新ライナー設定はしもつけ廃止のカウントダウンか! 東武鉄道・東京メトロ日比谷線ダイヤ改正予測(2020年6月6日予定)

東武鉄道は2019年12月19日、プレスリリースにて2020年6月6日にダイヤ改正を実施し地下鉄日比谷線と直通運転を行う座席指定制列車「THライナー」の運転を開始すると公表した( 2020年6月6日(土) 東武鉄道・東京メトロダイヤ改正東武線・日比谷線相互直通列車に初の座席指定制列車「THライナー」が誕生! )。今回はこれについて見ていく。

2020年3月14日ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 地下鉄直通座席指定制列車さらに増加へ!

今回の2020年6月6日東武鉄道及び東京メトロ日比谷線ダイヤ改正では、新しい座席指定制列車「THライナー」を新設する。

今回設定する「THライナー」は東武伊勢崎線久喜~東京メトロ日比谷線霞ケ関・恵比寿間で運転する。そもそも地下鉄日比谷線直通列車が東武線内で速達運転を行うのは1964年の直通開始以降56年の歴史の中で初めてである。これにより北越谷~西新井間は地下鉄日比谷線直通列車史上初の急行線を運転するものと思われる。これで西新井~北千住間を運転中に特急だけならまだしも、急行・区間急行に抜かわれたら笑いものだは…

また地下鉄日比谷線直通列車の久喜乗り入れは今回が初めてだが、70090系の配置が南栗橋や新栃木ではなく北春日部のため、特急「きりふり283号」のように南栗橋発着で設定する必要はなかったようだ。

ただ、東武鉄道では伊勢崎線より日光線沿線の宅地開発を進めており(もっとも今一番推しているのは野田線沿線なのだが)、南栗橋には車庫を作ったついでに住宅団地を造成して今でも分譲中なほか、杉戸高野台は特急「けごん」などを停車させるなどしている(間の利用の多い幸手が粗末に扱われているのは気のせいだろうか…)。そう考えると、東武鉄道があまり手をつけなくても既成住宅地が建っている和戸や久喜に列車を走らせたって不動産的には余り儲からないはずだ。

ではなぜ久喜発着で設定したのか。その理由は1つ。JR宇都宮線沿線からの利用を取り込もうとしているからではないだろうか

そもそも久喜は伊勢崎線東武動物公園以北で一番利用者数の多い駅なのだが、駅周辺の利用も多い一方乗り換え利用がかなり多い。国鉄も当初東北新幹線の停車駅として設定しようとしたほどだ。

ただ乗り換えも大宮~伊勢崎線久喜以北が多く、JR宇都宮線久喜以北から東武伊勢崎線久喜以南への利用は少ない。だってJR宇都宮線を利用すれば上野や東京に直通で行けるし、湘南新宿ラインに乗れば池袋や新宿にだって行けるんだもの。

そう考えると、いかにJR宇都宮線利用客を久喜から東武に乗せるか。東武鉄道では2006年3月18日ダイヤ改正で地下鉄半蔵門線直通列車の一部を久喜始発として設定したが、当駅始発の設定で座れるようになり混雑も緩和するようになったものの利用はあまり伸びず減便してしまった。

JR宇都宮線も「ホームライナー古河」を運転していたが、2014年3月15日に廃止してしまった。座席指定制列車のニーズもあるはずだ。

そう考えると、あえて南栗橋始発ではなく久喜始発の座席指定制列車を上野や秋葉原、銀座に直通させることによって利用を伸ばそうとしているのではないだろうか。

また今回の直通先は地下鉄半蔵門線ではなく地下鉄日比谷線直通とした。そもそも地下鉄半蔵門線に直通させると鷺沼までろくに折り返せる場所がないのは難点という問題もあるが、このほかに北千住から東京都心方面へは地下鉄千代田線が最短ルートとなることから、地下鉄千代田線に混雑が集中してしまうことが東京メトロの懸念の材料となっていた。そこで東武線から日比谷線に直通する座席指定制列車を導入することにより、列車密度的にも混雑率的にも比較的空いている地下鉄日比谷線を利用してもらい、地下鉄千代田線の混雑緩和を目指そうとしているのではないだろうか。

なお車両は70090系を新たに新製し7両編成での運転となる。東武東上線「TJライナー」をはじめ様々な座席指定制列車が10両編成で運転する中短いと思うかもしれないが、東武特急スペーシア、りょうもう、Revatyが軒並み6両編成であることを考えると7両編成は決して短くない。

またダイヤについて見ていくと、運転時間帯は平日は朝の上り列車は久喜6時台発及び8時台発のオフピーク時に計2本、夜間の下り列車は霞ケ関18時台~22時台発に計5本運転するとしている。この運転時間帯は地下鉄有楽町線「S-TRAIN」の所沢発及び豊洲発の列車設定と全く同一である。

ただ地下鉄有楽町線「S-TRAIN」と異なるのは、土休日も同一経路で運転するということだ。下り列車であれば東上線「TJライナー」を土休日に行っているため東武鉄道としても実施したことがあるが、土休日は上り池袋行きの東上線「TJライナー」の運転はない。久喜8時台発と9時台発に設定するとしているが、どれくらい需要があるのか見ものだ。

2. 「THライナー」の停車駅はどうなる

今回の2020年6月6日東武鉄道及び東京メトロ日比谷線ダイヤ改正で設定する「THライナー」の停車駅はどのように設定するのだろうか。

今回新設する「THライナー」の停車駅は久喜を出ると東武動物公園、春日部、せんげん台、新越谷、上野、秋葉原、茅場町、銀座、霞ケ関~恵比寿の各駅となっている。山手線や京浜東北線と乗り換えられる上野に停車し上野東京ラインのホームを設置しなかった秋葉原に停車させることにより利用の幅を広げようとしているのだろう。

1997年の北千住駅日比谷線ホームの3階への分離が行われるまで特急列車は北千住全通過であったことを考えると、北千住通過は不思議なことではない。むしろ北千住を通過とすることで新越谷に停められるようになったと考えてもいいかもしれない。ただ、東武本線で北千住に次いで2番目に利用の多い新越谷に停車しておいて7両編成で足りるのかという不安はある。

なお春日部と東武動物公園の両方に停車する座席指定制列車が浅草20時00分発「リバティけごん・りょうもう47号」しかなく、特急「きりふり283号」南栗橋行きも2017年4月21日ダイヤ改正で廃止となってしまった。特急ではないから問題ないという判断なのだろう。ただこれらの停車駅設定からするに、かつての準急(現在の区間急行)並みに停車駅が増えてしまったような気もして、特急ではないとはいえ停車駅を多く設定してしまった感は否めない。

なお朝の東京都心方面は恵比寿行きとして運転するが、夜の久喜行きは霞ケ関始発で運転する。東武特急「スカイツリーライナー」や「アーバンパークライナー」の下り列車(春日部・野田線方面)がせんげん台から先通過駅があってもフリー乗降制なのだから、「THライナー」も朝の恵比寿行きは上野から先フリー乗降制にしてもいいはずなのだが。

あと気になるのは、なぜ地下鉄日比谷線直通なのに中目黒行きではない。東武的日比谷線直通列車の永遠の終点中目黒であれば「THライナー」停車駅の利用者であればほぼ全ての人が知っているわけで、逆に久喜以外で知らない人がいたら完全ににわかである。しかも中目黒まで延長して運転すれば対面乗り換えで東急東横線に連絡でき横浜方面に向かうことができることから、利便性も相当高いはずだ。

ただ考えられるとすれば中目黒は歴史上の経緯により東急電鉄が管轄する駅であることから、座席指定制列車を設定して乗り入れる場合中目黒着の券につては一部を東急に支払わなくてはならない可能性がある。それを防ぐために恵比寿止めにして東京メトロが収益を確保しようとしたのではないだろうか。




3. 「THライナー」の料金はどうなる

今回の2020年6月6日東武鉄道及び東京メトロ日比谷線ダイヤ改正で設定する「THライナー」の料金はどのように設定するのだろうか。

料金は、東京メトロ区間は単独の利用はできないが、小田急ロマンスカーや西武S-TRAINの東京メトロ線内料金が210円であることを考えるとTHライナーも210円で設定する可能性が極めて高い。

また東武特急「スペーシア」の北千住~春日部間の特急料金が520円であることを考えると、「THライナー」の東武線内料金を310円~320円で設定して東武特急「スペーシア」とほぼ同額で設定するとは考えにくく、おそらく特急「スカイツリーライナー」と同額の420円または東武東上線「TJライナー」の下り列車(小川町方面)と同額の370円で設定する可能性が高い。むしろ東武東上線「TJライナー」やある意味東武特急「スカイツリーライナー」同様、朝だけ100円程度値上げして設定する可能性もある。そう考えると、今回のダイヤ改正で新設する「THライナー」の料金は、580円~730円の間で設定してきそうだ。そう考えると地下鉄有楽町線直通「S-TRAIN」の510円より割高にはなりそうなほか、定期特急列車で唯一浅草~春日部間を特急料金320円で利用できる特急「しもつけ」がますます邪魔になりそうだ。

4. 東武特急の再編はあるのか

今回の2020年6月6日東武鉄道ダイヤ改正では、再び東武特急の再編は行われるのだろうか。

今回のダイヤ改正で新設する「THライナー」がJR宇都宮線から旅客を取ろうとすると(実はJR東日本は列車本数を削減できるのであながち反対ではないのかもしれないが)、「ホームライナー古河」のように古河からの利用を奪うのであればただ旅客を取るだけでいいのだが、小山を越え宇都宮からも「THライナー」に乗せようとすることだってできる。そう考えると、東武宇都宮線特急「しもつけ」を運転する意義が薄くなり、350系の老朽化を理由にして廃止する可能性もある。東武鉄道からすれば東武宇都宮線沿線からは新栃木連絡特急「けごん」を利用してもらった方が料金310円多く取れるのでもはや東武鉄道側の存続理由はない。そう考えると、今回の2020年6月6日ダイヤ改正で東武宇都宮線特急「しもつけ」が廃止になってもなんら不思議ではない。

あとは、1日1本だけ運転している「リバティりょうもう」館林行きも「THライナー」に置き換えられて廃止になってもいいような気もするが…

あとは今回のダイヤ改正では絶対に行われないが、伊勢崎線特急「りょうもう」のうち大田発着便を「THライナー」に置き換えていった方が利用が伸びるのではないだろうか。そもそも浅草や北千住なんて上野や東京駅に比べたら辺鄙なところにあるし、ビジネスライナーなんだから「けごん」「きぬ」の地下鉄直通よりはハードルが低いだろう(小田急ロマンスカーと対抗して日光線~地下鉄日比谷線特急として「メトロけごん」や「メトロきぬ」を新デラックスロマンスカー運転してもそれはそれで面白いし、ましてや東急東横線で運転している「S-TRAIN」西武秩父行きのように横浜から東武日光まで直通の座席指定制列車を運転しても良いが、多分滑って終わるし実現しない)。「THライナー」は7両編成のため足利市への乗り入れはホームの延長が必要になるが、館林までなら路線改良なしで入線できるし、館林~太田間の各駅は8両編成の列車交換も物理的には可能である。久喜まで運転している「THライナー」を館林や太田まで伸ばし車両老朽化が進んでいる200系「りょうもう」の置き換えを図ってもいいのではないだろうか。


5. 結び

今回の2020年6月6日東武鉄道及び東京メトロ日比谷線ダイヤ改正では、「THライナー」の新設を行う。

一方東武宇都宮線特急「しもつけ」や伊勢崎線特急「リバティりょうもう」を廃止する可能性も十分に考えられる。

今後東武鉄道でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。

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