JR四国は2025年9月4日、プレスリリースにて2025年内をもって岡山自由席トク割回数券を廃止すると公表した。またJR北海道は2026年3月にすべての特急列車を全車指定席とする見込みである。今回はこれから2026年3月JR各社特急列車ダイヤ改正について予測していく。
1. JR在来線特急の全車指定席化拡大へ!
今回の2026年3月14日JR旅客各社ダイヤ改正では、在来線特急の全車指定席化が進見込みだ。
そもそも在来線特急は国鉄→JR各社も私鉄各社も全車指定席が基本であった。なんなら私鉄特急は座席指定しないと特急料金を徴収してはならなかったため全車指定席にせざるを得なかった。
そんな中、日本国有鉄道では1972年3月15日のエル特急運転開始に合わせ一部列車を急行から格上げしたこともあり自由席を設置した。その後国鉄特急列車は自由席を設置することが一般化していった。
その後指定席は車掌携帯型簡易検索機で本人による座席利用か分かるようになり車内検札が省略できるようになったが、自由席は座席指定を必要としないことから検札が必須となっている。このため自由席の存在は鉄道事業者にとってかえって手間となっている。
また在来線特急料金と座席指定料金は料金改定するにあたり国土交通省宛てに紙一枚の届出さえすればよいので、運賃上限認可や新幹線特急料金認可のような煩雑な手続きを必要としない。このため在来線特急の値上げや全車指定席化は比較的容易にできる。
そこで2015年3月14日のJR東日本常磐線特急「ひたち」「ときわ」の全車指定席化を皮切りに在来線特急で全車指定席化を開始、2024年までにかなりの広がりを見せている。
2025年時点で自由席が残っているJR各社の在来線特急列車は以下の通り
- JR北海道:特急「カムイ」「ライラック」「オホーツク」「宗谷」「サロベツ」
- JR東日本:特急「つがる」「いなほ」「しらゆき」
- JR東海:特急「ふじかわ」「伊那路」「しなの」「南紀」「ひだ」
- JR西日本:特急「能登かがり火」「はるか」「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」
- JR四国:管内の特急列車ほぼすべて
- JR九州:管内の特急列車ほぼすべて
このように全国にあった自由席特急の半数程度がすでに全車指定席化しており、自由席が消滅している。
しかも東京近郊ではすべてのJR東日本在来線特急列車から、大阪近郊では関空特急「はるか」を除くすべてのJR西日本在来線特急列車から自由席が消滅している。もはや自由席の残っている特急列車は日本海側の列車ばかりだ。
そもそももともと在来線特急列車は全車指定席だったんだ、すべてのJR在来線特急が全車指定席になってもおかしくはない。
そうなると近い将来JR在来線特急列車が全車指定席になってもおかしくないのではないだろうか?
それでは2026年3月JR各社在来線特急で全車指定席化が行われるのか予測していこう!
2. JR北海道は全特急列車で全車指定席化へ!
今回の2026年3月JR北海道ダイヤ改正では、すべての特急列車で全車指定席化する見込みだ。
JR北海道では2024年3月16日ダイヤ改正で道南特急「北斗」「すずらん」と道東特急「おおぞら」「とかち」を全車指定席化していた。が旭川方面特急「カムイ」「ライラック」は北海道中央バスの高速バスとの競合の兼ね合いで全車指定席化していなかった。が、ネット予約えきねっとを使った割引商品を当日まで発売し札幌発着であれば多くの区間で自由席より安く指定席に乗れるようになっている。
また北海道新聞からも情報が出ていることもふまえると、2026年3月14日JR北海道ダイヤ改正で特急「カムイ」「ライラック」「オホーツク」「宗谷」「サロベツ」の全車指定化は確実と言えるだろう。
3. JR東日本も在来線特急の全車指定席化を完了か!
また今回の2026年3月JR東日本ダイヤ改正では、自社車両による在来線特急の全車指定席化を完成する可能性が高い。
JR東日本が運行する車両による自由席が残る在来線特急は特急「つがる」「いなほ」「しらゆき」の3つのみで、いずれも日本海側のみを走行している。どれの1日数往復しか運行がなく、乗る人はたいていどの列車に乗るか決めてから乗っている。そう考えると全車指定席化しても利便性に大きな影響はない。
またJR東日本では2025年7月1日より羽越本線特急「いなほ」のうち臨時列車を全車指定席化した。これは定期列車にも全車指定席化を広め自由席を廃止する布石ではないだろうか?
そう考えると特急「つがる」「いなほ」「しらゆき」も2026年3月JR東日本ダイヤ改正で全車指定席化し、自由席を廃止してもおかしくないだろう。
4. JR東海も在来線特急の全車指定席化を画策か!
またJR東海でも在来線特急列車の全車指定席化を図る可能性がある。
JR東海管内を走る特急列車は小田急電鉄60000系による特急「ふじさん」のほか、2021年3月13日からJR東日本E257系特急「踊り子」、2024年3月16日からJR西日本683系特急「しらさぎ」で全車指定席で運転し自由席を廃止した。このため他社車両による乗り入れ特急列車では全車指定席化がすすんでいる。
またJR東海の特急列車は基本的に運転本数が少ないため、列車を決めて乗ることが多い。また中央西線特急「しなの」を全車指定席とすればきっぷで買う場合JR東日本管内塩尻〜長野間も指定席特急券は全額車両を保有するJR東海の収入になる。このため2026年3月14日JR東日本運賃改定におけるシステム改修費3億9700万円のJR東海への請求への補償の一部としてJR東海が増収しうる特急「しなの」の全車指定席化を認めさせる可能性もある。
ただJR東海には最強の自由席連結列車がある。東海道新幹線「こだま」である。
16両中半分以上の9両以上を自由席とする東海道新幹線「こだま」は東海道本線に並行する特急列車として沿線住民に広く使われているほか、三島〜静岡、静岡〜浜松、豊橋〜名古屋で所要時間20分程度とかなり早く着けるのに特定特急券により在来線+990円で乗れてしまう超コスパを発揮している。東海道新幹線「こだま」自由席はかなり利便性が高いのだ。
このため東海道新幹線「こだま」を全車指定席にしない限りJR東海管内の在来線特急を全車指定席にするのは難しいという向きもある。
5. JR西日本も特急全車指定席化完了なるか!
またJR西日本でも在来線特急列車の全車指定席化を図る可能性がある。
そもそもJR西日本は2022年3月12日ダイヤ改正より順次特急列車の全車指定席化を進めてきた。残る自由席のある特急は「能登かがり火」「はるか」「スーパーまつかぜ」「スーパーおき」くらいしかなくなってしまった。これらの列車も全車指定席化してもおかしくないだろう。
6. JR東海も在来線特急の全車指定席化を画策か!
またJR東海でも在来線特急列車の全車指定席化を図る可能性がある。
7. JR東海も在来線特急の全車指定席化を画策か!
またJR東海でも在来線特急列車の全車指定席化を図る可能性がある。
8. 結び
今回の2026年3月JR四国ダイヤ改正では、岡山発着を含む四国特急を全車指定化する可能性がある。
今後JR旅客各社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、楽しみにしたい。
関連情報:「岡山自由席トク割回数券」の発売終了について – JR四国
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