特急も普通列車も大幅合理化へ JR九州ダイヤ改正予測(2018年3月予定)

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西日本新聞は12月2日、Web版新聞記事にて2018年3月のダイヤ改正に合わせてJR九州が2018円春にダイヤ改正を行うと公表した( 沿線地域戸惑いの声 JRダイヤ改正案 はやとの風定期便中止「観光に影響も」 吉都線減便「高校生に支障」 )。今回はこれについて見ていく。

1. 特急「はやとの風」臨時列車化へ

JR九州完全民営化直後の前回2017年3月4日ダイヤ改正では小幅な動きしかなかったが、今回2018年JR九州のダイヤ改正では、現在定期便が2往復走る日豊本線や肥薩線を走る特急「はやとの風」が臨時列車に降格する見通しだ。特急と言えどもD&Sと呼ばれる観光目的の列車で、同じ宮崎県内を走る日南線特急「海幸山幸」を参考に考えても少なくとも土休日の運行は残り、平日の一部に運休日が出る模様だ。




2. ローカル線で減便相次ぐ

今回2018年3月ダイヤ改正では、宮崎県内を中心にローカル線各線で減便が相次ぐことが新聞記事で報じられている。

まずは都城と吉松を結ぶ吉都線。輸送密度458人/日にも関わらず11往復運転という大道芸を見せていたが、今回2018年3月のダイヤ改正で3往復減り8往復の運転となる。なぜ8往復も残るのかというと吉都線全線平均の輸送密度は458人/日であるが、都城~小林間ではそれより高い可能性があるのではないかと考えられる。もしそうであるなら、都城~小林間の運行本数は確保し、主にえびの市内となる小林~吉松間を中心に減便した方がよかったのではないだろうか。

また、宮崎から南に延びる日南線でも減便と運行区間短縮が行われる見込みだ。日南線は田吉~油津間では2016年度の輸送密度が1193人/日ある一方、油津~志布志間は222人/日しかない。それにもかかわらず志布志発着列車は10往復にも上る。単純に考えれば吉都線より空気輸送だ。ともなれば、日南線は志布志発着列車が大幅削減されるのではないだろうか。

また、日豊本線でも普通列車の減便がなされる。減便対象は佐伯~延岡間で、12月2日時点の普通列車の本数の半分以下にするとのこと。現在日豊本線では臼杵~佐伯間が災害により不通となっているため特急「にちりん」の運行を見合わせ代替として佐伯~延岡間は各駅停車4往復とノンストップの料金不要列車7往復が走っている。災害前は普通列車は佐伯~延岡間は3往復、市棚~延岡間で1往復となっているが、7往復から半減以下になるとすれば3往復の運転となるのではないだろうか。ともなれば、宮崎県内のみ運転の市棚~延岡間の1往復が廃止されるのではなかろうか。

なお、新聞記事では宮崎県内のJR線のみについて普通列車の減便の様相が見て取れるが、宮崎県内の多くに渡って普通列車の見直しが入ることから、大分県や佐賀県など他県にも減便の波が押し寄せる可能性があるのではないだろうか。もし九州の広い範囲での削減となれば、2016年のJR北海道ダイヤ改正で79本削減されたり、2010年には中国地方のJR西日本各線で大幅減便がなされ、今回のJR九州ダイヤ改正もそれに匹敵する可能性がある。


3. 結び

2018年3月JR九州ダイヤ改正では、特急・普通列車とも不採算路線において見直しが行われる。近年JR九州では九州新幹線新玉名駅のホーム無人化や「きりしま」「ひゅうが」などのビジネス特急列車のワンマン化や駅集中管理システムの導入など、2016年10月25日の完全民営化から相当支出にシビアになっている。今後どのように合理化を図るのか、注目したい。

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