最高速度引き上げとE2系引退は全車指定席化の前兆か! 上越新幹線ダイヤ改正予測(2023年3月予定)

JR東日本は2019年5月8日、プレスリリースにて上越新幹線の最高速度を2022年度以降に引き上げると公表した( 上越新幹線(大宮~新潟間)の速度向上に取り組みます )。今回はこれから最速で2023年3月に実施予定の上越新幹線最高速度引き上げに伴うダイヤ改正について見ていく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!


1. 上越新幹線がE7系に統一へ

今回の2023年3月上越新幹線ダイヤ改正では、上越新幹線を走行する列車が全て12両編成のE7系に統一される。

2019年5月現在、上越新幹線には10両編成のE2系、8両編成で2編成連結すると16両運転が可能なオール2階建新幹線E4系、12両編成のE7系の3車種が運転されている。

このうちE7系は2018年3月17日ダイヤ改正より運転開始し、E4系を順次廃止することとなっている(というのがJR東日本の建前なのだが、実際にはE7系導入前より仙台の新幹線車両センターからE2系を転属させてE4系を追い出している)。

このE4系の完全置き換え計画は2021年3月ダイヤ改正までに実施され、その後はE2系とE7系の2車種が上越新幹線を走ることとなる予定であった。このことから、一部報道ではE2系を10両から12両に増結し運転を継続するという噂も流れていた。

しかし今回公表されたプレスリリースでは、E4系置き換え完了後も引き続きE7系を投入し、2023年3月ダイヤ改正までに上越新幹線のE2系を全てE7系で統一し、上越新幹線全列車をE7系での運転とすることにしたのである。

E7系はE2系のマイナーチェンジ車であるから、ノーズ長は同じ9.1m、起動加速度も1.6km/h/sと同じで、走行性能に大きな差はない。しかし、1997年に登場のE2系と2014年に登場のE7系では、技術の進歩により同じ性能でも様々な改良が加えられている。

また近年JR東日本管内の新幹線で事故が多いが、そのトラブルの原因の集大成を今のE2系が持ってしまっているということもある。この原因は当時の設計にあったのか、それとも経年劣化によるものなのかは様々ではあるが、極力トラブルの少ない車両に置き換えたいというのもあるのだろう。

このことから、E2系を上越新幹線から2023年までに撤退させようということになったようだ。

これまでE2系は製造から19年程度で廃車されてきた。これはJR東海の300系や700系の13年〜15年よりやや長いが、これは東海道新幹線と比べて東北新幹線の臨時列車の運転本数が少なく、2016年までは多客期こそフル運用となるがそれ以外の時期にあまり使われてこなかったことがあるものと思われる。

しかしもし18年〜19年使うとすると2023年3月ダイヤ改正までに2005年製造分までは置き換えられるが、2010年の東北新幹線新青森延伸時に導入したE2系6編成は残ることとなる。この6編成はすでに全てが新潟車両センターに転属しており、全てが上越新幹線で運転されている。

また東北新幹線は東北新幹線で1号車〜10号車をE5系で統一しようとしており、東北新幹線からもE2系を撤退させる方針となっている。

さらに山形新幹線ではE6系が試運転していることから、何らかの形で山形新幹線にE6系を導入する可能性はあるが、ノーズが6.0mから13.0mに大幅に伸び座席数が減ることから、定員確保のため7両から8両への増結が必要となる。近年利用者が延びつつあり臨時列車を増発しているが、毎時2本以上の運転ができずさらなる輸送力増強を図る必要があるが、東京駅の発着枠上増結の他は難しそうだ。

となると、山形新幹線のE6系を導入する場合、少なくとも9両編成で入れる必要がある。奥羽本線内はかつて在来線特急「つばさ」が12両編成で運転されていたためホームを延伸する余地はあるが、東北新幹線内では仙台発着「やまびこ」と増結する関係でこれ以上の増結は「やまびこ」を短縮しないと難しい。そこで、「つばさ」併結「やまびこ」の運用は固定されていることから、「つばさ」併結「やまびこ」のみ平屋8両に短縮し、E6系化する「つばさ」を9両ないし10両にした方がいいのではないだろうか。

まあ東北新幹線の8両編成復活は実現するか微妙ではあるが、少なくとも東北新幹線フル規格はE5系及びALFA-Xによる新型車両、ミニ新幹線はE6系、上越新幹線・北陸新幹線はE7系に統一し、乗り入れる他社車両も同一の仕様とする見込みのようだ。

その各線の車種統一がなされたところで、2015年3月14日ダイヤ改正以降の常磐線特急「ひたち」「ときわ」や2019年3月17日ダイヤ改正以降の中央本線特急「あずさ」「かいじ」のように、全車指定席としようとしているのではないだろうか。

最高速度引き上げに伴い全車指定席とするのであれば、指定席特急料金を変えなければ指定席・グリーン車利用者は同額で所要時間が短縮されることからメリットしかないし、自由席利用者にとってもJR東日本の全車指定席化の口実として使うのだろう。

もし全車指定席化を行うと、最高速度引き上げに関する設備投資はかかるものの、自由席廃止により車掌の数を減らすことができ人件費が下げられることで大幅な収益改善が見込めることだろう。

しかも北陸新幹線敦賀延伸も同じ2023年3月ダイヤ改正で実施見込みであることを考えると、同時に「はくたか」「あさま」も全席指定化する可能性も高そうだ。

2. 上越新幹線で最高速度引き上げへ

また今回の2023年3月上越新幹線ダイヤ改正では、上越新幹線で最高速度が引き上げられる見通しだ。

なぜ最高速度を引き上げることになったかというと、国際鉄道連合の高速鉄道の定義は、旅客専用の高速新線では250km/h運転、在来線改良線や貨客混合線では200km/h運転を行う路線としている。

上越新幹線は信越本線や上越線とは別に造られた新線で、貨物運転を行っていないことから、最高速度が250km/hでなければ高速鉄道とは呼べない。しかし、上越新幹線の最高速度は240km/hであることから、高速鉄道とは言えない状態になってしまっているのだ。

そこで国際的にも異議なく高速鉄道と認められるために、上越新幹線大宮〜高崎〜新潟間で最高速度が240km/hから275km/hに引き上げられることとなった。

上越新幹線では1990年3月10日ダイヤ改正で200系の一部編成で越後湯沢通過列車に限り上毛高原→浦佐間の下り線で最高速度275km/hで運転していたことがあるが、1999年12月4日ダイヤ改正で240km/h運転に統一され、それから整備新幹線の長野新幹線より遅い240km/h運転が20年にもわたり定着していた。

今回の最高速度引き上げに伴う所要時間短縮は2017年10月時点での予測と誤差1分となっている。残る1分は余裕時分に当てた可能性はありそうだ。

では所要時間短縮効果はどうなるのか。今回の上越新幹線最高速度引き上げと最速で2020年3月ダイヤ改正で実施予定の上野~大宮間のうち埼玉県内での最高速度引き上げにより、東京~新潟間の最短所要時間(途中大宮のみ停車)は1時間37分から1時間29分に短縮し、1時間半を切る見込みだ。

ただ昼間の定期「とき」は高崎〜新潟間で各駅に停車し東京〜新潟間2時間08分運転となっている。このうち上野〜大宮間では1分、大宮〜高崎間では2分短縮されるが、高崎〜新潟間はノンストップなら7分短縮できるだろうが、各駅に停車すると2分までしか短縮できない。

ともなると、昼間の定期「とき」は東京〜新潟間で2時間03分運転となり、2時間切りにはならない見込みだ。

またこの最高速度引き上げにより、大宮〜高崎間で線路を共有する北陸新幹線も最高速度引き上げ・所要時間短縮が行われることとなる。JR東日本としてはこれらの所要時間短縮と運用の共通化を図ることによって、編成数を減らそうとしているのではないだろうか?(そうなるとW7系が上越新幹線を走ることになりかねないのだが果たして)

E7系は性能上275km/hまで出せるが、線区ごとの最高速度の関係で260km/hまでしか出せなかった。しかし今回の上越新幹線最高速度引き上げにより、2014年3月15日ダイヤ改正による長野新幹線への導入以来9年越しで本領発揮ができる見込みとなった。

3. 結び

今回の2023年3月上越新幹線ダイヤ改正では、全列車がE7系による運転に統一され、最高速度が240km/hから275km/hに引き上げられ、所要時間が短縮する見込みだ。

一方で、速度向上に伴う対価として全車指定席化を行い、増収を図る可能性がある。

今後上越新幹線・北陸新幹線でどのようなダイヤ改正が実施されるのか、見守って行きたい。


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