恐れていた!日豊本線の6両ワンマン宣言! JR九州ダイヤ改正(2022年9月23日)

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恐れていた!日豊本線の6両ワンマン宣言! JR九州ダイヤ改正(2022年9月23日)

JR九州は2022年6月10日、プレスリリースにて9月23日にダイヤ改正を行うと公表した( 西九州新幹線が開業します 在来線各線区でダイヤを見直します )。またJR九州の労働組合の1つ国労九州は2022年6月16日、プレスリリースにて2022年9月23日ダイヤ改正に伴うワンマン対象線区などを公表した( 国労九州ニュース132号 やりたい放題の合理化内容 )。さらにJR九州の労働組合の1つJR九州ユニオンは2022年6月20日、プレスリリースにて2022年9月23日ダイヤ改正に伴う人員整理などを公表した( 業務速報42号.pdf )。今回はこれらから、JR九州管内におけるワンマン運転拡大および車掌の大幅縮小について見ていく。

1. JR九州の多くの路線で減便・減車で車両増備中止へ

今回の2022年9月23日JR九州ダイヤ改正では、多くの路線で減車・減便を図る見込みだ。

鹿児島本線では福岡市近郊でも平日朝ラッシュ時の運転本数を約1割削減するとしているが、そもそも2019年度の時点でも混雑率が105%しかなかったところから利用客が減ったともなれば減便・減車は致し方なかろう。

この利用客減少を受け、JR九州では新型車両の821系電車の投入予定を当初2025年3月まで行う予定だったが、方針転換し2022年3月までで切り上げることとした。これにより当初から製造費が6割ほど減らし、当初90両~105両程度投入予定だったものが10本30両の投入で打ち切ることとした。




2. ワンマン運転急拡大で6両でも実施へ

今回の2022年9月23日JR九州ダイヤ改正では、在来線各線でワンマン運転を急拡大する。

もっともこのご時世で利用者が減り一応黒字を出しているとはいえ大きく減益しているため、財務状況改善のために銀行や金融機関から指導を受けて今回のワンマン化急拡大を図った可能性はありそうだ。

2020年時点でJR九州管内でワンマン運転を行っていたのは原則2両以下の場合に限っており、3両でのワンマン運転は都市型ワンマンの福北ゆたか線と日豊本線小倉~中津間に限られていた。当時JR旅客各社でもワンマン運転は原則2両までであったことを考えるとすでにワンマン運転を比較的広く行っていたと言えよう。

その後2021年3月13日ダイヤ改正にて筑肥線の電車でもワンマン運転を開始し、姪浜~筑前前原間では既に福岡市営地下鉄空港線でワンマン運転を行っている303系や305系によるホームドア設置のワンマン運転を行ったほか、筑前前原~西唐津間では103系3両編成による都市型ワンマン運転を開始した。




では今回の2022年9月23日JR九州ダイヤ改正ではどのようにワンマン運転を拡大するのだろうか。国労九州によれば以下の通り。

  • 最大3両でのワンマン運転:鹿児島本線・福北ゆたか線小倉~折尾~直方間、長崎本線江北(肥前山口)~小長井間、佐世保線小長井~早岐間
  • 最大4両でのワンマン運転:鹿児島本線鳥栖~八代間、豊肥本線熊本~肥後大津間、長崎本線小長井~諫早間、日豊本線中津~佐伯間、鹿児島本線・日豊本線川内~鹿児島~都城間
  • 最大6両でのワンマン運転:鹿児島本線・日豊本線門司港~小倉~中津間

これらの最大6両でのワンマン運転実施に向け、JR九州では2018年より投入した新型車両821系電車には乗降確認用の車外カメラを設置しているほか、2020年頃から既存の813系・815系・817系にも乗降確認用の車外カメラの設置を始めている

また813系ではドア付近の座席撤去、817系ではクロスシートのロングシート化により乗降時間の短縮を図ろうとしているようだ。なお813系をクロスシートからロングシートに交換しなかったのは、813系も残り10年程度で置き換えを開始する可能性があることから、改造費用を少しでも抑えるためだろう。

この車外カメラ確認によるワンマン運転により、JR九州では最長6両でのワンマン運転を可能とするようだ

この車外カメラ確認によるワンマン運転はJR東日本E531系5両編成やE131系でも行っているし、基幹路線の東北本線(宇都宮線)でも前回の2022年3月12日ダイヤ改正より最長6両でのワンマン運転を実施し始めている。もっともJR宇都宮線の場合は前例として宇都宮市を結ぶ東武宇都宮線で4両ワンマン運転を行っていたため心理的衝撃はやや少なかったが。

なんだがBEC819系とEV-E801といい、車外カメラ設置といい、JR東日本とJR九州は似たような施策を同時期に行っている印象が強いのは気のせいだろうか。

ただ、6両運転は終日行うわけではないため、6両ワンマン運転は朝夕のみとなるはずだ。この朝夕時間帯は定期券利用客が多いためそもそも運賃を前払いしている。これを考えると長い車両での都市型ワンマン化は運賃収受が不十分になる理由とは考えにくい。

しかもJR九州では昼間の普通乗車券利用の多い時間帯を中心に行っている2両ワンマン運転の場合は車内で運賃収受をしているわけで、昼間は車内で運賃収受、朝夕は都市型ワンマン運転を行えば運賃の取りこぼしは少なくてすむだろう

なお宮崎支社管内では713系(「サンシャイン」型車両)が2両ワンマン運転を行っているが、車外カメラを設置していないため2本つないだ4両運転時はワンマン運転ができない。このため宮崎支社は4両ワンマン実施区間から漏れたのだろう。

なお鹿児島本線の福岡市近郊では引き続きワンマン運転を実施しない見込みだ。これによりワンマン非対応の4両固定編成電車415系や811系が鹿児島本線に集結する可能性が高そうだ。




3. 支社内で車掌廃止続出へ

今回の2022年9月23日JR九州ダイヤ改正では、ワンマン運転急拡大に伴い長崎・熊本・鹿児島の3つの支社で車掌を廃止する見込みだ。

各支社とも朝夕にワンマン運転に対応していない415系4両編成の運用がある。が、長崎支社では長崎本線肥前浜~長崎間を非電化化するため、817系電車や415系電車の運用がなくなる。

また鹿児島本線での減車・減便で余るワンマン対応化した813系や817系3両編成を熊本や鹿児島に転属させれば、415系4両編成を置き換えることも可能だ。そう考えると415系運用が長崎のみならず熊本・鹿児島から消滅する可能性は高そうだ。

なお熊本・鹿児島では引き続き817系2両編成を2本つなげた4両編成での運転を行うため、今回の2022年9月23日ダイヤ改正より車外カメラ確認による4両ワンマン運転を行うこととなった。




今回のダイヤ改正にて先述した減便及びこのワンマン化拡大により、運用車両数削減による車両保守人員の削減、乗務員行路数削減による運転士削減、ワンマン化による車掌削減を行う。

もっとも車両数削減による人員節減は限定的であり、JR九州ユニオンによれば南福岡車両区で2人、篠栗鉄道事業部で1人、大分車両センターで1人、佐世保車両センターで2人の削減に留まっている。これくらいであれば定年などによる退職と新規採用の削減で済むし、大村新幹線車両センターでの西九州新幹線用N700Sの重要部検査・全般検査要員として異動する人員もいるだろうから、勤務者に対して大きく不利に働くことはない。

次に運転士。今回のダイヤ改正に伴う人員見直しで、少なくとも小倉運転区で15人、博多運転区で7人、南福岡運転区で14人となっている。もっとも南福岡運転区は今回のダイヤ改正で西九州新幹線開業に伴い縮小する特急「かもめ」も担当していることから減るのは仕方ないし一部は西九州新幹線の運転士として大村に異動する可能性も考えられる。が、残る人員は定年などによる退職と新規採用の削減で帳尻を合わせるようだ。

最期に車掌。先述したように最大6両でのワンマン運転を開始することにより車掌を大幅に減らす。これにより門司車掌区で29人、博多車掌区で21人、大分乗務センターで27人、熊本乗務センターで27人、長崎乗務センターおよび佐世保乗務センター合わせて10人と約100人の車掌を削減する

この人員整理により長崎乗務センターと佐世保乗務センターを統合し、長崎総合乗務センターに置き換えるほか、長崎支社・熊本支社・大分支社の在来線車掌を廃止する。この約100人の一斉退職が定年退職と新規採用抑制だけでできるはずもなく、希望退職を退職金300万円で募っている

JR東日本のように毎年徐々にワンマン運転を広げてゆけば新卒採用を減らすだけで人員整理ができるためすでに働いてる社員に依願退職を願うことが少なくて済むが、4年分のワンマン運転拡大を一度に急に行ったJR九州ではかえって退職一時金を用意する羽目になっている(しかも一時金300万円としており、小額)。おいおい、急ぎ過ぎたせいでいろいろなものをかえって損していないかJR九州


4. 結び

今回の2022年9月23日JR九州ダイヤ改正では、多くの車両に車外カメラを設置することで管内の広い範囲にわたりワンマン運転を大きく拡大するほか、長崎・熊本・鹿児島の3支社で車掌を廃止することとなった。

今後JR九州でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. 銀水に快速止めろ より:

    普通列車における車掌の重要性は20世紀まででした。
    大都市圏の通勤電車では自動放送とディスプレイによる案内が当たり前で、車掌の役目はドアの開閉作業と異常時の対応が中心で、ホームドアの整備が終了すれば完全ワンマンでしょう。
     九州では旅客案内は大都市圏基準に達しておらず整備途上の真っ最中。YC1系が辛うじて基準に達しているかの状況で3地区の完全ワンマンは勇み足だったと思います。ただ経営のことを考えると一定の理解はします。

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