【新千歳空港が便利に!】快速エアポート毎時6本に増発と区間快速設定へ! JR北海道千歳線ダイヤ改正(2024年3月16日)

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快速エアポート毎時6本に増発と区間快速設定へ! JR北海道千歳線ダイヤ改正(2024年3月16日)

JR北海道に区間快速が復活します。

北海道新聞2023年11月11日、プレスリリースにて2024年3月にJR北海道でダイヤ改正を行うと公表した。またJR北海道は2023年11月15日、プレスリリースにて千歳線快速エアポートを増発すると公表した。今回はこのうち千歳線快速エアポートについて見ていく。

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1. 千歳線快速エアポート、昼間毎時6本に増発へ!

今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、千歳線快速エアポートを増発する。

快速エアポートは主に千歳線札幌~新千歳空港間を運転し、一部が札幌から先小樽まで乗り入れている。列車愛称からしても空港連絡列車のイメージが多いようだが、利用実態は千歳線内快速エアポートの新千歳空港発着利用者は約3分の1だけで、3分の2程度は途中の北広島、恵庭、千歳などを利用しており、空港利用と関係がない。このためそこら辺の鉄道の快速運転がたまたま空港乗り入れしているといった方が近いだろう。

実際に北海道新聞によれば今回の快速エアポート増発の背景に2023年3月に開業したプロ野球チーム日本ハムファイターズの本拠地北海道ボールパークFビレッジの開業があり、これで千歳線の利用者が1割増えたとされている。もっとも旅行需要回復で新千歳空港利用客が戻ってきてはいるが、それ以上に新千歳空港を使わない千歳線沿線利用が増えているというkとだろう。

千歳線快速エアポートは2020年3月14日JR北海道ダイヤ改正より終日平均12分間隔、毎時5本を運行しているが、今回のダイヤ改正より9時~16時までの昼間の7時間は毎時5本から毎時6本に増発し平均10分間隔とする。

また北広島~新千歳空港間で普通列車を代替とするため区間快速を設定することとした。

よって昼間の千歳線の運転本数は

  • 特別快速エアポート:毎時1本
  • 快速エアポート:毎時3本
  • 区間快速エアポート:毎時2本
  • 札幌~北広島間区間運転普通:毎時2本

となる。

運転概要図は以下の通り。

2024年3月16日以降の千歳線快速エアポートの運行パターン

今回のダイヤ改正では昼間の千歳線列車は苫小牧乗り入れを取りやめ新千歳空港発着に系統簡素化する。この普通列車廃止の救済として快速エアポートのうち毎時2本を区間快速に格下げ、サッポロビール庭園を含む北広島~新千歳空港間各駅に停車する。

なお快速エアポートのうち毎時2本は函館線小樽まで乗り入れているが、小樽発着毎時2本のまま据え置く一方で、毎時1本を快速エアポートから特別快速エアポートに格上げし所要時間を短縮する。

これにより札幌~新千歳空港間では150本7往復14本を増発し164本の運転となる見込みのほか、昼間は毎時6本の電車が新千歳空港発着となる

この増発により新千歳空港発着用の6両編成uシート連結編成の運用は増えるが、JR北海道では2024年度~2025年度にかけて6両固定編成7本の電車を新製投入するとしている。快速エアポートのうち一部は1988年~1993年に投入した721系を使用しており、普通電車用721系3両編成が順次廃車になっていることを考えると、おそらく721系6両編成の置き換え用新型車両と考えられる。721系6両編成も見納めが近いのだろう。

それではこれからこれらのダイヤ改正の詳細についてみていこう。




2. 特別快速エアポート増発で将来的な特急・急行格上げ視野か?!

また今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、特別快速エアポートも増発するとしている。

特別快速エアポートは2020年3月14日JR北海道ダイヤ改正で運転を開始した、新札幌~南千歳間ノンストップ列車である。この列車の目的は国土交通省による新千歳空港アクセス改善補助金の効果を建前だけでも出すために札幌~新千歳空港間を従来より4分速い最速33分で結ぶ列車として設定したものである。ただ、快速エアポートの利用者の約3分の2は北広島、恵庭、千歳など空港利用と関係のない利用者のためそれらの利用者が少ない時間帯に限定して運転していた。

が、今回増発する7往復14本がすべて特別快速エアポートとして運転することとなり、昼間も札幌~新千歳空港間を最速33分で結ぶこととなった。

また昼間の特別快速エアポートは小樽にも乗り入れるため小樽~新千歳空港間の所要時間も3分程度短縮、1時間13分から1時間10分程度に短縮する見込みだ。

ただ、先述したように快速エアポートの利用の3分の2は新千歳空港と関係のない千歳線沿線民利用のため、小樽・手稲利用者がいたとして空いていそうではあるが。

特別快速エアポートを昼間に設定したのは、将来的な特急・急行格上げにより料金収入を増やして増収を図ろうとしているように見えるのは気のせいだろうか。




3. 千歳線区間快速設定で北広島折り返しの普通設定か

また今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、千歳線に区間快速を新設する。

20219年まで千歳線のエアポートは快速しかなったが、国土交通省の新千歳空港駅改良事業効果を建前だけでも出すために特別快速エアポートを運転開始している。どちらも列車愛称にエアポートを付しており、今回運転を開始する札幌~新千歳空港間の区間快速も区間快速エアポートと名乗ることになる。これにより2020年3月14日JR北海道ダイヤ改正で廃止した函館線区間快速いしかりライナー以来の道内区間快速復活となりそうだ

今回設定する千歳線区間快速の停車駅は札幌を出ると新札幌、北広島、北広島から新千歳空港までの各駅になるとしている。

JR北海道では北海道Fパークビレッジに隣接して新駅を設置するとしているが、それに合わせて北広島駅の折り返し機能を増強するとしている。ただ、現状でも北広島駅3番線での折り返しは可能なため、北広島始発終着の電車設定は可能だ。

先述した通り今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、新千歳空港発着の列車を昼間毎時5本から毎時6本に増やし、約10分間隔で運転するとしている。が、実際には増発するのはもっとも停車の少ない特別快速のため千歳線沿線民はまず使えないし、毎時5本ある快速が昼間は毎時3本に減便、残るは区間快速に格下げする。

こうすれば札幌~北広島間では従来通り毎時8本の乗車チャンスがあるほか、北広島以南の快速通過駅では札幌に早く行くためにはこれまで北広島で快速エアポートに乗り換えていたところ、これからは直通の区間快速が先着してくれるようになるので利便性が高くなる。

いやいや新千歳空港までの所要時間が長くなるという意見もあるだろうが、そもそも2019年まで快速エアポートは毎時4本しかなかったわけだし何度も言うように快速エアポートの主目的は空港連絡ではなく千歳線沿線住民利用である。恵庭・千歳から札幌への先着本数は昼間毎時5本のまま変わらないにもかかわらずうち毎時2本が快速から区間快速に格下げすることにより所要時間は伸びることとなるが、京浜急行電鉄だって2022年11月26日ダイヤ改正で品川方面のエアポート快特・快特計毎時6本のうち半分の毎時3本を空港線内各駅停車の特急に格下げしたそのため。京急でいう快特から特急格下げと思えば突飛なことでもないだろう。




4. 朝にも千歳線区間快速設定で北広島折り返しの普通設定か

そして今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、区間快速エアポートを昼間のみならず朝にも設定する可能性がある。

新千歳空港に一番最初に到着する航空機ですら7時45分着のため、早くても新千歳空港8時05分発快速エアポート81号札幌行きしか乗れない。この前の時間帯は札幌に8時30分ごろまでに到着する通勤時間帯となるわけだが、新千歳空港を利用する旅行客は皆無のためほとんどの列車が普通列車として運転する。千歳線沿線のための列車だが運転系統上新千歳空港に乗り入れているだけと言っても過言ではない。

朝に区間快速を設定すると、停車駅と運転区間によって乗客を分けられることから新千歳空港→札幌間の普通電車2本を新千歳空港→札幌間の区間快速1本と北広島→札幌間の普通電車1本の計2本に再編でき、新千歳空港→北広島間で1本列車を削減できる。

対象となる見込みの列車は、新千歳空港6時56分発普通手稲行きと新千歳空港7時02分発普通札幌行きのペア、新千歳空港7時22分発普通手稲行きと新千歳空港7時33分発普通小樽行きのペアである。

両方とも新千歳空港7時02分発区間快速手稲行きと北広島で連絡する北広島始発の普通札幌行き、新千歳空港7時33分発区間快速手稲行きと北広島で連絡する北広島始発の小樽行きに再編することができる。北広島→札幌間で快速運転するようになれば最速120k/hで運転することから現状の普通電車より札幌到着を9分程度早めることができる。沿線住民としては多少減便にはなるが利便性は高くなるだろう。




また区間快速エアポートと名乗れば4号車uシートを自由席ではなく指定席として営業することが可能になり、840円を支払うことで着席平日朝も着席保証通勤ができるようになる可能性が高い。JR北海道としては貴重な増収策となるだろう。

これらの新千歳空港始発列車の送り込みとしてうんしている札幌6時02分発普通新千歳空港行きと札幌6時29分発快速エアポート62号新千歳空港行きを廃止し、運転時刻を遅らせたうえで北広島までの回送電車とすることができる。特に札幌6時02分発普通新千歳空港行きは早朝で利用者が少ないほか、後続に札幌6時08分発普通苫小牧行きと新千歳空港到着がほぼ変わらない札幌6時16分発快速エアポート60号新千歳空港行きがいることから、廃止しても何ら問題はない。

さらに、この区間快速が平日朝に運転するようになれば、土休日の減便を図りやすくなる。JR北海道では2021年まで札幌都市圏の電車を全日同一ダイヤで運転していたことから、通勤で混雑している平日も空いている土休日も全く同じ運転本数だった。当然土休日の朝は空気輸送のガラガラである。

さすがに気になったのか2021年3月13日JR北海道ダイヤ改正より函館線と千歳線で朝の一部の電車を土休日運休とし、平日のみ運転とした。が、2年後の2023年3月18日ダイヤ改正より千歳線では土休日運休列車を全日運転に戻し、全日同一ダイヤに戻ってしまった。かくして千歳線では適切な土休日ダイヤの設定に失敗したのである。

もし今回の2024年3月16日ダイヤ改正で千歳線区間快速を朝に設定した場合、平日は新千歳空港始発の区間快速と北広島始発の普通電車で運転するところ、土休日は新千歳空港→北広島間は区間快速と同じ時刻で、北広島→札幌間は普通電車と同じ時刻で運転する普通電車として運転することでさらに1ペアあたり1本を削減することができる(なお同種の方法はJR東海関西線の区間快速と普通で行っている)。この土休日運転列車を設定すれば北広島と新札幌を除き平日と運転本数に変わりはなく利便性をそこまで下げることもない。これにより土休日はさらに1運用を削減することができそうだ。

このように、千歳線で朝に区間快速を設定すれば乗客利便性を上げつつ北広島~新千歳空港間で2往復を削減し、1運用減らすことができるほか、土休日にさらなる減便を図るさらに1運用削減できる見込みだ。




5. 札幌~北広島間折り返し普通設定で着席チャンス確保へ!

今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、札幌~千歳・苫小牧間の普通列車を短縮し昼間は札幌~北広島間とする。

2023年現在、千歳線は昼間は快速エアポート毎時5本と普通列車おおむね毎時2本を運転している。快速エアポートは11~14分間隔だが、普通列車は48分間隔が開くことがあるなど一定しない。これは快速和ポートを北広島で待ち合わせるほか、運転間隔が不規則な特急「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」や貨物列車を通さなければいけないことから、長距離の普通列車では等間隔で組みにくいためである。

ただ今回のダイヤ改正で普通列車を札幌~千歳・苫小牧間の普通列車を短縮し昼間は札幌~北広島間とすることから、列車運転を等間隔化しやすくなる。

また北広島始発となるため、北広島からであればほぼ確実に着席して札幌まで行くことができる。北広島市民からしたら大きなメリットだろう。

なお朝夕は苫小牧発着の普通列車は残る。夜間は毎時1本しかないのでおそらく減便しないだろうが、朝は1往復減便の可能性はなくはない。




6. 快速エアポートの列車号数はどうなるのか

ただ気になる点がある。それは快速エアポートの列車番号はどうなるのかということだ。

快速エアポートは4号車がuシート指定席のため、指定席券発行のために各列車に号数が降られている。

たいてい特急列車の号数は下り列車が発車時刻の速い列車から奇数、上り列車は偶数で小さい順に振っていくのだが、快速エアポートの場合は上2桁分が札幌駅または新千歳空港駅の発車時刻の時、下1桁がその時間帯内での運転する順番から札幌行き下り列車は奇数、新千歳空港行き上り列車は0から偶数を小さい順に振っている。

たとえば札幌9時11分発快速エアポート新千歳空港行きは、9時台に札幌から2番目に出る列車のため、9と偶数を0から小さい方から2番目の2を振って92号としている。

が、今回のダイヤ改正で快速エアポートが毎時6本に増発する。現行の付番方法ではでは奇数と偶数を使い分けているため1時間当たり12の数字を用意する必要が生じる。

ただ、12となるの2桁になるので、911号や1512号などとなり4桁になりかねない。指定券発券の処理速度や快速エアポート停車駅での電光表示を考えると桁数を増やすと手間なのでできるだけ増やしたくはない。

ただ、9の次の奇数をA、8の次の偶数をBと置いて9A号や15B号のようにおいてしまうと座席番号と間違えやすくなる。

そうなると、今回の2024年3月16日ダイヤ改正以降、千歳線快速エアポートの列車番号は上2桁の時間帯を無視して、1号や2号から順に付番していくのだろうか。




7. JTB時刻表の台割はどうなるのか

また今回増発を図る千歳線だが、JTB時刻表の台割はどうなるのだろうか。

千歳線は660ページ~666ページの7ページにわたり今回の増発で札幌~北広島間が7時間にわたり快速・普通列車が毎時7本から毎時8本に増加すること、苫小牧方面電車が千歳で系統分割するため10~15列車ほどの増加が見込まれる。このため上下型配置の千歳線で1ページの増加が見込まれ、JTB時刻表667ページも千歳線を記載する必要が生じそうだ。

この667ページには函館本線長万部~小樽間や留萌本線の配置があるが、これをどかす必要が生じる。

まず、668ページ以降が函館本線小樽~札幌~旭川間であることを考えると、つながりを考えてその直前の666ページと667ページの下に函館本線長万部~小樽間を下り・上りの順に配置した方がいいだろう。そうなると666ページ下部の室蘭本線室蘭本線苫小牧~岩見沢間および667ページ下部の留萌本線を移動させる必要が生じる。

学園都市線を少し上に押し上げて留萌本線を押しやったり、6ページある学園都市線を5ページに縮めて余った1ページ下部に室蘭本線苫小牧~岩見沢間を入れるのだろうか。


8. 結び

今回の2024年3月16日JR北海道ダイヤ改正では、桑園に快速エアポートと快速ニセコライナーが停車するようになる一方、普通電車が減便する可能性が高い。

今後JR北海道でどのようなダイヤ改正を実施しるのか、見守ってゆきたい。

2024年3月16日JR北海道千歳線ダイヤ改正のうち苫小牧発着の普通列車はこちら!

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関連情報:快速「エアポート」増発および停車拡大について
新聞記事:主要4特急、全席指定に JR北海道・来春ダイヤ改正 空席減で財務改善

コメント

  1. 加納K より:

    号数ですが、
    特別快速だけ「(時刻+20)/(本数)」号とすれば良さそうです。
    名鉄の特急の列車番号でも同じようなことが行われてます。
    例)18時台の札幌方面特別快速エアポート…381レ

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