京成電鉄は2022年1月25日、プレスリリースにて2月26日にダイヤ改正を行うと公表した( ２０２２年２月２６日（土）ダイヤ改正を実施します )。また北総鉄道は2022年1月25日、プレスリリースにて2月26日にダイヤ改正を行うと公表した( ２０２２年２月２６日（土）北総線ダイヤ改正を実施します )。さらに芝山鉄道は2022年1月26日、プレスリリースにて2月26日にダイヤ改正を行うと公表した( ダイヤ改正について )。今回はこれらについて見ていく。
1. 「スカイライナー」の青砥停車昼間に拡大へ！
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、成田空港線特急「スカイライナー」の青砥停車を拡大する。
特急「スカイライナー」は成田空港線経由になった2010年7月17日京成電鉄ダイヤ改正以降、日暮里～空港第2ビル間はノンストップで運転していた。しかし利用低迷と需要掘り起こしのため2020年4月11日京成電鉄ダイヤ改正より1日6往復が青砥に停車開始し、2020年6月1日京成電鉄ダイヤ改正で1時間20分間隔で停車するようになり、1日14往復に拡大した。
今回のダイヤ改正では青砥に停車する特急「スカイライナー」を1時間20分間隔から1時間間隔に増加する。
これにより成田空港発上野行きの青砥停車は1本増えて15本となったが、上野発成田空港行きの青砥停車は朝8時までの青砥停車全廃に伴い14本から10本に縮小する。
また今回のダイヤ改正では成田空港23時20分発特急「スカイライナー82号」上野行き最終を成田空港23時00分発に20分繰り上げる。なお成田空港23時00分発アクセス特急高砂行きは23時08分発に8分繰り下げる。
このほか今回のダイヤ改正でこれまで臨時減便ダイヤで40分間隔の運転となっていた特急「スカイライナー」が20分間隔に戻ることとなった。またAE形使用の印旛日本医大6時55分発上野行き特急「臨時ライナー」は、印旛日本医大7時00分発に繰り下げたのち上の到着を5分繰り上げ7時46分着とする。
2. 昼間の特急を快速に格下げへ
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、平日・土休日ともに昼間に40分間隔で運転している上野～成田空港間の特急を上野～佐倉間の快速に格下げする。
これにより京成上野発着の列車が小岩と東中山で普通と連絡できるようになり、特急通過駅からの京成上野へのアクセスを改善する。
これにより特急の区間短縮の救済として都営浅草線からの昼間の快速のうち40分間隔で運転する佐倉始発終着を他の列車同様成田空港発着に延長するほか、快速が各駅に停車する京成津田沼～うすい間で普通を40分に1本削減することとなる。これにより昼間に京成津田沼～うすい間で輸送力を13.6%減少するほか、6両編成を1運用削減する見込みだ。
もっとも昼間の減便は最小限に済んだわけだが、津田沼～うすい間で普通が昼間に40分に1本残ること、JR総武線快速との競合もあると思われるが昼間に快速が40分に3本を運転する中快速特急も40分に1本残ること、快速の上り列車の行先が都営浅草線直通西馬込行きと本線上野行きの2つになることを考えると、プレスリリースにあるわかりやすいダイヤと言えるかかなり怪しい。
なお今回格下げした上野発着の快速は青砥で押上線快速特急に連絡する。ただ同日のダイヤ改正で都営浅草線ではエアポート快特を20分間隔から40分間隔に削減し削減分は各駅に停車する列車に格下げするため、この青砥で連絡する快速特急は京急線直通三崎口行きの列車となる。
3. 平日朝ラッシュ時に本線で減便へ
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、平日朝ラッシュ時に本線で減便を図る。
今回減便するのは朝8時以降の上野～高砂間の普通列車で、8時台だけで2往復を削減する。
減便するのは高砂8時15分発上野行き、高砂8時37分発上野行きと、折返しで上野8時27分発普通高砂行きと上野8時47分発快速宗吾参道行きの4本で、高砂以東での減便救済として上野8時17分発普通高砂行きを上野8時20分発普通宗吾参道行きに延長する。
これにより6両編成2運用を削減する見込みだ。
このほか上野7時08分発特急成田行きを上野7時05分発快速成田行きに格下げするものの、平日朝ラッシュ時はそれ以外の区間での減便はない。
4. 平日夕ラッシュ時の上野始発アクセス特急大幅縮小へ
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、平日夜間の上野始発のアクセス特急を大幅に削減する。
これにより上野～青砥間の平日夕ラッシュ時の速達列車がほぼ快速のみの毎時1～2本程度しかなくなってしまう。
が、よく見るとアクセス特急3本を上野～高砂間で各駅に停車し、上野始発の普通高砂行き、高砂からアクセス特急成田空港行きとして運転するのである。
つまり、実は成田空港線経由の料金不要列車は残っているのだが、一部区間で各駅に停め見た目の行先を変えることで平日夕ラッシュ時の成田空港へのスカイライナー誘導を狙っているのだ。
なおこの分の普通を削減しているので、運用削減目的も見込んでいるようだ。
このアクセス特急の本線内普通格下げに伴う普通減便で6両編成1運用を削減できる見込みだ。
このほか成田空港平日16時以降初のアクセス特急の運転本数に変わりはないが上野行きは9本から2本に大幅に減り都営あさkスア線直通に振り替えられ多くが西馬込行きとなっているほか、上野18時08分発普通高砂行きは上野18時06分発快速高砂行きに格上げすることとなった。
5. 平日夕ラッシュ時に快速特急を特急に格下げへ
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、平日夕ラッシュ時の快速特急毎時6本のうち毎時3本を特急に格下げする。
そもそも平日朝夕ラッシュ時の快速特急は都営浅草線直通列車のみの運転だが、今回はその都営浅草線からの快速特急のうちおよそ平日夕ラッシュ時の半分を特急に格下げることとしたのだ。
これにより特急が各駅に停まる佐倉～成田間で普通を毎時6本から毎時3本に削減して1運用浮かすことができる見込みだ。
このほか押上21時48分発特急成田行きを通勤特急に格下げするほか、上野18時28分発快速成田空港行きを上野18時26分発快速高砂行きに大幅に短縮するほか、上野21時23分発普通高砂行きと上野21時55分発快速成田行きを廃止する。
また津田沼～大和田間で3往復を削減する。
なお平日朝ラッシュ時は西馬込行き快速特急を毎時6本のまま維持するほか、土休日朝夕に目立った減便はない。
6. 深夜の終電繰り上げへ
今回の2022年2月26日京成電鉄・芝山鉄道ダイヤ改正では、深夜の終電を繰り上げる。
これまで成田空港からの最終は成田空港23時03分発快速高砂行きで、高砂で都営浅草線直通普通浅草橋行き最終に連絡していた。が、快速通過駅から利用ができないため快速から普通に格下げすることとなった。
もっともこの快速高砂行き最終はそもそも6両運転のため普通に格下げしても運用上問題はない。ただし停車時間が必要になることと浅草橋行き最終への連絡を遅らせるわけにはいかないため、成田空港22時54分発に9分繰り上げることとなった。
この高砂行き最終に接続する芝山千代田23時00分発成田行き(土休日は終電)も芝山千代田22時56分発に4分繰り上げることとなった。
このほか深夜時間帯には成田空港23時29分発普通宗吾参道行き1本を増発している。
7. 北総線は朝夕に減便へ
今回の2022年2月26日北総鉄道ダイヤ改正では、朝夕を中心に減便を図る。
もっとも平日朝ラッシュ時ピーク時は北総特急4本含め変化はないのだが、朝オフピーク時や15時台以降夕方から夜間にかけて減便している。これにより高砂からの急行は18時台～19時台にかけての3本から19時台のみの2本に、特急は20時台～23時台まで各1本の4本あったものが22時台と23時台の特急廃止により20時台と21時台のみの2本に減便している。
この救済として運転するのが新鎌ヶ谷～印西牧の原・印旛日本医大間の普通列車である。つまり今回のプレスリリースで大々的に記載している新鎌ヶ谷始発終着列車の設定の本質は、平日は高砂～新鎌ヶ谷間での減便である。
減便するくらいなら京成成田空港線アクセス特急の一部を新鎌ヶ谷～印旛日本医大間で各駅に停車させて救済を図っても良かったのではないかと思うが、アクセス特急の本線内普通として運転よりハードルが高いのは各駅に停車する列車は北総鉄道の運転でそれぞれ別会社であることが起因しているのだろう。
なお土休日は8時台と9時台に新鎌ヶ谷～印西牧の原・印旛日本医大間の列車を2往復純増発している。
8. 結び
今回の2022年2月26日京成電鉄ダイヤ改正では、平日朝夕の減便で6両編成2運用を削減し合理化を図る見込みだ。
また平日夜間の上野始発アクセス特急の一部格下げにより特急誘導を図るなど増収を図ろうとしている。
今後京成電鉄でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
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