急行増発と準急停車駅拡大へ! 東急田園都市線・大井町線ダイヤ改正(2019年10月1日)

東急電鉄は2019年8月7日、プレスリリースにて10月1日に田園都市線と大井町線でダイヤ改正を行うと公表した( 10月1日(火)に田園都市線、大井町線でダイヤ改正を実施 )。今回はこれについて見ていく。


1. 南町田改称で終日急行停車と大井町線からの直通急行設定へへ

今回の2019年10月1日東急電鉄ダイヤ改正では、2019年3月16日ダイヤ改正以来約6か月半ぶりに田園都市線と大井町線でダイヤ改正を実施する。

今回のダイヤ改正では南町田駅が南町田グランベリーパークに改称し、全日急行停車駅となる。

南町田駅は2000年7月15日より土休日の一部で急行が臨時停車することとなったが、2006年3月18日より土休日に限り急行が停車するようになり、2014年6月21日ダイヤ改正で昼間に準急を設定した際に準急の全日停車駅として設定された。しかし平日の急行は依然南町田を通過として設定していたが、今回のダイヤ改正で終日全列車が停車することとなった。

また今回のダイヤ改正で大井町線直通急行が長津田発着から中央林間発着に延長することになったことから、10両編成のうち昼間毎時2本が7両編成に短縮することになったことから、長津田~中央林間間では昼間の輸送力が5.0%低下することとなった。とはいえ、長津田~中央林間間では平日夕ラッシュ時も急行が9分間隔でしか運転しておらず、昼夕輸送力比を考慮しても10両編成であれば毎時5本の速達列車があれば足りるので、急行の輸送力としても問題ない。

むしろ東急電鉄からすれば、年季の入った8500系が運用し得る10両編成の運用より6000系か6020系しかない大井町線急行用の7両編成の方が1両当たりのエネルギー消費量が少ないほか、3両分の電力も抑えることができる。そう考えると、今回のダイヤ改正は東急電鉄としても経費節減ができ、効率的なダイヤで運転することができるようになるものと思われる。

ではなぜこれまでできなかったのか。大井町線が急行運転を開始した当初、大井町線急行用車両は6000系6本しかなかった。平日は4運用で回せたのだが、土休日昼間には長津田延長運転を30分に1度行うこととなったため5運用が必要となった。このため、故障と点検が重なった場合には2運用足りなくなることから土休日の大井町線急行運用が1運用足りず、やむなく大井町線各駅停車用の9000系5両編成が急行運用を代走することが度々あった。

しかし2018年3月30日ダイヤ改正で大井町線急行の増発により平日に2運用増加させる必要が生じたことから、新型車両6020系を2本投入した。これにより土休日の大井町線直通急行の9000系5両編成による代走は終了し、土休日も運用に余裕ができた。

この運用の余裕を使い、長津田発着だった大井町線直通急行を中央林間発着に延ばすこととなった。土休日の運用数は5運用から6運用に増えるが、予備運用が2運用あるので無理なく運転区間を延長することができるようになったようだ。

なお今回のダイヤ改正より平日昼間も大井町線急行が溝の口以西の田園都市線区間に延長することとなり、土休日同様中央林間発着で設定することとなった。これにより平日昼間は溝の口~長津田間で輸送力が10.0%増加することとなった。

2. 準急停車駅増加で各駅停車を代替ヘ

また今回の2019年10月1日東急田園都市線ダイヤ改正では、準急の停車駅を増加させることとなった。

これまで準急は南町田には全日停車していたものの、つくし野、すずかけ台、つきみ野の3駅は通過していた。これが今回のダイヤ改正で通過3駅に停車することとなり、準急は長津田~中央林間間で各駅に停車することとなった。

準急は昼間に毎時2本の運転があるが、今回の長津田~中央林間間での各駅停車化により、代替として同区間を走る各駅停車が毎時8本から毎時6本に削減された。ただ、長津田~中央林間間急行通過駅利用者からは長津田で乗り換えなくても渋谷まで速達で向かう列車に乗れるようになったので、利便性が向上したと捉えてよさそうだ。

これにより中央林間からは輸送力を増やすことなく渋谷への先着毎時6本を確保しつつ、新たに大井町行きの急行も発着することになり利便性が向上することとなった。

そもそも東武伊勢崎線(スカイツリーライン)と直通運転を開始する2003年3月19日ダイヤ改正までは長津田~中央林間間の各駅停車は毎時6本しかなかったし、2019年現在も平日夕ラッシュ時の長津田~中央林間間の各駅停車は毎時8本しか運転がなく昼夕輸送力比を考慮しても昼間毎時6本で足りるのである。今回の準急停車駅増加に伴う長津田~中央林間間の各駅停車の置き換えは問題ないものと思われる。




3. 準急停車駅増加で昼間以外はどうなっているのか

では今回の2019年10月1日東急田園都市線ダイヤ改正では、昼間以外の準急はどうなっているのだろうか。

まずは平日朝ラッシュ時。中央林間始発の準急は3本運転しているが、この3本がつくし野、すずかけ台、つきみ野の3駅に追加停車することとなった。長津田始発の各駅停車と中央林間始発の準急の始発駅を交換するだけでも良かったのかもしれないが、2019年3月16んちダイヤ改正時のプレスリリースにもあるように混雑率が若干緩和していることから、オフピークに関しては多少需要が伸び得ることをしても問題ないと判断したのだろう。

これによりつくし野、すずかけ台、つきみ野の3駅から渋谷方面への利用チャンスが増えることとなったが、所要時間が1〜3分程度伸びることとなった。

また平日朝ラッシュ時下り(中央林間方面)は、速達列車は準急のみの運転であるが、この時間帯の準急のうち長津田行きが中央林間行きに延長し、代替として長津田で連絡する各駅停車を中央林間行きあら長津田行きに短短縮し、ほとんどで連絡を受けることとなった。このため長津田→中央林間間での減便はない。

また平日夕ラッシュ時上り(渋谷・地下鉄半蔵門線直通押上方面)は、2016年3月26日ダイヤ改正より速達列車が急行毎時6本から急行毎時3本と準急毎時3本に再編した。このため、今回の準急停車駅拡大で平日夕ラッシュ時上りの準急も中央林間→長津田間で各駅に停車することとなった。

ただ、この時間帯においても準急が各駅停車化し長津田での各駅停車の待避がなくなったのみで、各駅停車の減便はない。もっとも速達列車である急行と準急を合わせた発車間隔は中央林間発で8~11分間隔から7~12分間隔にばらけることになり、中央林間からの利用はやや不便になるのだが。

このように、準急の長津田〜中央林間間の各駅停車化は全ての準急で実施するものの、これに伴う各駅停車の減便が行われるのは昼間のみでそれ以外の時間帯は総本数は維持され、急行通過駅の乗車チャンスが準急の運転本数分増えることとなった。

4. 大井町線から田園都市線に直通する急行を増発もQシート設定は据え置きへ

また今回の2019年10月1日東急田園都市線・大井町線ダイヤ改正では、大井町線から田園都市線に直通する急行が増発する。

先述したように平日昼間に新たに毎時2本の大井町線直通急行が中央林間発着で設定することとなったほか、平日夕ラッシュ時にも大井町発長津田行き急行を溝の口行きを3本延長する形で設定することとなった。しかもこのうち1本は18時台のため平日夕ラッシュピーク時に当たっており、平日夕ラッシュ時の溝の口→長津田間の輸送力は3.5%増加することとなった。

ただしこれらの大井町始発長津田行き急行は、田園都市線内で地下鉄半蔵門線方面から来る10両急行の続行運転を行うため、渋谷から利用することは難しく、連絡があったとしても桜新町で急行に抜かされた各駅停車からの連絡しかないので、渋谷からの先着連絡列車になれないようだ。

また今回のダイヤ改正の平日夕方の急行の溝の口行きから長津田行きへの延長は、大井町19時台以降は予備運用2本を除くと運用数ギリギリであり、これ以上の長津田延長運転は難しいものと思われる。

さらに、6000系の一部及び6020系の全編成に設置しているQシートは車両増備が図られたにもかかわらず、平日夜間のQシート設定列車は5本のまま増発しないこととなった。

なお田園都市線では平日夕ラッシュ時は急行1本と各駅停車2本でサイクルダイヤを組んでおり、前々回の2018年3月30日ダイヤ改正と前回の2019年3月16日ダイヤ改正の2回に分けて10分サイクルダイヤから9分サイクルダイヤにし急行と各駅停車を増発したが、大井町線では2018年3月30日ダイヤ改正で平日夕ラッシュ時の緑の各駅停車を毎時12本から毎時13本に増発したものの、急行の運転間隔を不均等化させただけだったため急行の間に緑の各駅停車を3本挟む時と4本挟むときがある。田園都市線のように60で割れないサイクルダイヤを形成して、急行1本と緑の各駅停車3本で組む14分サイクルダイヤでの設定にすることはできなかったのだろうか。

このほか昼間の渋谷発は1分程度調整することとなり、急行と準急を合わせた運転間隔が4~14分間隔から5~13分間隔に均等化することとなったほか、平日夕ラッシュ時の田園都市線急行は渋谷→中央林間間の所要時間が概ね1分程度変更しているが、概ね44~45分ということに変わりはないようだ。

5. 結び

今回の2019年10月1日東急田園都市線及び大井町線イヤ改正では、南町田の南町田グランベリーパークへの改称に合わせ、急行が全日にわたり停車することとなったほか、大井町線直通急行が全日昼間に乗り入れることとなり、平日夜間も直通本数が増えることとなった。

また準急が長津田〜中央林間間で各駅停車化することにより、昼間は各駅停車を置き換えることで急行通過駅からの渋谷方面への直通アクセスを改善し、利便性向上が図られた。

今後田園都市線や大井町線でどのようなダイヤ改正が実施するのか、楽しみにしたい。


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