延伸で東西直通開始へ! 香港港鉄MTR屯馬線延伸に伴うダイヤ改正(2021年6月27日)

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港鉄MTRは2021年5月28日、プレスリリースにて6月27日に屯馬線紅磡~啓徳間を開業すると公表した( 港鐵屯馬綫將於二零二一年六月二十七日通車 )。今回はこれについて見ていく。

1. 路線延伸で東西直通へ!

今回の2021年6月27日港鉄MTRダイヤ改正では、屯馬線が全通した。

屯馬線は2020年2月14日港鉄MTRダイヤ改正で馬鞍山線から改称し啓徳まで延伸したが、今回のダイヤ改正で啓徳〜紅磡間を延伸し、西鉄線全線(紅磡〜屯門間)を屯馬線に編入することとなった。これにより屯馬線は屯門〜烏渓沙間に至る路線に大幅な拡大をした。

ただ尖東を境に東側と西側で駅間距離が違い過ぎる。またそもそも馬鞍山線が当初ホームが6両までしか対応しておらず、西鉄線との直通運転を見据え8両に延ばしたこと、西鉄線はイギリスにならい左側通行だが馬鞍山線は中国にならい右側通行としたため宋皇台驛付近で上下線を入れ替えていることも踏まえると、強引に直通した感が否めない。

また紅磡は西鉄線ホームではなく新たに東側に建設した新ホーム発着となる。これにより東鉄線と対面乗り換えできなくなった。なお東鉄線金鐘延伸時に東鉄線ホームも付け替え、屯馬線の真下に移設する見込みのため、乗り換えが不便になるのは一時的なようだ。

今回屯馬線延伸に伴い運用を増加するわけだが、日本製(近畿車両と川崎重工で製造)の車両(当初は8本あったが2021年時点では5本位まで減少)を東鉄線から転属させ一等車付きの12両から普通車のみの8両編成に短縮している。この車両を捻出するため2021年2月6日より東鉄線で韓国現代ロテム製の一等車付き9両編成の新造投入を行い、日本製12両編成を順次東鉄線から撤退させた。

なお東鉄線ではこれまで12両編成しかなかったところに短い9両編成が追加することとなるが、今回の屯馬線延伸により紅磡~大囲間を通る直通ルートが2つに増え旧馬鞍山線方面の利用客が東鉄線に乗る可能性が大きく減ること、尖東など九龍半島中心部に東鉄線より屯馬線の方が行きやすくなること、ついでに2020年から深圳への出入りを制限しており東鉄線羅湖・落馬洲の両駅の閉鎖により利用が減っていることから東鉄線の利用減少が見込まれるため減車しても問題ないとしている。なお東鉄線は2022年頃までに香港島内金鐘まで延伸する予定であるが、ホームは9両分しか設置しない見込みだ。これにより今後既存のイギリス製の12両編成電車を全廃車、韓国現代ロテム製の9両編成に統一する見込みだ。




2. 東西直結で増発へ!

今回の2021年6月27日港鉄MTRダイヤ改正では、西鉄線の屯馬線編入に伴い増発を図る。

平日朝ラッシュ時は今回の延伸区間開通前は西鉄線で約2分54秒間隔、屯馬線で約3分30秒間隔での運転だったが、全通後は全線で約2分42秒~3分間隔で運転し増発することとなった。

また平日夕ラッシュ時は今回の延伸区間開通前は西鉄線で約3分30秒間隔、屯馬線で約4分間隔での運転だったが、全通後は全線で約3分30秒間隔で運転し旧西鉄線に合わせることにより屯馬線も合わせることとなった。

なお昼間は今回の延伸区間開通前は西鉄線で約7分間隔、屯馬線で約6分30秒~7分間隔での運転だったが、全通後は全線で約6分48秒~7分18秒間隔で運転しほぼ据え置くこととなった。

なお土曜日朝はこれまで西鉄線で最短5分30秒間隔、屯馬線で最短6分30秒間隔だったが、全通後は最短4分42秒間隔にまで短縮し増発を図ることとなった。




3. 終電繰り下げへ!

今回の2021年6月27日港鉄MTRダイヤ改正では、屯馬線で終電繰り下げを図る。

まず旧西鉄線区間。これまで紅磡24時25分発屯門行きが最終だったが、今回のダイヤ改正で紅磡24時32分発屯門行きに7分繰り下げた。これにより東涌線香港からの最終連絡(南昌乗り換え)は香港24時13分発から24時26分発に13分も繰り下げることとなった。

次に旧馬鞍山線区間。これまで啓徳から烏渓沙への最終は啓徳24時44分発が最終だったが、今回のダイヤ改正より啓徳→大囲間で終電を11分繰り下げることとなった。なお大囲→烏渓沙間では終電を据え置く。

これにより紅磡から烏渓沙への最終はこれまで東鉄線利用大囲連絡利用で紅磡24時28分発が最終だったが、今回のダイヤ改正より紅磡24時47分発の烏渓沙までの直通列車が最終となり、19分繰り下がることとなった。これにより紅磡から地下鉄観塘線方面への最終が紅磡24時28分発の東鉄線利用で九龍塘乗り換えから紅磡24時47分発の屯馬線利用で何文田乗り換えに19分繰り下がることとなった。

また香港からの最終もこれまで地下鉄荃湾線中環24時10分発の電車に乗らなければならなかったが、ダイヤ改正後は東涌線香港24時26分発の電車利用で済むようになったため、16分繰り下がることとなった。

なおこれ以外の既存区間では終電に大きな変更はないほか、繰り上げを行った区間はない。

これにより屯馬線全線運転の終電は、西行き(屯門方面)は烏渓沙23時54分発屯門行き、東行き(烏渓沙方面)は屯門24時09分発烏渓沙行きとなっている。


4. 結び

今回の2021年6月27日港鉄MTRダイヤ改正では、屯馬線が全通したことにより九龍半島内の利便性が向上することとなった。

東鉄線の香港島内金鐘への乗り入れにより九龍半島内から香港島内への更なる利便性向上が見込まれる中、今後港鉄MTRでどのようなダイヤ改正を実施するのか、見守ってゆきたい。

コメント

  1. 名無し より:

    現地の人間として少し物言います。東鉄線の9両編成投入のは、新線開通による利用減少ではなく、延伸部(特に金鐘駅)の設計制限が原因です。正確にいうと、金鐘駅は、「ホームは9両分しか設置しない」ではなく、高層ビルがいっぱいある、そしてすでに地下鉄3路線分のトンネルのある地下には「9両分しか設置できない」という方は正しいです。この延伸は路線の「都心直結」のようなものなので、利用者減でおろか、増えると予想されます。現地メディアでは東鉄線が9両に減車することが輸送力不足と懸念しています。

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