北陸新幹線敦賀延伸で特急しなの減車と臨時列車削減か! JR東海中央本線ダイヤ改正予測(2024年3月予定)

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北陸新幹線敦賀延伸で特急しなの減車と臨時列車削減か! JR東海中央本線ダイヤ改正予測(2024年3月予定)

JR東海は毎年3月にダイヤ改正を実施している。今回はこれから2024年3月JR東海中央本線ダイヤ改正について予測していく。

1. 北陸新幹線敦賀延伸で中央本線特急「しなの」見直しか!

今回の2024年3月以降実施予定のJR東海ダイヤ改正では、中央本線特急「しなの」で見直しを図る可能性がある。

JR東海では2020年からの大幅な利用者減少があっても、盤石な黒字経営を続けてまだまだ財力に余裕があることから、東海道新幹線定期列車や在来線普通列車は運転時間帯を多少短縮したものの運転本数をほぼ据え置いてきた。むしろ平日朝の中央線に至っては2022年3月12日ダイヤ改正で10両から8両に減車した補償として3往復増発することで輸送力を増強したほどである

ただ、在来線特急列車では紀勢本線特急「南紀」で定期運用をグリーン車付きの4両編成から2両編成に減車したほか、高山本線特急「ひだ」も富山発着・大阪発着列車を多くの日で3両から2両に減車した。どうやら在来線特急は減車する気満々なようだ。

JR東海在来線特急で主力と言われる中央本線特急「しなの」は名古屋から松本を経て長野を2時間56分で結ぶ特急列車で、東海道新幹線と連絡することで近畿やその西から長野に行く際にも使われる。




新大阪から長野の所要時間は東海道新幹線「のぞみ」と中央本線特急「しなの」を名古屋乗り継ぎで約4時間かかる。もっとも鉄道利用時の一般的な行き方ではあるが、2015年3月14日に北陸新幹線が金沢まで延伸したことで東京~金沢間に最速達の「かがやき」が運転を開始したほか、昼間は大宮~長野間で停車駅を絞った「はくたか」も運行されるようになった。この結果、大阪から湖西線特急「サンダーバード」と北陸新幹線を金沢で乗り継いでも約4時間10分、新大阪から東海道新幹線「のぞみ」で東京まで行き北陸新幹線「かがやき」「はくたか」で乗り換えても約4時間10分で到達できるようになり、従来の東海道新幹線利用名古屋乗り継ぎと大差がなくなってしまった。また翌年2016年3月26日JR東海ダイヤ改正で当時の在来線昼行列車最長距離列車で大阪~長野間で4時間56分運転を行っていた特急「しなの」の大阪乗り入れ列車が廃止となった。

さらに2024年3月に北陸新幹線が敦賀まで延伸しようものなら、特急「サンダーバード」と北陸新幹線の乗り継ぎで約3時間45分で到達できるようになる。しかも中央本線特急「しなの」はJR東海の列車だが、長野駅はJR東日本管理、大阪近郊の在来線はJR西日本管理で北陸新幹線を運営している2社のため大阪・長野ともに特急「しなの」を使ってくれる味方がいないのである。そう考えると従来の中央本線特急「しなの」利用が減るのは間違いなさそうだ。




2. 中央本線特急「しなの」臨時列車削減と定期列車減車か

中央本線特急「しなの」は名古屋~松本~長野間で毎時1本、1日13往復を運転している。定期運用はすべて6両での運転となっているが、ゴールデンウィークやお盆、年末年始には最大10両まで増結する。

もし大阪~長野間の需要が北陸新幹線に移ったとしても大阪~松本の利用は従来通り特急「しなの」利用だろうから大きく減るとは思えず、定期運用は一部の列車が4両に減車する可能性は少なからずあるが減便はないだろう。

ただ定期列車の増車で最大10両運転を行っているところ8両に減車してもおかしくはない。

また臨時特急「しなの」として名古屋~松本~大糸線白馬間に1往復、名古屋~松本間の区間運転で1往復運転している。名古屋~松本間の区間運転は名古屋~松本間の区間運転は前後の列車を10両で運転することにより設定をなくしてもおかしくはないし、白馬発着の1往復も松本で系統分割し中央本線名古屋~松本間は臨時増発を取りやめ定期特急「しなの」の増車、大糸線松本~白馬間はJE東日本E353系3両編成でまかないに行くかもしれない

そうなると今回の2024年3月JR東海ダイヤ改正では、臨時特急「しなの」1往復の運転を取りやめて383系を2運用削減、2016年3月26日JR東海ダイヤ改正で廃止となった大阪発着「しなの」1運用の浮きと合わせて383系特急型車両が最大3運用も浮くことになる

高山本線特急「ひだ」用キハ85系は1988年から投入したが、2022年7月1日から2023年3月18日JR東海ダイヤ改正にかけて新型車両HC85系に置き換えられた。1996年に投入した特急「しなの」用383系もあと数年で置き換わってもおかしくはない。その際に臨時増結の減車により新車投入数を減らす可能性は十分あるだろう。




3. 383系余剰で特急「しらさぎ」転用はあるのか

もし今回の2024年3月JR東海ダイヤ改正で臨時「しなの」が最大で2往復廃止となり最大3運用余ることになれば、ほかの特急列車に転用できる。

その中で考えられるのは、2024年3月の北陸新幹線敦賀延伸で大きく運転区間を短縮する北陸本線特急「しらさぎ」ではないだろうか。

2023年現在特急「しらさぎ」の運転区間は名古屋~金沢間であるが、北陸新幹線敦賀延伸に伴い特急「しらさぎ」は2時間に1本程度名古屋~敦賀間を結ぶ特急となると思われ、全線所要時間は1時間40分となる見込みだ。現状は敦賀~金沢の交流区間乗り入れのためすべてJR西日本車の681系または683系交直流対応車の運転となっているが、名古屋~敦賀間に短縮すると全運転区間が直流電化となるため直流専用電車でも運用可能となり車種の制約が大きく緩和するほか、区間の大半がJR東海区間となるためJR東海車が乗り入れ始めてもおかしくはない。

また「しらさぎ」用JR西日本681系・683系は基本編成が6両編成だが、JR東海383系も基本編成は6両編成である。いやむしろグリーン車連結編成は4両編成で4両+2両=6両運転を行っている列車もあることから輸送量に応じて減車もできるかもしれない。そう考えると車両合理化も兼ねてJR東海383系が「しらさぎ」運用を開始し相互乗り入れとなってもおかしくはない

さらにJR東海とJR西日本の列車走行キロによる運用調整の関係特急「南紀」の紀伊勝浦乗り入れを廃止し、すべて新宮発着に短縮する可能性もある




今後2027年以降のリニア中央新幹線の開業により中央本線美乃坂本駅に接続する形で岐阜県駅を設置することから東京~中津川間の利用で名古屋乗り換えでの特急「しなの」が使われなくなるし(むしろ2013年3月15日で中央線着席保障列車「セントラルライナー」を廃止し名古屋~中津川間の料金が必要な列車を毎時1本に集約して特急「しなの」の毎時1本運転をなんとか維持しているとも言える)、新大阪~長野間は品川・東京乗り換えで3時間20分程度で到達できてしまい、名古屋~長野間も2時間50分程度で到達できるようになってしまう。また北陸新幹線が新大阪まで伸びれば新大阪~長野間は約2時間30分で到達できるようになり、もはや長野からは名古屋より新大阪の方が所要時間が短くなってしまう。もうそこまで来たら中央本線特急「しなの」は毎時1本から2時間に1本に半減してもおかしくない。

新幹線網が形成されればされるほど中央本線特急「しなの」の需要が奪われていき、必要性が薄くなっていくのだろう。


4. 結び

今回の2024年3月以降実施予定のJR東海ダイヤ改正では、北陸新幹線弦が延伸に伴い大阪~長野間の利用が特急「しなの」から北陸新幹線に移り始めることから、特急「しなの」が多客期を中心に減車する可能性があるほか臨時列車を1往復減便する可能性がある。

また383系運用が1本余ることで特急「しらさぎ」の一部にJR東海383系を運用し始める可能性がある。

今後新車投入の相次ぐJR東海でどのようなダイヤ改正を実施していくのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. コウ より:

    名古屋住まいの者です北陸新幹線敦賀延長が、特急しなのの運用に影響するとは考えてませんでしたが、論理だって説明されると、なるほどと思いました。

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