ノンストップ座席指定制列車設定へ! 京王電鉄臨時列車運転(2018年11月)

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京王電鉄は9月26日、プレスリリースにて11月に臨時列車「Mt.TAKAO号」を運転すると公表した( 高尾山の紅葉シーズンに 臨時座席指定列車「Mt.TAKAO号」を運行します! )。今回はこれについて見ていく。

1. 京王の座席指定制列車、新宿行きに進出

今回の2018年11月京王電鉄臨時列車運転では、高尾山口発新宿行き座席指定列車「Mt.TAKAO号」を運転する。

「Mt.TAKAO号」は高尾山口から京王線新宿までノンストップで運転される。運転日は11月10日~25日の土日祝日と21日、22日となっており、平日の21日と22日は高尾山口15時04分発の1本、土休日は高尾山口15時01分発と17時09分発の2本で運転される。

使用車両は5000系(「京王ライナー」型車両)となり、料金も「京王ライナー」と同じ400円となっている。

所要時間について見ていくと、土休日1便目は53分に対して定期列車54分、土休日2便目は60分に対して定期列車58分、平日は50分に対して定期列車48分と、定期列車と比べて所要時間が長くとられている。これは平日と土休日2便目は定期列車の続行運転となっており、平日は特急のためまだ所要時間が短いが、土休日は東府中や飛田給への臨時停車にかかる時間を含んでいたり準特急だったりと所要時間がよりかさむ。

また、座席指定券の発売が高尾山口駅に限られ、ネット予約でできない点はまだ試行段階ということなのだろう。




2. 新宿行き座席指定制列車は定期化するのか

では今回設定されたような新宿行き座席指定列車は京王電鉄で今後定期化されるのだろうか。

座席指定制列車としてまず重宝されそうなのが平日朝であるが、線路容量が過密すぎて京王では特急・準特急の運転が朝ピーク時にできず、急行や区間急行が短距離利用も長距離利用も一手に引き受けている。京王線笹塚~仙川間連続立体交差事業が完成し千歳烏山と明大前が2面4線化されれば準特急や「京王ライナー」の運転余地が生まれるかもしれないが、それまでは平日朝ピーク時の運転は難しそうだ。

ともなると考えられるのは平日や土休日の夕方に今回臨時列車で運転される「Mt.TAKAO号」のような座席指定制列車を運転させることである。高尾山の観光に特化した利用であれば、所要時間が定期列車より長くても着席したいニーズがあることから追加料金を支払ってまで利用したいニーズはあるはずだ。今回の「Mt.TAKAO号」の設定もそれを狙っているのだろう。

しかし、京王電鉄では過去にシーズンダイヤを導入しており、行楽期には高尾山口始発の急行(後に準特急)20分間隔のみならず特急も20分間隔で運転されていた(当時の特急は北野通過であったため、高幡不動で京王八王子からの特急と併結していた)。しかし2006年9月1日ダイヤ改正でシーズンダイヤが廃止となり、土休日は通年準特急毎時3本乗り入れのみとなった。

このことから考えると、シーズンダイヤが廃止となり12年以上経ったとはいえ、高尾山口利用者はシーズンにより変動する傾向には変わりないものと思われる。今回の「Mt.TAKAO号」の運転はいかにシーズンダイヤ実施時期に利用されるか、通年運転にしても利用者がいるか推測するために試行的に臨時列車として導入したもので、今後の増発を実施するか、カギとなりそうだ。

また、西武鉄道特急レッドアローによる臨時列車「ドーム」のように、スポーツイベント開催時の座席指定制列車運転もありうる。京王電鉄の場合東京競馬場近くの府中競馬正門前からの列車設定が考えられるが、すでに前回の2018年2月22日ダイヤ改正より5000系(「京王ライナー」型車両)による府中競馬正門間始発の不定期準特急が設定されている。つまり競馬場線への5000系乗り入れは不定期ながらも実施されており、府中競馬正門前にライナー券発券設備を設置すれば運転できる。ともなると、高尾山口のみならず府中競馬正門前からの臨時有料座席指定制列車の設定も可能性としてはあるのではないだろうか。


3. 結び

今回の2018年11月京王電鉄臨時列車運転では、高尾山口発新宿行きノンストップ座席指定制列車「Mt.TAKAO号」を設定することとなった。

今後所要時間よりも着席保障したい需要がどこまで伸びるのか、上り(新宿方面)座席指定制列車がどのように設定されていくのか、見守ってゆきたい。

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