JR東日本千葉支社は2021年12月17日、プレスリリースにて2022年3月12日にダイヤ改正を行うと公表した( 2022年3月ダイヤ改正について )。今回はこれについて見ていく。
1. 特急「成田エクスプレス」千葉増停車で昼間の運転再開へ!
今回の2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、総武線特急「成田エクスプレス」を千葉に昼間も増停車することで、昼間便を運転再開する。
そもそも特急「成田エクスプレス」の主な目的は東京都区内の主要駅と成田空港を結ぶことである。このため東京~空港第2ビル間ノンストップ運転がほとんどで、千葉に停車するのは朝の東京方面上り3本と夜間の成田空港方面下り4本に限っていた。
ただこのご時世で2020年から航空機国際線が軒並み運休となり、成田空港を発着する旅客機が激減してしまった。東京都区内~名r田空港間ノンストップの特急「成田エクスプレス」はもろに打撃を受け、大幅に運休することとした。
ただ2年経っても航空機国際線需要が戻る兆しがないことから、今回のダイヤ改正で特急「成田エクスプレス」を昼間も千葉に停車させて東京都区内~千葉間の利用を掘り起こすこととしたのである。
な今回のダイヤ改正で特急「成田エクスプレス」は池袋・大宮乗り入れを取りやめる。これにより新宿~大宮間にE259系が定期列車として乗り入れなくなった。
もっとも大宮から成田空港に行くには京浜東北線で日暮里まで出て京成特急「スカイライナー」に乗ったり、東武野田線で新鎌ヶ谷まで出て京成成田空港線に乗り換えてしまえば特急「成田エクスプレス」とほぼ変わらない所要時間で到達できてしまうし、大宮・浦和~成田空港間の空港バスも2018年6月の外環道千葉県内全通により所要時間を短縮したため特急「成田エクスプレス」の利用がこのご時世より前から減っていたのだろう。
なお2021年には特急「成田エクスプレス」用E259系が総武本線経由で銚子まで乗り入れていたが、今回のダイヤ改正で銚子発着の特急「しおさい」の車両がE259系に置き換わることはなかった。
このほか総武本線特急「しおさい」、外房線特急「わかしお」、内房線特急「さざなみ」では指定席車両を拡大した。
また内房線特急「さざなみ」では京葉線の線路容量緩和に伴い1本を平日朝ラッシュ時に東京駅京葉線地下ホームに到着するようにした。
2. 総武線で通勤快速廃止へ平日朝夕に減便へ
今回の2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、総武線で平日朝に運転している通勤快速2往復を廃止し減便する。
まずは平日朝。成田6時45分発通勤快速大船行きを成田6時44分発快速大船行きに格下げし、後続の津田沼7時26分発快速東京行きを廃止した。
また成田空港7時22分発通勤快速逗子行きを成田宇宇高7時22分発快速東京行きに格下げした。なお横須賀線内の行先は前後で調整しているため減便はない。
そもそも総武線快速の混雑率は2019年度には181%あったものが、2020年度には105%にまで低下している。しかもE235系投入による普通車のセミクロスシートを順次置き換えていること、東京都の混雑緩和目安150%を下回っていることを考えると、減便はやむなしだろう。
次に平日夜間。東京19時52分発通勤快速成田行きを東京19時46分発快速成田行きに格下げしたほか、東京21時53分発通勤快速成田行きを廃止した。救済として横須賀線久里浜20時21分発快速千葉行きを快速成田行きに延長している。
これにより総武線快速では1運用を削減したほか、総武線から通勤快速が消滅した。もっとも総武線物井駅は通勤快速通過駅だったため、快速格下げに伴い停車するようになったという点では改善しているとは言えるが。
また総武線各駅停車でも平日朝ラッシュ時はピーク時を毎時26本から毎時25本に3.8%減少した。
なお総武線快速・通勤快速と同一のE235系やE217系を使用する横須賀線では、平日朝の大船→品川間の減便はない。また総武本線・成田線の減便もない。
3. 京葉線で減便も209系存続へ!
今回の2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、京葉線でも減便を図る。
今回のダイヤ改正は平日朝の外房線上総一ノ宮6時32分発京葉線回り通勤快速東京行き及び内房線君津6時42分発京葉線回り通勤快速東京行きの2本を全区間各駅停車に格下げした。これにより蘇我7時24分発各駅停車東京行き及び蘇我7時32分発各駅停車東京行きを廃止している。
京葉線の混雑率は2019年度には162%あったものが、2020年度には102%にまで低下している。そう考えると京葉線でも減便やむなしだろう。
このほか平日昼間は京葉快速を毎時3本から毎時2本に減便する。救済として海浜幕張~蘇我間は各駅停車のうち毎時1本を
まあ総武線快速で2運用減ってもE235系の新製投入本数を変えないのは車両製造元で関連会社であるJ-TRECとの関係もあるのかもしれないが、京葉線で1本しか残っていないために大多数を占めるE233系とは別のメンテナンス工程が必要となる209系をわざわざ残しているのは保守費削減の観点からするとあまり良いとは言えない。
そう考えると、あえて2運用浮かせ続けることで新しい保安システムを入れるなりワンマン化への準備をしている可能性も考えられるのではないだろうか。もう踏切のなくした11両運転の山手線ではワンマン運転どころか無人運転を見据えているほどだ、踏切の少ない京葉線が10両編成でワンマン運転を行おうとしてもおかしくはない。
このほか成田線成田~佐原間のうち2往復でワンマン運転を開始するとしているが、この2往復は前回2021年3月13日JR東日本千葉支社ダイヤ改正で鹿島線への送り込みのためにE131系2両運転になった列車で、鹿島線では基本的にワンマン運転を行っていることからその延長でワンマン運用を拡大したにすぎないだろう。
4. 結び
今回の2022年3月12日JR東日本千葉支社ダイヤ改正では、京葉線で減便を図ったほか、総武線通勤快速を廃止することとした。
今後JR東日本千葉支社でどのようなダイヤ改正を行うのか、見守ってゆきたい。
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