国鐵廣島解体と快速シティライナー消滅へ! JR西日本広島支社ダイヤ改正(2019年3月16日)

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JR西日本広島支社は2018年12月14日、プレスリリースにて2019年3月16日にダイヤ改正を行うと公表した( 2019年春のダイヤ改正について )。今回はこれについて見ていく。

2019年3月16日全国一斉ダイヤ改正まとめについてはこちら!

1. 227系統一で国鐵廣島解体へ

今回の2019年3月16日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、広島シティネットワークエリア内の全ての普通電車が2015年3月14日ダイヤ改正から導入された227系に統一され、国鉄型車両が撤退する。

普通電車が227系のみとなるのは、山陽線三原~岩国間、呉線三原~海田市~広島間、可部線広島~横川~あき亀山間となっており、広島駅を発着する全ての普通電車が227系による運転となる。

JR西日本の運営するJRおでかけネットの時刻表から見ていく。

ダイヤを見ていくと、山陽線糸崎~三原や山陽線岩国以西では時刻変更や行先変更が実施されているものの、山陽線三原~岩国間では災害による不通前の平日ダイヤと行先変更以外何ら変わりがない。

227系は既存の115系や113系と同じ110km/hで運転されるが、起動加速度が2.0km/hから2.5km/hに引き上げられており、所要時間短縮が図られても良いはずだ。事実JR西日本和歌山支社に227系1000番台を導入しようとした際に特殊制限箇所に新しい速度制限標識を設置したほどだ( 2018年10月26日のJR西日本公式プレスリリースはこちら )。つまり、227系は既存の国鉄型車両より性能が良いのは明白だ。

単線で列車交換の必要な呉線と可部線で所要時間短縮ができないのはわかるが、山陽線は全区間複線のため所要時間短縮が図りやすいはずだ。にもかかわらず運転時間を変えないということは、余裕時分を持たせているのではないだろうか。

なお227系置き換えにより置き換え対象となる形式は113系や115系、105系(いずれも3ドア車)などがあるが、113系や115系は岡山電車区への転属が濃厚なのに対し、105系は今のところどこに転属するか決まっていないようだ。

JR西日本和歌山支社のように105系4ドア車であれば老朽化廃車が最も考えられるが、当時新製した105系3ドア車はまだまだ使い道がありそうだ。となると、岡山電車区に転属して山陽線運用に就くか、近畿統括本部に進出して播但線や加古川線の103系を置き換えるくらいだろう。

JR西日本は2017年3月4日ダイヤ改正で広島県内で新線として開業した可部線可部~あき亀山間の延伸の際には新車の227系を入れてくれたが(もっとも国鉄型車両も2年間一部運用に入っていたが、昼間は延伸開業時より全て227系での運転であった)、可部線可部~あき亀山間より明らかに運転本数が多くて全線複線で線路設備の良いはずの2019年3月16日ダイヤ改正で延伸するおおさか東線に平気で終日201系運用を設定しようとしている。つかえる列車は使い倒す方針であるから、105系3ドア車が転用される可能性は極めて高いものと思われる。

ただ、近畿エリアのJR西日本和歌山支社で227系1000番台が導入されたことから、今後和歌山地区への投入が完了し次第播但線・加古川線に227系を導入する可能性がある。105系の動向は気になるところだ。




2. 227系統一で全国最長距離普通電車陥落へ

また今回の2019年3月16日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、広島シティネットワーク内の全ての普通電車が227系に統一されるが、227系の運転区間に制約があるため、広島駅からの山陽本線直通列車は東は糸崎、西は徳山までとなった。

全国最長距離普通電車となる369M糸崎17時46分発発下関行き(297.2km)は暫定ダイヤの関係で7563M白市18時20分発下関行き(264.2km)として運転されている。今回のダイヤ改正で白市始発から糸崎始発に戻るものの、岩国で系統分割となることから369M糸崎発岩国行きと3365M岩国発下関行きに分割された。このことから全国最長距離普通電車は中央本線441M高尾発長野行き(245.0km)に明け渡したようだ。

なお気動車も含めた全国最長距離普通列車は2427D滝川9時42分発釧路行きなのだが、東鹿越~新得間での運転見合わせが長期化しておりこのまま廃線になる可能性すら浮上している。このことから市販の時刻表でも2017年12月号では既に代行バスの時刻しか記載されておらず、2427Dも新得発釧路行きとして記載されている。このことから、全国最長距離普通列車も事実上中央本線441M高尾発長野行き(245.0km)となったようだ。




3. 快速シティライナー消滅へ

また今回の2019年3月16日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、山陽線快速シティライナーが再消滅することとなった。

山陽線快速シティライナーは、2016年3月26日ダイヤ改正で土休日に限り停車駅を刷新する形で設定されたが、2018年7月6日に豪雨災害により不通となって以降運転を見合わせ山陽新幹線や代行バスで振替輸送を実施していたが、広島シティネットワークエリア内となる山陽線白市~岩国間は2018年9月9日を以て全面復旧した。

しかし復旧後のダイヤが暫定ダイヤで災害不通直前の日曜日であった2018年7月1日を以て快速シティライナーの運転が行われないままとなっていた。

そして今回の2019年3月16日ダイヤ改正で、暫定ダイヤを解除するとともに土休日ダイヤを平日ダイヤに統合することとなったことから、土休日のみ運転していた山陽線快速シティライナーが廃止されることとなった。

そもそも2016年3月26日ダイヤ改正で復活していた山陽線快速シティライナーは、新白島・横川・西広島の全てを通過するため広島市中心部の紙屋町・八丁堀からのアクセスが非常に悪く、山陽新幹線との接続も良くなかったためあまり利用が芳しくなかった。停車駅を増やしていれば廃止を防げた可能性はあるが、廃止されても致し方ないだろう。

JR西日本広島支社では2016年3月26日ダイヤ改正より土休日ダイヤを単なる間引きや時刻調整のみならず平日ダイヤと大幅に変更させており、2017年3月4日ダイヤ改正では非電化の芸備線にまで拡大した。

しかし2018年7月6日の豪雨による運休以来、平日ダイヤと土休日ダイヤを再び統合する動きになったようだ。

なお、呉線では今回のダイヤ改正に合わせ昼間の快速安芸路ライナーを暫定ダイヤの毎時1本から災害不通前の毎時2本に戻すこととなった。

また美祢線では、昼間の2往復を最大23分時刻変更し、厚狭での山陽新幹線「こだま」との接続改善を図った。


4. 結び

今回の2019年3月16日JR西日本広島支社ダイヤ改正では、35年以上も棲みついていた115系を4年がかりで227系に置き換え、ついに広島駅を出入りするJRの普通電車は全て227系に統一されることとなった。

その一方で、227系の運転区間が限定されることから系統分割が実施され、山陽線の直通列車は岡山方面は糸崎又は三原で系統分割となり、西側の直通運転区間も最大下関まであったものが徳山までに大幅に短縮されることとなった。

今後JR西日本広島支社でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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