恐れていた!全席指定化と特急料金値下げ宣言! 山形新幹線・秋田新幹線ダイヤ改正予測(2022年3月実施予定)

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恐れていた!全席指定化と特急料金値下げ宣言! 山形新幹線・秋田新幹線ダイヤ改正予測(2022年3月実施予定)

JR東日本は2021年11月17日、プレスリリースにて山形新幹線「つばさ」を全車指定席化し山形新幹線・秋田新幹線で特急料金を改定すると公表した( 山形新幹線の全車指定席化と山形・秋田新幹線の特急料金の改定について )。今回はこれについて見ていく。

2022年3月25日実施の東北新幹線ダイヤ改正予測はこちら!

1. 山形新幹線「つばさ」の全車指定席化で特急料金値下げへ

今回の2022年3月実施予定の山形新幹線・秋田新幹線特急料金改定は、山形新幹線「つばさ」を全車指定席化する2022年3月ダイヤ改正と同時に実施する見込みだ。

山形新幹線・秋田新幹線の特急料金は東北新幹線と奥羽本線・田沢湖線を跨ぐ際の特急料金は実質同一列車にも関わらず通常期座席指定料金が530円ではなく1.7列車分の910円を徴収しており鉄道事業法違反が疑われる状態だったが、サブサイト時刻表の達人での問題提起もあり全区間で座席指定料金を530円に値下げすることとなった(なおこれに関する冊子を2021年12月31日開催のコミックマーケット99で頒布する方向で調整中)。

まあ奥羽本線内・田沢湖線内のみの利用では値下げになるし、東北新幹線と直通しても普通車指定席利用の場合は値下げになるので、秋田新幹線「こまち」利用の場合はほとんどの利用者が値下げになる。まあ本来なら通常期で380円の値下げになるべきではあるのだが、全車指定席化により完全に上乗せにしなかったところと繁忙期の340円加算が200円加算に低減し2022年4月から導入する最繁忙期にて680円加算が免れたことだけでも吉だろう。




一方で山形新幹線「つばさ」の場合は自由席が廃止となり全席指定席となるため、自由席利用者は760円~810円の値上げとなる。もっとも山形新幹線「つばさ」では臨時列車は10年以上前より全車指定席で運転することが多かったので、それが定期列車にも拡大したと思えばそれまでだが。

ただ救済措置として、福島~山形~新庄間では自由席特急料金同等額の特定特急料金で指定席の空席を利用できるほか(このため臨時列車でも指定席の空席を特定特急料金で利用できるようになるので利便性が向上する)、郡山から福島及び奥羽本線への各駅へは郡山~福島間の特定特急料金880円に座席指定料金530円を加えた通常期1,410円を採用するとしている。これにより郡山~福島間では通常期指定席が990円も安くなるほか、奥羽本線各駅へも改定前の自由席利用より安くなることとなった。

ただ今回のプレスリリースから疑問点が3つ。

  • 郡山~福島間の特定特急料金に座席指定料金を加えるのは、プレスリリースの表記から見るに奥羽本線直通に限らないようだ
  • 郡山~福島間の特定特急料金への加算は記載があるのに、秋田新幹線にあってしかるべき北上・新花巻~盛岡間に関する特急料金の記述がない
  • 山形新幹線「つばさ」の全席指定化により併結する「やまびこ」に自由席が残るのは不自然ではないか

では次からこれらの疑問点を解いていこう。




2. 郡山~福島間特例は東北新幹線全区間へ適用か

まずは郡山~福島間における指定席利用時の特例追加について。

2020年時点では郡山~福島間で通常期指定席を利用の場合、2,400円かかる。本来指定席を利用の場合は自由席特急料金に通常期であれば530円を加算した額を利用することになるが、東北新幹線では開業時より隣駅までを自由席で利用する場合には880円の特定特急料金で利用できるとしている。これは本来1,870円かかるところを大幅に値下げしているもので、国土交通省への認可の都合上は問題ない。

まあこの普通車指定席の料金改定も、郡山と奥羽本線に跨ぐ利用の場合に特定特急料金から530円加算した額にするとするのであれば、東北北海道新幹線直通利用における七戸十和田から北海道新幹線各駅や奥津軽いまべつから東北新幹線各駅への利用と同等の扱いとみなせるだが、このプレスリリースから読み取るに東北新幹線郡山~福島間の単独利用でもどうやら通常期指定席特急料金を2,400円から1,410円に値下げするように読み取れるのだ(もっとも2020年時点で七戸十和田~新青森間に単独利用時の特例はない)。

ただそうなると、他にも東北新幹線には多数の隣駅利用の組み合わせ(しかも隣駅扱いの特定特急料金設定区間はさらにある)があるにもかかわらず郡山~福島間のみ普通車指定席料金を値下げすることになる。まあ同一県内だから安くしましょうというかもしれないが、そうなると少なくとも岩手県は黙っていないはずだ。そう考えるとまだプレスリリースで公表していないだけでこの隣駅などでの指定席特急料金を特定特急料金+通常期530円加算とするのは東北新幹線全線に広まるのではないだろうか

ただ、今回は山形新幹線の特急料金値下げに関連し、郡山から奥羽本線各駅への利用で料金を変更する旨を公表する必要があった。そのため郡山~福島間で普通車指定席料金を値下げすることにより郡山発着の山形新幹線の料金を大幅に値下げすると言いたかったのだろう。




3. 郡山~福島特例は東北新幹線全列車全車指定席化への布石か

では東北新幹線の全区間に特定特急券区間で特定特急料金+530円で通常期に指定席が利用できるようになるとして、狙いはあるのだろうか。

もっとも隣駅間などでは870円~990円の値下げになるので利用者からは利用しやすくはなるが、2022年より最繁忙期を導入したりグリーン料金を値上げするほど増収策を打ち出しているJR東日本がやすやすと値下げするとは思えない。そうなると何かの代替を考えている可能性が高い。

そう考えると山形新幹線のみならず東北新幹線の全列車で全車指定席とし自由席を全面廃止するのではないだろうか

もし東北新幹線も「やまびこ」「なすの」全車指定席となるのであれば隣駅の自由席利用者の大幅値上げを防ぐために指定席を割安にする可能性は十分に考えられそうだ。

また「つばさ」と併結する「やまびこ」も全車指定席とすることにより、東京~福島間で一部自由席と全車指定席の混在併結を抑えることもできる(もっとも2022年3月東北新幹線ダイヤ改正で昼間の「つばさ」のうち一部が「やまびこ」との併結を取りやめ7両単独運転になる可能性も十分考えられるが)。ただ今回プレスリリースにしなかったのは、12月第3金曜日のダイヤ改正プレスリリース一斉公表と同時に公表するためではないだろうか。

そう考えると東北新幹線全列車が全車指定席になる可能性は十分考えられそうだ

なお上越新幹線・北陸新幹線については、2023年3月ダイヤ改正までに上越新幹線が全列車E7系で統一し最高速度を240km/hから275km/hに引き上げること2024年3月予定のダイヤ改正で北陸新幹線敦賀延伸を行うこと、全車指定席化をするにあたりJR西日本と調整が必要でありJR東日本単独では判断ができないことから2022年3月ダイヤ改正よりも遅れて行う可能性も考えられそうだ。




h2 id=”d”>4. 北上~盛岡間特例を記載しないのは秋田新幹線「こまち」減便のサインか

では郡山から山形新幹線経由奥羽本線利用での普通車指定席利用で特定特急料金を取り入れるのは分かった。が、同様の区間が秋田新幹線「こまち」にも存在する。

北上及び新花巻から秋田新幹線経由で田沢湖線・奥羽本線利用する際にも同様の特例が起こりうるはずだし、記載すべきはずなのである。また北上・新花巻に停車する秋田新幹線「こまち」も1日1往復のみ存在するので(仙台始発終着の「こまち95号」及び「こまち96号」)、組み合わせはあるはずなのである。

そのはずなのに記載しなかったということは、2022年3月ダイヤ改正で秋田新幹線「こまち」で北上・新花巻に停車する列車が消滅することを意味しているのではないだろうか

先述したように、北上・新花巻に停車する秋田新幹線「こまち」は仙台始発終着の早朝深夜の1往復しかない。そもそもこの「こまち」は東京に乗り入れないことや運転時間帯が早朝深夜であることから利用が他の列車と比べて圧倒的に少ないほか、仙台~盛岡間に至っては「はやぶさ」と増結し17両編成で運転するため2019年以前でも空席だらけの空気輸送列車だった。

そのため2022年3月ダイヤ改正で減車対象に入っている可能性が高い。もっとも「はやぶさ」まで廃止してしまうと仙台~盛岡・新青森・新函館北斗への利用も全て制限してしまい影響が大きいが、人口減少率日本一の秋田県を発着する秋田新幹線「こまち」のみの廃止であれば秋田県だけの影響で7両を減車することができるほか、盛岡での増解結を減らすこともでき費用節減につなげることができる。

もっとも北上・新花巻を通過にしたいのであれば仙台始発終着の「こまち95号」及び「こまち96号」を仙台~盛岡間ノンストップ運転にして7両単独運転をさせる方法もあるが、それに見合う需要は見込めないため難しいだろう。そうなると仙台始発終着「こまち」の廃止に伴う救済措置として考えられるのは盛岡~秋田間のみ運転を存続することであるが、そもそも利用が少ないのにこのご時世で需要が減った中運転するほどの需要があるとは言い難い。そう考えると仙台始発終着の「こまち95号」「こまち96号」は2022年3月ダイヤ改正で全区間廃止する可能性が高いのではないだろうか

また北上・新花巻から秋田新幹線「こまち」への特定特急料金割引を適用しなかったことから、東北新幹線の全車指定席化に合わせ新幹線特急料金を列車別徴収に変更する可能性が高い

これは2015年3月14日JR東日本ダイヤ改正で常磐線特急「ひたち」「ときわ」が品川に乗り入れるに当たり全車指定席化した際に、水戸または勝田での乗り継ぎ時の特急料金通算制度を廃止したのと同様である。

もし列車別徴収にして特急料金を乗り換えごとに打ち切りにしてしまえば仙台始発終着「こまち」の設定が廃止となる北上・新花巻から秋田新幹線経由田沢湖線・奥羽本線利用が盛岡で必ず乗り換えが必要となることから盛岡で特急料金を打ち切りにできるし、直通列車が無くなるため通算する料金表を設定せずに済むようになる。

まあ山形新幹線・秋田新幹線に関しては福島や盛岡で乗り換えても奥羽本線・田沢湖線内で特定料金券で指定席の空席に座れば乗り継いでも料金が変わらないのでそこまで大きな影響は出ないが、そのほかの東北新幹線列車の場合「はやぶさ」と「やまびこ」を仙台や盛岡で乗り換えた際に料金打ち切りの影響で大幅に特急料金を値上げする可能性があるのだ

そう考えると2022年春の実施する東北新幹線の特急料金改定では列車別に特急料金を打ち切りことにより大幅に料金制度を変える可能性すら考えられるのだ。そう考えると今回の山形新幹線・秋田新幹線の特急料金改定はそのほんの序章に過ぎないのだろう。


5. 結び

今回の2022年3月東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線ダイヤ改正では、山形新幹線の全車指定席化と特急料金値下げを行うことが確実となった。

ただこのほかにも東北新幹線全列車での全車指定席化や列車別料金設定も十分考えられるほか、秋田新幹線「こまち」の一部見直しの可能性も考えられるなど今回のプレスリリース以上に大きな動きを行う可能性が高い。

今後JR東日本でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

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