新駅設置で今度こそ新快速茨木停車か JR京都線ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

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JR西日本は8月8日、プレスリリースにて2018年3月にJR総持寺駅を開業すると公表した( JR京都線、摂津富田~茨木駅間新駅の駅名決定について )。今回はこれについて見ていく。

同日実施予定の紀勢本線とおおさか東線ダイヤ改正についてはこちら!

1. 私鉄への刺客となる新駅設置

今回2018年3月JR西日本ダイヤ改正では、JR京都線茨木〜摂津富田間にJR総持寺駅が開業する。このJR総持寺駅は普通電車のみ停車の予定で、阪急総持寺駅と近いところに設けられる。

2016年3月26日に開業したJR神戸線摩耶駅が阪神大石駅をターゲットに作られているのと同様、かつての関西私鉄王国を総崩しにしようとする作戦である。何よりJR京都線やJR神戸線の普通電車が終日乗り入れるエリアでは、概ね隣駅となる3kmまで120円と関西大手私鉄の相場150円より格安で、なおかつ関西大手私鉄は各駅停車しか停まらない駅はキタで昼間毎時6本だが、JR京都線やJR神戸線では昼間でも毎時8本来る。地元としても大手私鉄より利便性が高くなるのだ。

現在梅田から阪急総持寺は茨木市での特急接続で19分270円であるが、大阪駅からJR総持寺まではひたすら普通電車を使って19分260円となる見込みだ。JRは距離で運賃を計算すると300円になるのだが、大阪〜高槻間で特定運賃が設定されていることで安値となっている。これも阪急と国鉄大阪鉄道管理局との長年にわたる競合の末のもので、今回もそれが生きている。定期券に関しては阪急が通勤定期1ヶ月1万0200円なのに対しJRは7780円と2420円も安い。3ヶ月、6ヶ月と長期になればなるほどJRの方が割引率が上がるのでなお一層割安だ。なお、定期券に関しては特定運賃がなかったとしても電車特定区間の距離別運賃でも通勤1ヶ月9070円と阪急より1000円程安くなるので、大阪方面は完全にJR優位と言えよう。

ただし京都方面はどうだろう。JR京都発着と阪急烏丸発着で比較すると、JRは20分程度で普通運賃460円に対し、阪急は25分程度で320円だ。定期券で比べてもJRは通勤1ヶ月1万3940円に対し阪急は通勤1ヶ月1万2090円と割安だ。通勤6ヶ月定期でも差はほとんど変わらず、所要時間ではやや劣勢ながらも特に京都市北部からの利用の場合阪急が優位のようだ。




2. 新快速今度こそ茨木停車か

また今回注目すべきは、茨木への新快速停車が成されるかどうかである。

2014年にはJR西日本は近隣の開発(大学誘致やスタジアム建設など)で需要が伸びると思われ、2年〜3年後に検討するとした。しかし、吹田スタジアムの需要は大阪モノレール経由阪急・地下鉄乗り継ぎにかなわず、立命館大学大阪いばらきキャンパスができ、乗車人員も5%程度増えたものの乗車人員が5万人/日に達していない。茨木に関しては大阪駅から快速で2駅と好立地で各駅停車も一部尼崎乗り換えとなるJR神戸線とは違い昼間も平日夕ラッシュ時も毎時8本直通で確保されているなどかなり厚遇だ。2016年3月26日のダイヤ改正で高槻駅が4面6線化され、新快速の余裕時分が増えた一方で高槻駅での新快速から普通電車への対面乗り換えが叶わなくなり利便性が低下したものの茨木駅の需要が伸び悩んだことから停車が見送られた。となると、新快速の茨木停車も難しいのではないだろうか。




3. 昼間特割きっぷの廃止はいかに

1983年より国鉄総局による運賃値上げに対抗して当時の国鉄大阪鉄道管理局が独自に設定した企画乗車券「昼間特割きっぷ」が2018年9月30日の発売を以て廃止されることが決まった。これは金券ショップのバラ券販売を抑制しようとしたもので、2015年10月1日より12枚綴りから6枚綴りに変更したのもその一因である。JR西日本では今後ICOCAにポイントサービスを付与することで検討しているようだが、昼間特割きっぷの代替だとするとJR京都線・JR神戸線・JR宝塚線の3線方面のみの設定となりそうだ。

また前例としてPASMOのバス得やPASPYのPASPY割引、伊予鉄道のICい~カードなどがあるが、いずれも回数券の代替として発売されたバスカードの代替としているものの、実質割引率は下がる傾向にある。PASMOの場合には1ヶ月の中で1000円単位にならないとバス共通カード相当分の割引がもらえなかったり、PASPYでは普通運賃から10%割引し、10円単位で切り上げることにより、1000円単位や100円単位での割引率は変わらないものの端数使用時の割引率を下げている。また伊予鉄道ICい~カードの場合は普通運賃から10%割引し、10円単位で四捨五入のためほぼバスカード時代の割引率と変わらなかったのであるが、ポイント制に移行し割引率は2%~3%と大幅に引き下げられてしまった。ICOCAのポイントサービスも阪和線や大和路線に広がる可能性は否定できないが、現在の昼間特割きっぷより割引率が下がるのは致し方ないのであろう。


4. 結び

今回2018年3月のJR西日本ダイヤ改正では、JR京都線にJR総持寺駅が開業することによりさらに競争力を高めようとしている一方、国鉄大阪鉄道管理局時代から続いた昼間特割きっぷは2018年9月を以て35年の歴史に幕を閉じることとなった。2019年にはおおさか東線の新大阪乗り入れが開始されることから、JR京都線や新快速にどのような影響が出るのか楽しみにしたい。

コメント

  1. ダイヤ予測好き より:

    昼間特割の廃止は致したかないけど、カネにうるさい関西ではポイント還元は馴染まないと思う。
    新快速は昼間でも混雑が激しく、一部の駅における普通との相互接続を取り止めていることから、新快速一極集中を避けたい思惑もあるかと。また、車両運用の効率化も睨んでるだろう(特に新快速の滋賀県内で)。
    ここで頑張ってほしいのは競合する私鉄。特に阪急神戸線にはまだ逆転の余地が残っているので

  2. たー より:

    阪急の場合は回数券が充実しているので、普通運賃でまともに利用する客の割合は低いのではないか?
    また、四条烏丸に行くのにJRは使う人は少ないし、京都駅に行くのに阪急を使う人も少ないだろう。あまり京都市内に関しては比較の対象にはならないように思う。

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