
近畿日本鉄道は2025年11月20日、プレスリリースにて2026年春より近鉄特急の一部を五位堂に増停車すると公表した。今回はこれから2026年3月の近畿日本鉄道大阪線ダイヤ変更について予測していく。
1. 朝夕に限り近鉄特急が五位堂に増停車で快速急行と準急激減か!
今回の2026年3月近畿日本鉄道ダイヤ変更では、特急が大阪線五位堂駅に増停車するようになる。
これにより過去のダイヤ変更の傾向から見るに平日朝の快速急行8両編成6本を急行6両編成8本に再編し格下げ、準急を順次区間準急に格下げし普通の運転区間を高安~河内国分間で削減することで減便する可能性が高い。
これに合わせ近畿日本鉄道では大阪線に新種別区間急行を設定するとしている。どのような列車になるのだろうか。
2. 区間急行新設で昼間の急行を格下げし五位堂~大和朝倉間で減便か!
今回の2026年3月近畿日本鉄道ダイヤ変更では、大阪線に区間急行を新設する。
2025年11月22日より大阪線用車両で区間急行の種別幕を確認している。このため今回の2026年3月近鉄大阪線ダイヤ変更で区間急行を設定するのではないかというものだ。
2020年3月14日近鉄大阪線ダイヤ変更より運転を開始し2024年3月16日近鉄大阪線ダイヤ変更で平日9本・土休日3本にまで増えた五位堂から急行に変化する大阪上本町行きをなぜ区間急行として運転しないのか。近畿日本鉄道には南大阪線で区間急行を走らせるくらいだから、大阪線にも区間急行を走らせたっていいじゃないか。
だがしかし2025年に至るまで大阪線では区間急行と名乗る種別を運転していない。それは大阪線で種別変更を伴う大規模なダイヤ変更を行うからではないだろうか!
もしこの五位堂で種別変更する急行が区間急行になるのであれば、区間急行の停車駅は大阪上本町を出ると鶴橋、布施、河内国分、五位堂~榊原温泉口間の各駅となりそうだ。これにより平日・土休日ともに朝に行っている普通五位堂行きからの急行大阪上本町行きへの種別変更を廃止し全区間区間急行に変更する見込みだ。
ただ区間急行が走るのは朝だけだろうか。昼間の急行を五位堂~桜井間でも各駅に停車する区間急行に格下げして五位堂~大和朝倉間の区間準急や普通を減らすのが目的ではないだろうか。
そもそも急行は五位堂で区間準急や普通に連絡するなので、五位堂~桜井間で各駅に停車する区間急行に格下げしたところで混雑区間を含む大阪上本町~五位堂間での客層に変わりはない。このため昼間の急行を五位堂~桜井間全駅停車の区間急行に格下げして停車駅が5駅増えたところで所要時間が最大5分延びるくらいでほとんど影響がないのだ。
ただ各駅停車になる区間が連続するよう昼間毎時1本は五位堂以東でも各駅に停車する列車を残す可能性が高い。
このため五位堂~大和朝倉間では昼間急行毎時3本と各駅に停車する区間準急または普通毎時3本の合計毎時6本だったところ、区間急行毎時3本とせいぜい区間準急毎時1本の合計毎時4本にまで減便する見込みだ。これにより昼間1運用~2運用削減できそうだ。
このとき近鉄大阪線の昼間の運転本数は以下のようになるだろう。
区間急行を急行停車駅に加え五位堂~桜井間全駅停車としたときの昼間の運転本数
- 名阪特急毎時2本
- 名伊特急毎時1本
- 区間急行大阪上本町~名張方面毎時3本
- 区間準急大阪上本町~大和朝倉間毎時1本
- 区間準急大阪上本町~五位堂間毎時2本
- 普通大阪上本町~五位堂間毎時1本
- 普通大阪上本町~高安間毎時4本
3. 昼間の急行と区間準急を統合し区間急行に再編か!
また区間急行は高安で増解結を図る可能性も示唆されていることから、区間急行は高安のほか近鉄八尾や河内山本に停車してもおかしくはない。
もっとも大阪線区間準急は昼間ガラガラで空いているのため区間準急をそのまま減便しても良いのだが、八尾市からすれば近鉄八尾に停車する列車が普通だけになってしまっては鶴橋や大阪上本町まで行くにもを減便することができる。
そこでもし急行が近鉄八尾にも停車する区間急行になれば区間準急を減便しても近鉄八尾から鶴橋・大阪上本町への速達列車を確保し続けることができる。しかも五位堂方面への所要時間短縮も見込めるから八尾市にとって悪い話ではない。
このとき昼間に区間急行を運転すれば急行と区間準急を統合できる。
これにより昼間の急行最大毎時3本と区間準急最大毎時3本を区間急行毎時3本に統合してもおかしくない。
また各駅停車が連続する区間で運転するために設定している五位堂発着普通昼間毎時1本あるが、区間準急が毎時3本から減便しても毎時3本で運びきれてしまうため高安~五位堂間で各駅に停車する電車も毎時4本から毎時3本に減便するだろう。これにより少なくとも大阪上本町~五位堂間で毎時1本の減便ができ、2運用は削減できそうだ。
この区間準急減便により少なくとも大阪上本町~五位堂間を直通する普通が増えることから、俊徳道のりかえJRおおさか東線新大阪経由東海道新幹線または山陽新幹線利用の利便性も上がるだろう。
このとき近鉄大阪線の昼間の運転本数は以下のようになるだろう。
区間急行を急行停車駅に加え近鉄八尾、河内山本、高安停車としたときの昼間の運転本数
- 名阪特急毎時2本
- 名伊特急毎時1本
- 区間急行大阪上本町~名張方面毎時3本
- 普通大阪上本町~大和朝倉間毎時3本
- 普通大阪上本町~高安間毎時2本
なお区間急行を近鉄八尾に加え五位堂~桜井間全駅停車としたときは昼間の大阪上本町~大和朝倉間普通のうち毎時2本が大阪上本町~五位堂間に短縮見込み
4. 区間準急の準急名称変更はあるのか!
今回の2026年3月近畿日本鉄道ダイヤ変更では、近鉄大阪線で準急が大きく減便する。これにより区間準急がさらに増える見込みだ。
もっとも東武スカイツリーラインのように急行に対して区間急行があるから準急に対して区間準急を残しても良いということにはなるが、そうなると近鉄大阪線の列車種別が料金不要列車だけで6種類にもなってしまう。しかも区間と名の付く種別が2種類になってしまいぱっと見分かりにくい。
そこですべての準急を高安~五位堂間も全駅停車の区間準急として区間準急が新しく準急と名乗るのではないだろうか。
別に大阪上本町~高安間では準急も区間準急も停車駅が変わらないので準急のままでも全く問題ないわけでそこまで大きな影響もないだろう。
5. まさかの快速急行河内国分増停車で運転本数維持はあるのか!
かくして2026年3月近鉄大阪線ダイヤ変更では快速急行を急行に格下げし快速急行が風前の灯火となる見込みだ。
もっとも快速急行のほとんどが急行になることからいっそのこと快速急行全てを急行に格下げ、急行のうち五位堂~桜井間でも通過運転を行う列車を快速急行とし急行を五位堂~桜井間各駅停車にしても良かったはずだ。ただ区間急行の新設が内定しているあたり急行も残すだろうし、当然快速急行も残るということになる。
そもそも大阪線に快速急行ができたのは1978年3月18日近畿日本鉄道ダイヤ変更で布施に急行を増停車することとしたものの、増停車なんかしたら平日朝夕に客を乗せ切れないだろということで引き続き布施を通過する料金不要列車として快速急行を設定したのが始まりである。これは東大阪市の要望によるものだろうが、そもそも布施駅は鶴橋駅から2駅しか離れておらず奈良線も大阪線も通るため昼間だけでも急行がなくても奈良線毎時9本、大阪線毎時8本が停車し、さらに急行が停車することでそれぞれ毎時3本ずつ停車があり合計毎時23本も停車するのである。いらないって布施の急行停車。当時の近鉄も快速急行を新設して布施通過を維持する当たり東大阪市の布施駅急行停車要望をいやいや受け入れたのでしょうな。そもそも同じく市の代表駅であろう近鉄八尾には急行は停車しないわけだし。
つまり快速急行の定義は布施を通過する料金不要列車である。布施を通過することで遠近分離を明確に分けることが快速急行の目的である。
今回の2026年3月近鉄大阪線ダイヤ変更で快速急行の急行格下げが大いに行われ準急の区間準急への格下げも行う見込みだ。そのためには急行のような河内国分に停車する列車でないと河内国分からの旅客が準急から移らず区間準急に格下げできない。
そう考えると快速急行を残すということは快速急行が河内国分に増停車するということではないだろうか。
快速急行が河内国分に増停車すれば準急利用客の一部が快速急行に流れるので準急の区間準急格下げが可能だし、快速急行であれば布施を通過とするはずなので布施で乗降する客を快速急行に乗せることを防ぐことができ朝夕の8両から6両へ減車する影響を小さくすることができる。
区間急行新設に合わせ快速急行の河内国分増停車を行ってもおかしくはないのではないだろうか。
ここまでくるともはや近鉄大阪線種別変更革命というべきだろう。
6. 結び
今回の2026年3月近鉄大阪線ダイヤ変更では、五位堂~桜井間も全駅に停車する区間急行を新設し昼間の急行を区間急行に格下げるほか、準急をすべて高安~河内国分間全駅停車の区間準急に格下げしたところで区間準急に新たに準急の名称を与える可能性が高い。また快速急行が河内国分に増停車することで朝夕の快速急行を残す可能性があるなど大阪線で大規模な種別変更を行う可能性が高い。
今後近畿日本鉄道でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
関連情報:近鉄大阪線五位堂駅の一部特急列車の停車駅への追加及びこれに関する近畿日本鉄道株式会社と香芝市との連携等について – 香芝市


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