間で約7分短縮できる見込みだ。

これにより東京~富山間は最速2時間02分、東京~金沢間は最速2時間18分、東京~福井間は最速2時間47分にまで短縮する見込みだ。

北陸新幹線全通時には東京~新大阪間を3時間44分程度から3時間37分程度に短縮する。東海道新幹線・リニア中央新幹線と合わせた東京~新大阪間の第三機軸としては不通時の予備的手段として十分に機能するだろう。

また所要時間を短縮することで臨時列車の多い多客時に1運用減らせる見込みだ。そもそも北陸新幹線用W7系新幹線は大宮~高崎間で275km/h運転を行っているため全く問題ないし、車両投入本数を1本減らせると思えばJR東日本やJR西日本としても効果が高いだろう。




3.2. 九州新幹線で最大3分短縮で3時間切りと4時間切り列車増加へ!

次に九州新幹線。260km/hから275km/hへの引き上げで博多~熊本間で約1分、博多~鹿児島中央間で約3分所要時間を短縮できる見込みだ。

もっとも博多~熊本間は最速32分、全駅停車の「つばめ」でも長くて50分で到着してしまうのでそれ以上所要時間を短縮してもと思うかもしれないが、重要なのは対新大阪の航空機との競合である。新大阪~熊本間は最速2時間58分としているが3時間を切っているのは1日たった1往復でほとんどで快適に移動できる乗車時間である3時間をわずかに越しているほか、新大阪~鹿児島中央間も昼間は4時間をわずかに越している。それをふまえると数分短縮しそれぞれ3時間以内、4時間以内で到達する新幹線を増やすことで大きく利便性が向上するものと考えられる。

また博多発着の時刻を変えないことで熊本・鹿児島中央からの初列車繰り下げ、終列車繰り上げを行うことで駅営業時間の短縮を図ることができる。このため人件費削減につなげることができる。

というか、もっと言えば九州新幹線と線路を共有しているJR西日本博多南線区間8.5kmを最高120km/hから275km/hに引き上げたらさらに1分程度短縮することができ、新大阪~熊本間で最速2時間56分運転、1駅増停車しても「みずほ」なら3時間以内で到達可能となり航空機から旅客を奪い始めることができると思うのだが。




3.3. 西九州新幹線は全開業時に効果発揮へ!

最後に西九州新幹線。武雄温泉~長崎間で約1分所要時間を短縮すできる見込みだ。

が、そもそも西九州新幹線は博多~長崎間を全通してこそ意味があるもの。まあ佐賀県は全通させる気はなさそうではあるが、所要時間を短縮するにはまずは全通だろう。

3.4. 未整備の新幹線でも所要時間短縮へ!

また今後開業する未整備の新幹線についても建設時最高速度を260km/hから275km/hに引き上げることで数分の所要時間短縮を見込める。

このため西武効果が高くなりより新幹線を建設しやすくなるだろう。


5. 結び

今回の2027年以降北陸新幹線・九州新幹線・西九州新幹線ダイヤ改正予測では、最高速度を260km/hから275km/hに引き上げスピードアップすることで所要時間を数分短縮する見込みだ。

今後開業から30年を迎えつつある整備新幹線の扱いがどのようになっていくのか、見守ってゆきたい。

ダイヤ改正予測2026一覧はこちら!

関連情報:新幹線整備、JR負担拡大を 財制審が線路使用料で提言 – 日本経済新聞

コメント

コメントを投稿される方はこちらの注意事項をお読みください。コメント投稿時点でこの注意事項に同意したものとみなします。

トップページに戻る

タイトルとURLをコピーしました