恐れていた!たった1年3か月での白紙改正宣言! 相模鉄道ダイヤ改正(2021年3月13日)

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恐れていた!終日の白紙改正宣言! 相模鉄道ダイヤ改正(2021年3月13日)

相模鉄道は2021年2月2日、プレスリリースにて3月13日にダイヤ改正を行うと公表した( 3月13日(土)相鉄線のダイヤ改正を実施 )。今回はこれについて見ていく。

2021年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 白紙改正からたった1年3か月で再びの白紙改正へ!

今回の2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正では、相鉄JR直通線を開業した2019年11月30日相模鉄道ダイヤ改正以来約1年2か月半ぶりにダイヤ改正を行う。

今回のダイヤ改正を相模鉄道は「相鉄・JR直通線の開業後、初の大幅なダイヤ改正」としているが、ダイヤ改正規模を見ると種別新設を除いては前回のダイヤ改正と同規模、いや昼間の改正規模を踏まえるとそれ以上と言っても過言ではないほどの白紙改正となっている。

まあ1年おきくらいにダイヤ改正を行う路線は多いのでダイヤ改正の頻度としては普通なのだが、大規模なダイヤ改正を行った後は2~3年程度は小幅な修正にとどまることが多い。しかし今回の2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正は前回の大規模なダイヤ改正からたった1年3か月で全部ひっくり返している、というか2023年予定の東急新横浜線との直通運転でまた大規模なダイヤ改正を行うはずであるにも関わらず今回終電繰り上げ以外のダイヤ改正を大規模に行ったのは、もはや狂気の沙汰としか言いようがない。そんなに焦って行う今回の2021年3月13日ダイヤ改正ではどのように変化するのか見ていこう。




2. 平日朝ラッシュ時の本線特急拡大へ!

今回の2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時に海老名発の横浜先着列車を増やす。

今回のダイヤ改正では海老名7時31分発各駅停車横浜行きと海老名7時46分発各駅停車横浜行きの2本を特急に格上げする。これにより平日朝ラッシュ時に最短15分間隔で横浜行き特急を設定することとなった。

このほか海老名6時17分発通勤急行横浜行きと海老名6時35分発通勤急行横浜行きを急行に格上げしたほか、海老名6時52分発急行横浜行きを海老名6時49分発通勤急行横浜行きに格下げした。これにより大和6時30分~8時10分発の二俣川・横浜・新宿方面の電車は全て特急または急行(1本のみ通勤急行)で運転することとなった。

ただそもそも本線二俣川~大和~海老名間の平日朝ラッシュ時に各駅停車横浜行きを設定した前回の2019年11月30日ダイヤ改正の方がよほど問題だったわけで、あるべき姿に戻っただけなのである。

なおいずみ野線では平日朝ラッシュ時は毎時12本のまま変わらないが、本線各駅停車が減る分通勤特急毎時4本は各駅停車に格下げすることとなった。なお通勤特急はオフピークに移りながらも1日4本運転は死守している(もっとも運用数を増やさないためにその分本線各駅停車を減らしたのだが)。たった1年3か月で運転を終了したら完全に失敗作であることを認めざるを得なくなるし、また費用をかけて種別数変更するほどのことでもない。まあ2023年までに実施予定の東急新横浜線との直通運転開始に伴うダイヤ改正ではいずみ野線通勤特急の平日朝ラッシュ時の復活可能性は高いので、それまでオフピークでくすぶらせることにしたのだろう。

このほか今回のダイヤ改正では相鉄JR直通線の一部列車で行先変更を行い、朝の赤羽行き1本と新宿行き2本を池袋行きに変更する。どうやら新宿での折り返しが面倒なため池袋に入庫させることにしたようだ。

また朝に羽沢横浜国大発西谷行きを増発する。今回増発するのは羽沢横浜国大6時42分発西谷行き1本で、平日はさらに羽沢横浜国大7時02分発西谷行きを増発し羽沢横浜国大7時07分発各駅停車海老名行きを羽沢横浜国大7時22分発に15分繰り下げる。これにより平日朝は羽沢横浜国大から20分間隔で列車が出発する。なお初電に変更はない。




3. 昼間の減便で急行消滅へ

今回の2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正では、平日・土休日ともに昼間の減便を行う。

2020年時点では横浜発の昼間の運転本数は海老名行き速達毎時6本(特急毎時3本、急行毎時2本、快速毎時1本)、いずみ野線湘南台行き快速毎時2本、各駅停車毎時6本(海老名行き毎時2本、湘南台行き毎時4本)の合計毎時14本となっている。

しかし今回の2021年3月13日ダイヤ改正からは海老名行き速達毎時6本(特急毎時2本、快速毎時4本)、いずみ野線湘南台行き各駅停車毎時6本の合計毎時12本に削減し、輸送力が14.3%落ちることとなった。

これにより相鉄の昼間から急行が消えることとなったほか、昼間のいずみ野線快速を全廃することとなった。なお救済として昼間の相鉄JR直通線は毎時1本あった特急運転を取りやめ、毎時2本とも相鉄線内各駅停車で運転し西谷で横浜発着特急と連絡する。

これにより昼夕輸送力比は77.8%から66.7%に変化するほか、昼間は2運用削減するようだ。

まあ二俣川~海老名間の昼間毎時10本運転は明らかに過剰だったし(しかもうち毎時4本が特急)、車内に空席が目立つ相鉄JR直通線を極力混雑分散のために活かしたいというのもわかる。また減便したとはいえ本線速達列車の本数が変わっていないし特急の快速格下げにより特急通過駅の三ツ境や瀬谷に向かう横浜からの速達先着列車は毎時3本から毎時4本に増えたほか、いずみ野線快速廃止による停車駅救済として急行を快速に格下げたということなら極力利便性の低下をせずにうまく減便を行えたと言えよう。ただ、昼間の本線特急は二俣川で横浜始発の各駅停車海老名行きに連絡していたところを西谷で新宿方面からの各駅停車海老名行きに連絡に変更したことから特急利用で鶴ヶ峰にも先着できるようになったことを考えると、昼間のダイヤ改正で一番得したのは鶴ヶ峰のようだ。




4. 平日夕ラッシュ時の種別格上げへ!

今回の2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時にも大規模なダイヤ改正を行う。

2020年時点では平日夕ラッシュ時は本線海老名行き急行毎時6本、いずみ野線湘南台行き快速毎時3本、各駅停車毎時9本(海老名行き毎時3本、湘南台行き毎時6本)の合計毎時18本となっている。

しかし今回のダイヤ改正では湘南台行き各駅停車を海老名行き快速に置き換え、海老名行き速達毎時9本(急行毎時6本、快速毎時3本)、いずみ野線湘南台行き快速毎時3本、各駅停車毎時6本(海老名行き毎時3本、湘南台行き毎時3本)の合計毎時18本に再編する。なお平日夕ラッシュ時の相鉄JR直通線は毎時3本とも相鉄線内特急運転に変わりはない。

これにより横浜から本線方面への速達列車が増えることとなったのだが、そもそも前回2019年11月30日ダイヤ改正で横浜から三ツ境・瀬谷・大和・海老名方面に向かう直通速達列車が平日夕ラッシュ時に先着毎時6本に減っていたことの方が大問題で、今回のダイヤ改正で2019年11月30日ダイヤ改正以前の先着毎時9本に戻り、またかつてのように快速湘南台行きが二俣川で本線各駅停車に接続して合計毎時12本の利用チャンスがあるように戻すだけなのである。

ただ横浜~二俣川間の運転本数は変えないので、平日夕ラッシュ時の各駅停車は毎時9本から毎時6本に、いずみ野線は毎時9本から毎時6本にそれぞれ減便する。しかも平日夕ラッシュ時の8両運用をやたら増やし、各駅停車に集中投入するのである。




まあ横浜~二俣川間の各駅停車は平日朝ラッシュ時ですら毎時8本しか運転がないのに星川停車の快速運転がある平日夕ラッシュ時に毎時9本も運転がある方がおかしいので毎時6本への減便はうなづけるのだが、もういずみ野線が昼間のみならず平日夕ラッシュ時も毎時6本しか来なくなるとすると、相鉄JR直通線のみならず東急直通列車もいずみ野線に直通しないのではないだろうかとさえ考えてしまう。

このほか横浜21時台発は2020年時点では海老名行き速達毎時5本(急行毎時3本、快速毎時2本)、いずみ野線湘南台行き快速毎時2本、各駅停車毎時6本(海老名行き毎時2本、湘南台行き毎時4本)だったが、2021年3月13日ダイヤ改正以降は土休日夕ラッシュ時同様海老名行き速達毎時6本(急行毎時3本、快速毎時3本)、いずみ野線湘南台行き各駅停車毎時6本の20分サイクルダイヤに再編することとなった。

なお平日22時以降は平日ダイヤを土休日ダイヤに合わせるだけである。このことから、横浜平日22時台発は毎時12本(本線快速及び急行合わせて毎時6本といずみ野線各停毎時6本)から毎時10本(本線快速及び急行合わせて毎時5本といずみ野線各停毎時5本)に減るだけだし、横浜平日23時台も毎時12本(本線快速及び急行合わせて毎時6本といずみ野線各停毎時6本)から毎時8本(本線快速及び急行合わせて毎時4本といずみ野線各停毎時4本)に減るだけだ。このほか15分~20分程度の終電繰り上げも行う。

ここまで2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正について見てきたが、昼間と平日22時以降はこのご時世で利用客が大幅に減ったのを受けて需給バランスを取るために減便したのだろうが、平日朝夕ラッシュ時は前回2019年11月30日ダイヤ改正での構造上の欠陥を補修するために大規模なダイヤ改正を行ったのだろう。ただ、そもそも前回の2019年11月30日ダイヤ改正がうまく組めていれば多少の調整ですんでいたはずだったのに、前回のダイヤ改正自体が素人に叩かれるほど欠陥だらけだったために何度も白紙改正を行わなくてはならないのである。そもそもこんなのになったのは2014年4月27日ダイヤ改正での特急設定以降なのだが、昔みたいに急行・快速・各駅停車の3本立てならそもそもこんなひどいことにはならなかっただろうに。


5. 結び

今回の2021年3月13日相模鉄道ダイヤ改正では、平日朝夕ラッシュ時には速達列車を増やし昼間や深夜時間帯の減便を図ることでたった1年3か月で終日に渡り全面的にダイヤ改正を行うこととなった。

今後東急新横浜線との直通運転開始に向け相模鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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