京都~奈良間快速着席保証指定席導入と35年ぶりの臨時特急いにしへ運転へ! JR西日本奈良線ダイヤ改正(2025年3月15日)

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京都~奈良間快速着席保証指定席導入と臨時特急いにしへ設定へ! JR西日本奈良線ダイヤ改正(2025年3月15日)

JR西日本近畿統括本部は2024年12月13日、プレスリリースにて2025年3月15日にダイヤ改正を行うと公表した。またJR西日本近畿統括本部は2025年1月17日、プレスリリースにて2025年4月~5月に奈良線臨時特急「いにしへ」を運転すると公表した。今回はこのうち奈良線について見ていく。

2025年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

1. 奈良線に終日指定席設定へ!

今回の2025年3月15日JR西日本ダイヤ改正では、奈良線みやこ路快速・快速・区間快速全列車に着席保証座席うれしートを設定する。

221系3ドア車クロスシート車両のうち奈良線みやこ路快速・快速・区間快速で運転する6両編成最後部の16席を指定席うれしートとする。料金は原則530円で、一部の月曜~木曜は330円に値下げする。

もっともほかの座席と変わらないため、料金を払いたくなければ5両半あるほかの座席に座ればいい。




ではなぜ座席も変わらないのに指定席を設定したのか。

そもそも京都と奈良はともに世界文化遺産であるがゆえ観光客が多く、35分程度で移動できるため観光客の利用が多い。東京・静岡・名古屋方面から東海道新幹線京都のりかえでJR奈良線または近鉄京都線利用、訪日外国人で関西空港→京都→奈良→関西空港または関西空港→奈良→京都→関西空港間のうち京都~奈良間の移動でJR奈良線を利用する観光客が多い。

このうち訪日外国人は着席保証を求めて座席指定券を買ってもおかしくないし、なんなら東海道新幹線をグリーン車に乗車するような人たちはJR奈良線に着席保証座席がないことから近鉄京都線特急を利用して奈良に向かっていた。この東海道新幹線グリーン車を使って奈良に行く人たちを近鉄京都線特急利用からJR奈良線みやこ路快速指定席うれしート利用に転換するため設定したのが今回のJR奈良線快速終日全列車指定席うれしート設定である。

ただどうやら奈良線うれしートは2年前の鉄道時刻表ニュースの記事から着想したらしい。なんだか瀬戸大橋線快速マリンライナーの指定席・グリーン車値上げもうちの記事を参考にやったらしいけれども、お礼の1つくらいないんですかね。

ただ快速指定席うれしートは平日朝夕の通勤時間帯を中心のみの設定でひるまは自由席として一般開放するため座席をわざわざ改造しないという口実があるが、奈良線快速うれしートは全日終日全みやこ路快速・快速・区間快速で設定するため新快速Aシートのような特急型専用座席にして通年840円に値上げしてもいいはずである。ただ改造には費用が掛かることから、まずは自由席同様のクロスシートで導入してみて需要を図り、平日も含め全日終日全快速で設定できると踏んだら製造から30年以上経過している221系の車両更新に合わせ指定席専用座席付きの奈良線快速用新型車両を導入する構想なのかもしれない。




2. 35年ぶりの奈良線臨時特急「いにしへ」設定へ!

また今回の2025年3月15日JR西日本ダイヤ改正では、35年ぶりの奈良線特急列車として京都~奈良間で臨時特急「いにしへ」を運転する。

奈良線経由の特急は1987年12月~1989年3月11日に京都~奈良~阪和貨物線経由~和歌山~白浜間で運転した特急「ふれ愛紀州路」「しらはま」がある。いずれも割安なB特急料金適用でJR西日本が発足した1987年4月1日から日が経つことなく運転を開始したが、すぐに廃止てしまった。というのもこれらの列車はあくまで当時天王寺駅で線路がつながっていなかった阪和線・紀勢本線から京都・東海道新幹線のりかえ駅への直通列車を設定するためのものだったためで、1989年7月22日の天王寺駅構内阪和連絡線開業に伴い紀勢本線特急「くろしお」自体が天王寺経由で新大阪・京都まで乗り入れるようになったためである。これにより特急「ふれ愛紀州路」「しらはま」の役割であった京都・東海道新幹線のりかえ駅への直通ニーズをわざわざ単線区間が多く最高速度も遅い阪和貨物線・奈良線経由で行う必要がなくなったため列車廃止、阪和貨物線は廃線となっている。このためJR奈良線に特急列車を運転したことはあるが、奈良線の利用者向けに運転したわけではない。

今回運転するJR奈良線特急「いにしへ」は京都~奈良間運転で、JR奈良線みやこ路快速の運転区間と一致する。つまり奈良線に特急型車両を運転するのは約35年ぶりだが、奈良線の利用者向けに特急列車を運転するのは史上初となる




今回運転するのは奈良線特急「いにしへ」号で、2025年4月19日・4月20日・5月17日・5月18日のいずれも土曜日曜に運転する。4日間とも京都9時41分発奈良行き、奈良16時14分発京都行となっている。途中停車駅は宇治のみとなっている。この特急「いにしへ」の所要時間は49分~55分となっており、料金不要のみやこ路快速の約44分よりも遅い

289系3両編成(「くろしお」型車両)での運転で全車指定席となっている。京都~奈良間の運賃は720円、特急料金は1,290円であることから、乗車には合計2.010円かかる。

もっともこちらもジャパンレールパスなどの利用で在来線特急乗り放題の訪日外国人や東海道新幹線グリーン車を利用して奈良を訪れる人たち向けの列車であることから、そのほか多数であるわれわれ庶民は関空特急「はるか」山科発着による900円ぼったくり同様高いお金を払ってくれる人たちがいてくれることで我々庶民の運賃が据え置かれると思いながらありがたみを持ちましょう。

また今回の2025年3月15日JR西日本ダイヤ改正では、大阪・新大阪~奈良間を結ぶおおさか東線特急「まほろば」が毎土休日運転に昇格している。今回臨時列車として設定する奈良線特急「いにしへ」も今後毎土休日定期列車化する可能性があるし、その際には所要時間を短縮してせめて京都~奈良間40分程度にはなるかもしれない。


3. 結び

今回の2025年3月15日JR西日本近畿統括本部ダイヤ改正では、奈良線で全日終日にわたり快速列車に指定席うれしートを設定することになったほか、臨時特急「いにしへ」設定で約35年ぶりに奈良線に特急を復活させることとなった。

今後JR西日本でどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

2025年3月ダイヤ改正まとめはこちら!

関連情報:2025年3月15日ダイヤ改正を実施します – JR西日本近畿統括本部

関連情報:この春、JR 奈良線に臨時特急「いにしへ」号が登場! – JR西日本近畿統括本部

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