JR東日本では例年毎年3月にダイヤ改正を実施している。今回は2025年3月東北新幹線ダイヤ改正について予測していく。
1. 東北新幹線で列車発着枠増加へ!
今回の2025年3月東北新幹線ダイヤ改正では、東京枠発着列車をさらに増発させる見込みだ。
前回2024年3月16日東北新幹線ダイヤ改正では、東京発8時台と10時台を4分間隔発車から3分45秒間隔発車に短縮することで毎時15本から毎時16本に増発、臨時「はやぶさ」「こまち」2本を上野始発から東京始発に延長した。
東京始発に延長することのメリットとして東京発着新幹線特急加算料金210円を徴収できる一方、上野始発では必要のなかったグランクラスアテンダントの乗車が必要になる。JR東日本では2025年4月1日よりグランクラスを1,760円値上げするのでアテンダント乗務列車増加によるコスト増加を増収でまかなうことができそうだ。
もし今回のダイヤ改正で東北新幹線東京枠発着列車毎時16本時間帯を拡大、上野7時56分発「はやぶさ53号」新青森行きと「こまち53号」秋田行き、上野9時48分発古川・一ノ関・北上停車の「はやぶさ371号」新青森行きの2本となっている。東京駅発着枠を毎時1本増やせば東京始発に延長することができ増収することができる。
また夕方の東京駅発着列車も毎時15本から毎時16本に増発することができれば、金曜や日曜は毎週運転となっている金沢15時04分発北陸新幹線「かがやき534号」上野行きや日曜は毎週運転に増発している金沢15時36分発北陸新幹線「はくたか582号」上野行きを東京行きに延長することができる。
今回の2025年3月ダイヤ改正で東北新幹線東京駅発着を毎時15本から毎時16本に増発する時間帯を拡大して増収を図る可能性は十分あるだろう。
2. 山形新幹線「つばさ」のE8系拡大で所要時間短縮へ!
今回の2025年3月東北新幹線ダイヤ改正までに、300km/h対応の山形新幹線「つばさ」用新型車両E8系を増備する。
前回の2024年3月16日東北新幹線ダイヤ改正時点では新型車両E8系による「つばさ」は定期列車は1日3往復しかなく、しかも臨時列車増発時には運用上の都合から従来のE3系が運用することもあったので300km/h運転対応のE8系固定運用で組める「つばさ」が1日たったの3本しかなく、所要時間短縮したのも1日3本に限っていた。
ただその後も新型車両E8系の投入は続いているため2024年10月~11月秋の臨時列車運転では定期列車6往復がおおむね300km/h対応のE8系運用となっているほか、うち5往復は毎日固定運用で入るようになっている。
2025年3月ダイヤ改正までにさらに新型車両E8系を増備することを踏まえると、2025年3月東北新幹線ダイヤ改正では6往復~8往復程度の山形新幹線「つばさ」が東京~福島間で最高速度を引き上げ、所要時間を2分~4分程度短縮するのではないだろうか。
3. 盛岡発着「やまびこ」275km/h運転継続で値上げ阻止へ
また今回の2025年3月東北新幹線ダイヤ改正では、盛岡発着の準速達列車「やまびこ」は275km/h運転に据え置き新幹線特急料金は据え置く見込みだ。
東北新幹線の10両フル規格車両編成は57本ある。このうち320km/h対応のE5系は51本に対し、275km/hまでしか出せないE2系が6本ある。
もっとも盛岡発着「やまびこ」は2021年にはすべてE5系またはE5系とE6系の併結列車とし全列車が320km/h運転が可能となっていた。JR東日本では300km/h以上で運転する列車には
前回2024年3月16日東北新幹線ダイヤ改正で山形新幹線「つばさ」と併結する10両編成がすべてE5系となったため急遽車両が足りなくなり、東京6時04分発「やまびこ41号」盛岡行きが年間約15日ほどE2系で運転せざる負えなくなっている。つまり値上げ条件である盛岡発着定期「やまびこ」の300km/h運転統一ができなくなってしまったのだ。
この「やまびこ」値上げできない問題は山形新幹線「つばさ」が値上げできない問題にも関連してくる。そもそも山形新幹線「つばさ」として走る車齢15年程度しか経っていないE3系をわざわざE8系に置き換えたのは、車両置き換えによる全列車最高速度275km/hから300km/hへの引き上げで新幹線特急料金を210円程度値上げできるからである。なんなら「やまびこ」に至っては東北新幹線内の運転距離が長いことから東京~盛岡間で最大520円の値上げが見込めるなどの増収効果を見込んでいた。
が、もし「やまびこ」はE2系が運用に入りうるので特急料金据え置き、山形新幹線「つばさ」は全列車300km/h対応になったので210円値上げしたまま東京~福島間で「やまびこ」と「つばさ」が引き続き併結するとなると、併結列車で所要時間が変わらないのに同じ区間で指定席利用時に料金差が生じることになる。そんなこと山形新幹線は通しの1列車なので座席指定料金は1回分の530円しか取ってはいけないとして特急料金を改定させた国土交通省に通じるだろうか、いや無理だろう。
そう考えると、「やまびこ」が盛岡発着も含め275km/hしか出せないE2系が運用するようになってしまった今、「やまびこ」のみならず山形新幹線「つばさ」の値上げもできないだろう。
もっとも320km/h対応のE5系を増備してすべての「やまびこ」運用を置き換えるのが一番だが、2020年以降JR東日本が新たに発注する新製車両の傾向が大きく変わり、大量導入大量置換え~既存車両の長寿命化やワンマン運転用短編成での導入に大きく移し車両製造費用が大きく減っている。このためE2系は寿命まで使い倒す可能性が極めて高い。
275km/h運転のまま残っているE2系10両編成6本は2010年製のため2031年ごろのALFA-Xによる新型車両EX系(仮称イーテン系)によって置き換える見込みだ。それまで東京~盛岡間はE2系運転を残すということになりそうだ。
4. 東北新幹線の終列車繰り上げはあるのか
また今回の2025年3月東北新幹線ダイヤ改正では、終列車の繰り上げはあるのだろうか。
JR東日本では2024年3月16日上越新幹線ダイヤ改正で東京発新潟行き最終と高崎行き最終を20分ずつ繰り上げており、今後のダイヤ改正で東北新幹線や北陸新幹線にも拡大するとしている。このため2025年3月以降のダイヤ改正で東北新幹線で終列車繰り上げを図る可能性は高い。
東北新幹線では東京22時12分発「やまびこ249号」仙台行き大宮~仙台間ノンストップ列車を毎週金曜日に運転していたが、2020年4月から運休しており仙台行き最終は東京21時44分発「やまびこ223号」仙台行きに28分繰り上がっている。このため東京発の終列車が減便ですぐに繰り上がるとはやや考えにくい。
そうなると考えられるのは東京22時44分発「なすの281号」那須塩原行き最終を東京22時36分発に8分繰り上げること程度しかない。この列車の送り込みの山形新幹線「つばさ158号」東京行きは東京22時24分着で東北新幹線東京駅は12分で折り返すことが可能なのでこの繰り上げは可能である。
ただ山形新幹線「つばさ158号」東京行きは依然275km/hまでしか出せないE3系による運転がほとんどである。このため300km/h運転ができず所要時間が短縮できない。
また東京発那須塩原行き最終「なすの281号」もE3系からE8系に置き換わることで運転速度が引き上がれば宇都宮・那須塩原到着が1分~2分程度繰り上げることができる。この所要時間短縮とセットで最終列車を繰り上げあた方が地元の反発を抑えられるのではないだろうか。
そう考えると東京発那須塩原行き最終「なすの281号」が依然E3系で運転していることを踏まえると、少なくとも2025年3月東北新幹線ダイヤ改正での終列車繰り上げは考えにくいのではないだろうか。
5. 結び
今回の2025年3月東北新幹線ダイヤ改正予測では、東京駅発着枠数拡大に伴う上野発着「はやぶさ」の東京延長が見込まれるほか、山形新幹線「つばさ」への新型車両E8系投入拡大で「つばさ」や仙台発着「やまびこ」で所要時間を短縮する見込みだ。
一方盛岡発着「やまびこ」は275km/h運転のまま抑える見込みで、2031年までこの状況は解消する予定がなさそうだ。
今後東北新幹線でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。
コメント