【検証】2023年台風7号および大雨による東海道山陽新幹線の運休は正しかったのか(2023年8月)

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【検証】2023年台風7号および大雨による東海道山陽新幹線の運休は正しかったのか(2023年8月)

8月15日までの台風接近に伴う運休

東海道新幹線を運営するJR東海では、当初関東・東京直撃コースだったため8月11日の時点で8月13日〜16日の間に計画運休を行う予定があると公表した。もっとも8月13日はまず運休にならないだろうと言われていたが、これはお盆休みに行っても帰って来れなくリスクがあるからキャンセル手数料を無料にするからお盆休みに新幹線を使うなという意味を暗に含んでいた

その後台風の進路が西にそれ東京直撃から大阪直撃に変わったため東海道新幹線のみならず直通する山陽新幹線でも計画運休を行うと公表。

結果的に8月15日は名古屋〜新大阪〜岡山間で終日運転見合わせ、東京〜名古屋間と岡山〜博多〜鹿児島中央間で折り返し運転を行うこととした。

東京〜名古屋間は最速達の「のぞみ」を毎時4本、全駅停車の「こだま」を毎時2本運転(うち毎時1本は東京〜浜松間折り返し運転)、普通車全車自由席で運転した。

また岡山〜博多間は全駅停車の「こだま」および「ひかり」は原則全定期列車を運転、「のぞみ」は毎時1本に減便運行、九州新幹線直通「みずほ」「さくら」は広島〜博多〜鹿児島中央間でほぼ全数が運転した。

また福山と新山口に毎時1本程度臨時停車させることで両駅はいつも通り速達列車毎時1本と全駅停車の「こだま」毎時1本の合計毎時2本の乗車チャンスを確保した。

このように事前に計画運休をする日程が決まっていたため、あらかじめ臨時ダイヤを構築することができた。また不通区間以外での大きな混乱はなかった。

よって8月15日の計画運休実施までは非の打ちどころがないほど完璧でした




8月16日の静岡県内大雨による全線運休

一方、翌日8月16日は当初、東海道新幹線・山陽新幹線ともに始発から平常運転を行う予定でした。もっとも大気の状態は不安定だったため、運転見合わせの可能性はあるとしていましたが。

その嫌な予感は的中、8時30分ごろ東海道新幹線三島〜静岡間で大雨により運転見合わせ、またたく間に東海道新幹線のみならず山陽新幹線も含め東京〜博多間の全線で運転を見合わせたのです

その後12時29分に山陽新幹線新大阪〜博多間が、14時10分に東海道新幹線東京〜新大阪間が運転再開しましたが、大幅なダイヤ乱れにより終日に渡り新大阪で折り返し運転、東京・名古屋から岡山・広島・博多方面へは直通列車はなく新大阪での乗り換えが必須となりました。

もっとも静岡県内は運転するわけにいきませんから、運転見合わせ区間が発生するのは仕方ありません。

ただ、静岡県内の大雨で九州の福岡県まで新幹線を全て止める必要はあったのでしょうか?




そもそもなぜ静岡県の大雨で東京〜新大阪〜博多間の全区間が運転を見合わせることとなったのでしょうか。それは、列車本数が少ないことにより列車内で混雑することを防ぐためです。

もっとも、通常期なら減便してでも運転を再開したでしょうが、8月16日は帰省ラッシュ真っ只中、毎時12本ダイヤにしても満席御礼状態でした。

ただ、列車を完全に止めてしまったことにより東海道山陽新幹線の「のぞみ」停車駅を中心に駅構内で大混雑となった。特に新大阪では広島・博多方面に向かう旅客も多かったこと、博多や広島では新大阪や名古屋までしか行かない人も多数いたため、かえって駅が混み合いすぎて危険な状態になったのです。

東海道山陽九州新幹線の列車指令は東京で行い、事実上JR東海が新幹線の運転指令を仕切っています。

よって、静岡の大雨で他社線であるJR西日本の山陽新幹線の運転見合わせをさせたのは、事実上JR東海の指令長です。書面上はJR西日本の指令長にはなりますが、実質指揮権はJR東海にあるので。

とはいえ、新幹線を含む特急列車は遅延が2時間を超えると特急券が払い戻し対象になります。運賃部分は残りますが運賃と料金の3割程度を払い戻さなくてはならなくなるわけです。山陽新幹線を3時間運転見合わせにしたのはJR西日本からしたら相当な痛手です。

このためJR西日本はJR東海の山陽新幹線運転見合わせ判断を破りJR西日本は山陽新幹線を自社判断で12時29分に運転再開させると、勝手に運転再開させたJR東海は怒り心頭でその日の山陽新幹線との直通運転を一切取りやめることとしたのです。

8月16日の一件で自社のJR東海のみならずJR西日本の山陽新幹線まで運転見合わせにし、かつ山陽新幹線を含む駅構内で危険なほど混雑させ、その日一日中東海道と山陽新幹線との直通運転を取りやめ全便新大阪で乗り換えさせるというとんでもない失態をおかしています。おそらくJR東海の運転指令長は更迭・左遷、事実上の諭旨解雇となっていてもおかしくないでしょう。自社のみならず他社にも明らかに迷惑をかけたわけですから。

なおその次の日8月17日も8月16日運行残し分の運転から始めたため最大で2時間30分程度の遅延が発生したほか線路容量が足りず約1時間30分運転を見合わせています。




根本的な解決策

もっとも大雨の規制値を超える中無理に運転するのは良くありません。運転見合わせ区間が多少生じるのは致した無いことです。

そこで、抜本的な解決策として3つ紹介します。

リニア中央新幹線の開業

根本的な解決方法の1つはリニア中央新幹線の全線開業です。

リニア中央新幹線は東京の品川駅から名古屋駅を経て新大阪駅まで結ぶ路線で、品川〜名古屋間は最速で2027年、名古屋〜新大阪間は最速で2038年に開業するとしています。東京名古屋大阪の三大都市は大深度地下トンネルのほか、地上や高架部も全面覆いでかぶせるので雨風に無敵です。

川勝平太(最近の言動を見るにおそらく認知症レベルに脳機能が落ちている)がどうだという意見もあるかと思いますが、もし平常通り工事が進んでもリニア中央新幹線は2027年度にしか開業しませんし、静岡県以外の工区でも事故により工事が一時全ストップしており、対策作業も含め工程が増え、工期も伸びることでしょう。

そう考えると、2023年8月に解決できる問題では到底なく、今後リニア中央新幹線の開業を推進するべきだという気運を高めましょうとは言えますが、今回の問題解決にはどうやっても間に合わなかったわけですからリニア中央新幹線の未開業のせいとするのはいかがなものかと思います。




北陸新幹線の早期延伸

2つ目は北陸新幹線の早期延伸です。

北陸新幹線は2024年3月に金沢~敦賀間が延伸開業予定ですが、本来の計画では2023年3月に開業しているはずでした。もし敦賀まで延伸していたら京都・大阪からのアクセスが良くなりますのでより利便性が高かったことでしょう。

ただ、8月16日のJR西日本在来線の運転状況を見ると、午前中は滋賀県内大雨により北陸本線米原~敦賀間と湖西線和邇~敦賀間は運休となっていました。もっとも午後には動き出したので東海道新幹線より早く動き出しましたが、それでも3時間ほどしか早く走りだしませんでした。

また当日は8月16日で帰省ラッシュによる混雑が激しく、北陸新幹線自体も満席御礼状態でした。ないよりマシではありますが、今回の場合北陸新幹線がもし敦賀まで延伸していたとしても東海道新幹線の有効な代替手段として機能できたかは疑問です。

もっとも北陸新幹線は敦賀延伸のみならず新大阪までの全線開業を行うことで、今回のように静岡県内での大雨による東海道新幹線運休では代替輸送手段として大いに役立ちます。北陸新幹線の新大阪延伸も一刻も早く行うべきでしょう。




名古屋と新大阪での折り返し増強

とはいえ、リニア中央新幹線や北陸新幹線の全線開業は東海道新幹線の代替の話です。東海道新幹線の運転見合わせを山陽新幹線に波及しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

そもそも、東海道新幹線は名古屋で西側に折り返すことはできないのでしょうか?リニア中央新幹線が品川~名古屋間部分開業状態が最低11年続くとされますが、リニア中央新幹線連絡の名古屋~博多間の新幹線運転は想定していないということでしょうか?

今後のことを考えても東海道新幹線を名古屋で西に折り返せるようにした方がいいかとは思いますが、その投資はしないのでしょうか。

また、JR東海では2019年までに新大阪駅の折り返し設備を大幅に改良、西側の引上げ線を2線から4線に増設したほか山陽新幹線新大阪駅20番線折り返し列車を新大阪駅手前4kmで下り線に進入させ逆走させるところを、西側引上げ線ぎりぎりまで上り線を走行させるように分岐器を設置することで山陽新幹線のダイヤの柔軟性向上と折り返し設備強化を図りました。20番線~23番線までの4線を使えば運用上新大阪で山陽新幹線の列車を毎時6本程度は折り返させることはできたはずなのです。

というかそうしないとリニア中央新幹線全線開業時にリニア中央新幹線と山陽新幹線を新大阪で乗り換えさせることになるので、新大阪折り返しで山陽新幹線を機能させる必要が生じます。今回の静岡県内大雨による山陽新幹線新大阪~博多間運転見合わせは将来のことを全く考えていない稚拙な低レベルな思考による判断と言わざるを得ません

そう考えると今回の静岡県内大雨による山陽新幹線新大阪~博多間の約3時間にわたる運転見合わせは明らかにJR東海の故意によるものですし、博多→新大阪間利用者の特急料金払戻額相当分についてJR西日本はJR東海から補填を受けるべきであるかと思います。


結び

JR東海では東亜気道新幹線の運休について、8月15日の大阪台風直撃時には完璧ともいえるほどの対策をとりました。

一方8月16日の静岡県内大雨に伴う運転見合わせを山陽新幹線博多までの「のぞみ」全区間で行ったことはかえって混乱をきたし、翌日になっても2時間以上の遅延が残る、1時間半程度運転を見合わせるなどの最悪な対応となりました。

リニア中央新幹線の開業を控える中、JR東海には非常時の対応をきちんと行ってほしいものです。

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