11年ぶりの全線運転再開も最高速度引き下げか! JR東日本只見線ダイヤ改正(2022年10月1日)

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11年ぶりの全線運転再開へ! JR東日本只見線ダイヤ改正(2022年10月1日)

JR東日本は2022年7月13日、プレスリリースにて10月1日に只見線でダイヤ改正を行うと公表した( 2022年10月ダイヤ改正について )。今回はこれについて見ていく。

1. 11年ぶりの全線運転再開へ!

今回の2022年10月1日JR東日本ダイヤ改正では、只見線会津川口~只見間全線運転再開に伴いダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正は只見線のみのダイヤ改正であるが、JR東日本プレスリリースでは律儀に毎年3月実施の管内全社的に行うダイヤ改正と同様の体裁をしている。

只見線は2011年7月23日に全通40周年を祝った矢先の7月30日に不通となっていた。その後順次運転再開を図ったものの、会津川口~只見間は復旧に新線建設並みの大掛かりな工事が必要なことからJR東日本が復旧を断念し、バス転換することも視野に入れていた。が、その後法改正により黒字企業の赤字路線でも復旧に公金を投入できるようになったことで方針転換、線路設備を福島県保有にしJR東日本が維持費の低減を図れたため今回の運転再開にこぎつけたものである。

つまり今回の只見線の全線運転再開は2011年7月以来約11年2か月ぶりとなる

では今回の只見線全通に伴う2022年10月1日JR東日本ダイヤ改正でどのようなダイヤ改正を行うのか、見ていこう。




2. 運転再開で車両更新も鈍足化へ

今回の2022年10月1日JR東日本ダイヤ改正では、只見線の全線運転再開に伴い只見線でダイヤ改正を行うこととなった。

今回復旧するのは会津川口~只見間の27.6kmとなっている。

今回のダイヤ改正では只見線の全線直通運転が復活する。今回運転再開する会津川口~只見間は1日3往復の運転だが、そのすべてが2011年以前と同様会津若松~小出間の全線運転列車となる。

ただこの11年間の間に只見線では車両更新を行っており、2020年3月14日JR東日本ダイヤ改正にてキハ40系列から会津若松~会津川口間はキハE120系、只見~小出間はキハ110系での運転に置き換わっている。今回の運転再開では両者の車両が直通するほか、試運転ではキハ110系とキハE120系が併結運転も行っている。

鉄道が不通となっている2022年7月現在はバスによる代行輸送を行っており、会津川口発只見行きは1日6本、只見発会津川口行きは1日7本を運行しており、うち1日4往復が会津若松方面の列車と連絡していた。これが列車運転再開に伴い1日3往復しか運行しなくなるということは、運行本数が半減してしまうではないか

また所要時間を見ても代行バスは50分程度だったのに対し、列車でも49分~52分とほとんど変わりがない。おいおい、かえって利便性落ちていないか、只見線

もっとも1日3往復というのは2011年までの列車運行時の運転本数なので元に戻ったといわれればそれまでだが、2011年までのおんぼろのキハ40系列での運転時は会津川口~只見間を40~44分で走行していることを考えると、明らかに遅くなっていると言わざるを得ない

ではキハ40系列から置き換えたキハ110系やキハE120系は性能が悪いということなのだろうか?

先述したように2020年3月14日JR東日本ダイヤ改正にて、只見線では車両をキハ40系列からキハ110系やキハE120系に置き換えた。が、この際に車両性能が高いことから所要時間短縮が可能となり、会津若松~会津川口間で1分~8分程度(平均5分程度)、只見~小出間でも約4分程度短縮している。

にもかかわらず会津川口~只見間では所要時間が延長しているということは、カーブの制限速度を下げたか、会津川口~只見間で最高速度を引き下げた可能性が高い。おそらく計算上は最高速度が65km/hから45km/hに下がっているのではないだろうか(最高速度45km/hでの復旧は2017年3月4日に復旧したJR西日本可部線可部~あき亀山間がある)。

今回のダイヤ改正で只見線全線直通列車が3往復復活したわけだが、おかげさまで所要時間が短縮しているのはわすか1本で2分のみ、残りの列車では全線所要時間が延長しているほか会津若松発小出行きでは概ね所要時間が10分延びてしまっているのである

減便して所要時間も延長しているが、これが福島県の描いた只見線の全線運転再開なのだろうか?




3. 運転再開区間以外でも時刻変更へ!

今回の2022年10月1日JR東日本ダイヤ改正では、只見線全線運転再開に伴い全線直通列車を運転する関係上、すでに運転を再開している他の区間でも時刻を変更している。

これは、会津若松~会津川口間および只見~小出間をそれ折れ部分運転再開をしていたため、それぞれの区間で効率の良い行路を組める人員配置ができるような時刻で運転していたためで、直通運転を大きく拡大する今回のダイヤ改正で時刻の修正が求められている。

とはいえ、只見線の大部分を占める福島県内の会津若松~会津川口間では、最大6分の修正にとどまり小規模な変更にとどまっている。

が、主に新潟県内の区間となる只見~小出間では時刻を大幅に変更しており、最大で1時間30分程度時刻を変更している。救済として2011年以前同様高校生の下校向け列車として小出17時53分発大白川行きとその折返しの大白川18時43発小出行きを平日の通学日限定で復活することとなった。

なお今回のダイヤ改正より只見線会津若松~只見間ではワンマン運転を行う。只見~小出間は車掌乗務のツーマン運転のまま残すようだが、今後ワンマン区間拡大を図る可能性は十分高そうだ。


4. 結び

今回の2022年10月1日JR東日本ダイヤ改正では、只見線が全線で運転再開を果たすこととなった。

ただ、只見線全線を含むJR東日本が輸送密度2,000人/日・往復未満の線区の収支を公表し線区の見直しを迫る中、どのように変化するのか、見守ってゆきたい。

2022年11月実施の只見線臨時列車運転はこちら!

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